怠惰なホテルマン、ステージに上る? / クレドサクセス実践ブログ
伝説コンシェルジュが明かすプレミアムなおもてなし―お客様の望みをすべてかなえる方法
を読んで学んだことをコラムにしています。
著者の前田さんは、オフは怠惰なのだそうです。
怠惰(たいだ)とは、なまけてダラダラしていることです。
ダラダラなんだそうです。
でも、仕事中、ホテルではたくさんの部下を束ねているコンシェルジュのリーダーです。
ホテルのコンシェルジュの前田さんと休日の前田さんは同一人物なのでしょうか?
それはもちろん、同一人物ですが、オンオフの切り替え、つまり仕事と休日の切り替えができているから、休日は怠惰なのです。
催眠術で、何かのキッカケをスイッチにして、催眠をかけたり、解いたりすることをアンカーというのですが、前田さんにも、怠惰な自分から、頼りになるコンシェルジュになるためのアンカーがありました。
それは、リッツ・カールトンをステージだと思うことです。
スタッフ控室で着替えをして、ホテルのロビーにでるドアを開けた瞬間から、ステージにあがるという意識で仕事に臨んでいるそうです。それが前田さんの切り替えのアンカーなのでしょう。
ホテルのことをステージと表現していますが、リッツ・カールトンのクレドカードに記載しているベーシックの14番はこんなことが書かれています。
14.いつも笑顔で。私たちはステージの上にいるのですから。」いつも積極的にお客様の目を見て応対しましょう。お客様の目をみて応対しましょう。お客様にも、従業員同士でも、必ずきちんとした言葉づかいを守ります。(「おはようございます。」「かしこまりました。」「ありがとうございます。」など)
リッツ・カールトンのスタッフたちは、仕事中はみんなステージに上っているのです。
クレドコンサルタントの清水先生が、リッツ・カールトンは本当に個性的な人が多いと言っていましたが、ちょっとコラムでは書けませんが、聞いてみると本当に個性的という言葉で表現できないような人がいっぱいいました。そんな人も、出社して、着替えてラインナップを行って、仕事に入ればリッツ・カールトンというステージの役者なんですね。
前田さんは、職場がステージという考え方をリッツ・カールトンより前にお勤めしていたホテルで意識し始めたといいます。
そのキッカケは、宿泊していたあるプロ野球選手から言われた言葉がキッカケでした。
「朝から晩まで『申し訳ございません』『ありがとうございます』っていってるし、かといって給料は高くないんでしょ。何が面白くてやっているの?」
その言葉が「舞台に上がる」という発想をもつ、最初にきっかけになりました。
本には実際の球団名と選手名が書かれていまして、ここではふせますが、
う~ん……
失礼千万ですね。
ま、それはいいとして、私もその言葉で思い出したことがありました。
以前勤務していた会社で、取引先や飲料メーカーさんをあつめた懇親会があり、参加しました。
誤解がないように言うと、飲食店経営者がみんなそうだとはいいません。しかし、お酒を納品している酒屋さんや、飲料メーカーの営業担当者さんを人間扱いしない飲食店経営者って多いんです。
私も何度かひどい目に合いました。
特に、飲料メーカーさんに無理難題をいう経営者が多く、営業担当者さんも腰の骨が折れちゃうんじゃないの? と思うくらい頭を下げて苦労している場面を何度も見てきました。
そしてその懇親会の時、たまたま横に座った、メーカーの方に、よく我慢ができますね、と言うと、そうですね、給料が安かったらできないですよ。と言っていました。
それはそうだよな。やっぱり我慢してるんだよな。と思いました。
だから、この野球選手が言った『給料やすいんでしょ。何が面白くてやっているの?』は、さらに辛い言葉だなと思いました。だから、前田さんが書いていますが、自分の感情を抑えなければできない仕事と言っていますし、素の自分では務まらない仕事だと言っています。
これは役割なのだと思いました。と前田さんは言っていますが、自分を全面にだして出来る仕事なんてそうそうあるもんじゃないですよ。プロ野球と違って。
仕事中は、会社の名前を背負っています。
ホテルの中では私物を持って歩かない、お客様にも見られないように注意する。
これも、デパート等でたまに見ますが、制服を着ているのに私物のバッグを肩にかけて出歩いているのを見ると、注意しようとは思いませんが、違和感を感じます。あー休憩中なのね。とは思いますが。
仕事は事後表現をする場所ではありません。
前田さんのように、オンオフを切り替える、仕事場がステージであるという考え方を取り入れて見るのもいいのではないかと思います。
そうすることで、素ではできないことも出来るようになるかもしれません。
それに、ストレスもあまり感じなくなるかもしれません。
あとは、やっぱり、見られているという感覚というか気持ちももって仕事をしたいですね。
《つづく》
著者/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中