クレドの導入で、志と哲学と理念でしっかりとつながった強い組織に。
リッツ・カールトンで育くまれた
ホスピタリティノート
高野登(著)
クレドを研究している友松です。
リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート/高野 登(著)の
『第6章 ホスピタリティは人と人との対話から』を読みました。
本書、リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート、最後の章になります。
ホスピタリティがテーマの最後のまとめになります。
著者の高野さんが現役の新人時代は、お客様がホテルマンを育ててくれていたそうです。
今からすると、お客様がスタッフを育てると聞くと、『???』と思います。
昔は今と違い、もっと人とのつながりが強かった。
そのため、ホテルを利用するお客様も、若いホテルマンのサービスに疑問を持った場合は、すぐに注意されたそうです。
そしてホテルマンがその場で学べたのだそうです。
常連のお客様になると、注意されたお客様に、また同じサービスをすることになるのですが、「少し成長したな!」と褒めてくれて、大変励みになったそうです。
今は、不満に思っても、よほどのことが無い限り、お客様はクレームを言いません。
クレーマーなんて思われたくないですし、昔と違い、ここがダメなら、同じようなサービスを受けられる場所がたくさんありますからね。
不満を持ったお客様は、何も言わずに去っていき、場合によっては、ネットに事実として感想を残します。
これが、ジワジワと会社やお店に効いてくるんですよね。
良いレビューならいいのですが、会社やお店にとって悪いレビューなら、売上げを落とすことにつながります。
ですから、経営者だけでなく、社員全員がホスピタリティの意識を持つことが大切だと理解できます。
そして、お客様から注意されて、育っていく機会が少ないのなら、育つ環境が、会社やお店に必要になってきます。
『先輩を見て盗め』
『これくらい言わなくてもわかるだろう。』
『なぜ、こんなこともできないのか』
『ゆとりだから仕方ない』
スタッフを見ていると、いろいろ思うところはあるかもしれません。
しかし、著者の高野さんが本書で書いています。
人が育つのは自ら成長しようと思った時だけです。
ですから、育てるという表現は正しくないと言います。
また、高野さんは、こうも書いています。
人は、育てようと思っても育たない
育つ環境で初めて育つもの
つまり、スタッフのやる気を削がない、やる気も育てる環境が必要で、それがクレドの導入につながるのだろうと私は考えました。
クレドには、リッツ式朝礼のラインナップ、部署間の垣根を無くして、部署間の信頼関係を作ることで実現するラテラルサービス、世界各地のリッツで日々生まれるワオストーリー(WOW stories)、すばらしいサービスを行ったスタッフを表彰するファイブスター制度(ファイブスター社員)など、あげるときりがありませんが、成長したいと思うスタッフに応える環境と仕組みがあります。
スタッフの定着、成長も、会社やお店の成長につながるわけですから、経営者や部下をもつ管理職の方が、クレドの導入に興味を持つのは当然ですね。
不景気な時であっても、志、哲学、理念でしっかりと「つながっている組織」は強いのです。
この志、哲学、理念の共有は、たとえば、朝礼で合唱するだけのものではなく、仕組みとして日々スタッフが意識できるように、そして、迷ったときに、あなたの会社やお店のスタッフとしてどうあるべきかを、立ち戻って考えることができるようにしなければ、なかなか志、哲学、理念の共有は難しいように思います。
高野さんが言う、強い組織を作るときも、クレドをベースにするというのは、クレドを難しく考えている人にとっては、遠回りのように思えても、実はクレドの導入が近道であることが本書を読んわかると思います。
まとめ
ある住宅会社で、いつも成績が最下位の支店の話しがありました。
その支店がわずかの間に、最下位常連から関東一の成績を収める支店に成長したそうです。
詳しいた過程は本書を読んでいただくとして、支店長が高野さんの本を読み、ホスピタリティの大切さを実感し、翌日、支店の全スタッフで同じ本を読み、話し合ったそうです。
そこから、スタッフの考えや行動に変化が起きて、関東一の支店になったそうです。
本書に書かれていた年配のご夫婦の自転車の話しは、短いエピソードでしたが涙腺がゆるみました。
クレドを導入して、クレドを浸透させていく過程で、ホスピタリティ関連、クレドやリッツ関連の書籍で学びあう機会も大切ですね。
著者の高野さんは、一人ひとりが、組織、地域、仲間を愛して大切にする心を持つこと。
これが、ホスピタリティの出発点。
「おもてなし」が注目されていますが、本当にこれからの時代、お客様との心の絆をつくるホスピタリティの実現が重要になってくると書いていますが、私もそう思います。
身近なところで言うと、ネットショップでも、やりとりがわずらわしいと思っている人は、Amazonを利用し、ショップからの情報やオーナーさんや店長さんとのやりとりが楽しいと感じる人は、楽天などのショップを利用したりと、利用者の趣向も分かれてきています。
どちらのショップが良いかは好みの問題ですが、やはり、サービスの形は違いますが、ホスピタリティを備えたサービスが生き残って、そして成長しているように感じます。
クレド勉強会/友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、
心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、
3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、
売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中