著者:友松はじめ
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THE NEW GOLD STANDARD
ゴールド・スタンダード/ジョセフ・ミケーリ(著)

こんにちは。
クレドを研究している友松です。
今、ゴールド・スタンダードという本を読んでいます。
この本は翻訳本です。
そしてリッツ・カールトン本社を中心にキーマンになっている人たちにもインタビューした、まさに舞台裏を教えてくれる、とても楽しい本です。

今回から4章の「人材を選び抜く」を読んでいます。

紳士淑女をつくる1年250時間の研修

リッツ・カールトンのスタッフのサービスはすごいといわれます。
もちろん実際にすごいのですが、これはクレドがあるからとヒトコトで片づく話ではありませんでした。

人材を採用して紳士淑女に育て上げるという話を読んでいるのですが、すごすぎて正直まとめられません。
人材教育に興味がある、または人材教育に悩んでいる方にとって本書『ゴールドスタンダード』は悩み解決のヒントを与えてくれるはずです。

リッツ・カールトンに採用されると1年間で250時間の研修がまっています。
同社の研修制度が整っていて、それに沿って教育が進められていきます。

研修のゴールは紳士淑女です。
そしてスキル認定制度も準備されています。
250時間の間に自分の成長具合がわかるわけです。

そして250時間をかけて忠誠心の高い紳士淑女を育てるのです。
この研修があるからリッツ・カールトンは国際競争力があるといっています。
覆面審査もあるそうですよ。

でも、こんなすごい研修ができるのも、ゴールを紳士淑女に設定できるのも、それはクレドがあるからですよね。
クレドがなければ研修そのものを作ることができません。
発想するもとが無いのだから。
やっぱり、まずはクレド、そしてゴールドスタンダートの準備ですよ。

新規オープンするホテルに集結する世界中のリーダー

新規にオープンするリッツ・カールトンでも、現地の優秀な人材を採用し、250時間の研修にのせるのですが、まだオープンしているわけじゃないし、みんなはじめてのリッツ・カールトンですから教育する人がいません。
ではどこから教育するリーダーを連れてくるかというと、それは世界中のリッツ・カールトンの各部署から選抜されたリーダーがやってきます。

クレドコンサルタントの清水先生もリッツ・カールトン大阪のオープニングのときにはアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアからスタッフがやってきて教育を受けたと言っていました。
リッツ・カールトンの企業文化が染み込んだ忠誠心の高い人たちです。

十把一絡げじゃなく細かい部署にそれぞれのリーダーが世界中から派遣されてくるのです。
世界中から選抜された各部署の優秀なリーダーきて研修してくれるなら短い期間でその国の一流ホテルになることも納得できます。

その国のリッツ・カールトン
アメリカのリッツ・カールトンと日本のリッツ・カールトンは国がらを反映しているからすべて一緒ということはない。
でもゴールドスタンダートは世界共通です。

新規オープンしたあとしばらくして、従業員にホテルの意見を聞く機会があるそうです。
そしてその後、各部署のミッション・ステートメントを作ってもらうそうです。

リッツ・カールトンのミッション・ステートメントは、各部署がどうやったらクレドを実現できるかという行動指針でした。
このミッション・ステートメントを考えてもらうことでその国のリッツ・カールトンらしさが出てくるようです。

アダム・ハッサンさんの話

リッツ・カールトンの清掃係にアダム・ハッサンさんという方がいました。
12年前に入社して3年間、清掃員として働いていました。

ハッサンさんはいつかエンジニアとして働きたいという希望をもっていて上司もそれを知っていました。
上司はハッサンさんの夢が叶うようにと、清掃係だけどエンジニアの部署の仕事もさせてもらえていたそうです。

そしてエンジニアリング部で欠員がでたときにエンジニアリング部の責任者がハッサンさんに声をかけてくれ、エンジニアリング部への異動がか叶いました。
エンジニアリング部転属後も様々な資格取得をさせてくれているそうで、ハッサンさんももっとお客様の役に立てると喜んでいます。

この話はラテラルサービスですね。
リッツ・カールトンにはラテラルサービスがあるから部署が違ってもハッサンさんのようなことが可能。
スタッフの忠誠心も育ちますね。

まとめ

今回はリッツ・カールトンの研修制度についてでした。
すばらしい研修制度で紳士淑女を育てるだけじゃなく、支配人や重役さんたちも率先して荷物を運んだり、忙しい部署のヘルプに入ったり、従業員食堂でスタッフのご飯をよそったりしていることも知りました。

またモチベーション高く入社しても辞めていく社員がいることもちゃんと分かっていて、入社から一定期間をすぎたのちに、新入社員から真摯に意見を聞く場ももうけています。
そして話を聞くだけじゃなく、ちゃんと会議にかけて改善のレールにのせている。そしてどうなったかの結果も意見を言った社員に報告をしている。

ちゃんとやってるなあリッツ・カールトン。

今回も本書『ゴールドスタンダート』から読者への質問がありましたので引用させていただきます。

●新しいリーダーはあなたの会社の文化をどのように受け入れていますか。
●リーダーとして、自らラテラル・サービス(部門を超えたサービス)の重要性を示すようなことをしていますか。
●新規採用者が、早いうちに、やる気をあらたにできるよう話を聞く機会はありますか。(117ページより引用)

 

 

ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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