著者:清水健一郎
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今回は、

書籍「リッツ・カールトンと日本人の流儀」
人を動かす「洋の言葉」と「和の心」

を元に、私清水の目線でそのエッセンスを抽出してお伝えしたいと思います。

本日は第四章。
「社長という役職はあるが、リーダーという役職はない」です。

リーダーとマネージャーの違いとは?

第4章「社長という役職はあるが、リーダーという役職はない」で、高野氏はリーダーとマネージャーとの違いにふれています。

高野氏は、著書の中で、

マネジメントはできても、夢を語り、そこに人を巻き込み、引っ張っていく力が高くても、部下の能力を引き出す事ができない人はリーダーとは違うのです。リーダーを育ててこなかった組織で、管理職にプロジェクトリーダーをまかせても、なかなかリーダーにはなれないのはそのためです。管理をする人とリーダーはあきらにちかうのですから。

と言います。

そこで、私がリッツ・カールトン在籍時にリッツのリーダー研修に参加された上司から教えて頂いた例え話が、二十代前半の若者だった私にも理解しやすかったので、紹介させていただきます。

リーダーとマネージャー、時に一人がこの2つを兼ねている場合もありますが、この2つの役割は違うと思います。

責任ある立場、特に経営者は、自分の中にリーダーとマネージャーのバランス感覚が必要になると私は思います。
ですから、リーダーとマネージャーを分けて考えなければならないのでは?と思うのです。

では、リーダーシップとマネージメントについて、私がリッツ・カールトン在籍時に上司から教えて頂いた例をもとに紹介させていただきます。

例えば、夫婦で切り盛りしている町場のレストランを想像してみてください。

2人の夢は、
「多くの人にレストランの料理を食べていただいて喜んでいただく。レストランで働いた弟子達に将来、弟子各々の店を持たせる。」
です。

夫が料理一筋のオーナーシェフ、シェフの料理に惚れ込んで弟子入りする若者が後を絶たない。

そして、料理人としての夢を弟子達に毎日の様に熱く語り、時に叱咤激励し弟子を成長させている。

料理以外の店の切り盛りは奥さんが担当、良い食材を見つけると、毎回、衝動買いしてしまう夫の財布を握って、店の経営が成り立つように経理を中心にお客様情報の管理、ホールでの接客、弟子達の世話などを行っています。

こんな、レストランを営むオーナー夫婦のレストラン、私は何件も見てきました。
この場合、リーダーは夫で、マネージャーは奥さんです。

リーダーだけでは夢は達成しません。
マネージャーだけでも夢は達成しません。

この2人がいて、このレストランは初めて輝きだします。
もし、どちらかがいなくなれば、店が成り立たなくなってしまうでしょう。

それだけ、リーダーシップにはマネージメントが必要で、マネージメントにはリーダーシップが必要なのです。

もしリーダーとマネージャーを一人で兼ねている方は、この2つのバランス感覚が大切だと思います。

リーダーシップは、スタッフが
「給料は、生活が出来ればいいので、働かせてください。」
とまで言えるブランドや職場環境をつくり、自分の夢に他人を引き込み、自分の夢とスタッフの夢を重ねます。

例えば、シェフ夫婦の夢が

「多くの人にレストランの料理を食べていただいて喜んでもらえる。レストランで働いた弟子達に将来、弟子各々の店を持たせる。」

というわけですから、シェフが弟子に教えて作る料理が、弟子が将来独立した時に作りたいと思える料理だとすれば、それはシェフの夢と弟子の夢が重なっているということ。

そして、弟子達に今の自分達の仕事が、将来の自分の夢に向かって進んでいることを認識させる事でモチベーションを維持します。

マネージメントは、スタッフの仕事のクオリティ、生産効率を管理します。
その為、管理者即ちマネージャーが部下に仕事の指示、命令をしても部下達は、会社事であって自分ごとにはならないので、モチベーションが上がりません。

また、マネージャーは、仕事を効率よく行う為に人を選び雇用しますが、リーダーは自分の夢の手伝いをしてもらえる仲間として雇用すると思います。

もし、雇用した従業員を仕事を効率よく行う為だけで雇用したのであれば、まるでロボットを雇用したようなものです。
人をロボットの様に扱ったとすればそれは、非道徳的です。

「ヴィジョンなき仕事をさせるのは罪」とホルスト・シュルツィが言ったのも頷けます。

リーダーは、夢を語り仲間を導く、マネージャーは現実を直視し業務にあたる。

ですから、私は自身が経営する飲食店バスティアンで、従業員に仕事を与えていると思っていません。

従業員が将来の夢の実現の為に働き、従業員の信念を確立させる場所なのです。
リーダーである私の役割は、従業員の夢や仕事の目的を明確にし、その夢の実現の為のお手伝いをしていると思っています。
そうすることで、従業員は自分で考えて動きますし、生涯の仲間になります。

一つ付け加えたい事は、リーダーになる為に、決して地位や肩書きが必要なわけではない、ということ。

責任を取る覚悟を決め、情熱を持ち、夢を語り、夢に人を引き込ませて、人を導く。
坂本竜馬は、脱藩して浪人でお金もなかった。
夢を語り、人を引き付け、責任を取り、行動した結果、偉人になった。

高野氏は著書の中で

「リーダーは『何をするのか』ではなく、『どんな人か』だとおもっています。リーダーになる人は、一緒にいて元気になれる人、勇気や希望を感じる人、夢をみさせてくれる人です。リーダーの話には思わず耳を傾けます。だから、子供社会でも、お母さんの社会でも、趣味のまわりでも、新入社員の中からでもリーダーは生まれてきます。

ちょっとした小さなことでも、たとえ新人で、何もわかっていないと思われていても責任を取る覚悟を決め、夢を語り、夢に人を引き込ませて、人を導く事ができ、たとえ小さな夢(未来)でも、現実のものにできたとしたら、その時点で、その人はその分野のリーダーです。

リーダーとマネージャーの違い、そしてバランス。
考えていきたいですね。

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