著者:友松はじめ
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THE NEW GOLD STANDARD
ゴールド・スタンダード/ジョセフ・ミケーリ(著)

こんにちは。
クレドを研究している友松です。
今、ゴールド・スタンダードという本を読んでいます。

この本は翻訳本です。
そしてリッツ・カールトン本社を中心にキーマンになっている人たちにもインタビューした、まさに舞台裏を教えてくれる、とても楽しい本です。

今回から4章の「人材を選び抜く」です。
今回読んだ内容だけも『人材を選ぶ』とか『人材を採用する』ではなくて、『選び抜く』と書かれている意味がわかりました。

人の採用に一切の迷いなし

読んでいて、本当にリッツ・カールトンは採用する人を選び抜いていることがわかりました。
普通は絶対にしない、いや、できないことをリッツ・カールトンは採用でやっていました。
私が理解したところでいうと『採用したい人の基準が超明確』であるということ。

だから

  • 「だれにしようかなー」
  • 「ちょっと雰囲気暗かったからダメー」
  • 「ハキハキしてていいね、気に入った」
  • 「なんとなくいいよ、この人」
  • 「おー!すごい実績があるね、すぐ採用しよう」
  • 「人が足んねーから、もういいよこの人で。入ったら教育すりゃいいじゃん」

ということが一切ない。
人の採用に一切迷いがないように感じました。

リッツ・カールトンの採用に基準は?
今回読んだところに、リッツ・カールトンの採用の基準が書かれていました。

お客様を満足させるためには、お客様の期待を超えるサービスを提供できる才能のある人を見つけることが重要であると理解しなければならない。(96ページから引用)

リッツ・カールトンの面接選考は、
『サービスの才能』を持っている人を探す行為のようです。

だから、華々しい実績と能力があったとしても、それが『上手にできる強み』からきている実績や能力なのか、それとも『楽しみながら上手にできる強み』なのかを見極めているそうです。
『楽しみながら上手にできる強み』が真の強みだそうです。

そうなると当然、
じゃあ、そんな人材、どうやって見つけるんだよ。
ということになるわけですが…

「学生のとき、わたしがリッツ・カールトンで働きたがっていることを知った担当教授が、上級副料理長兼ルームマネージャーに連絡を取ってくれました。応募書類に記入し、採用担当マネージャーと最初の面接をした後、製菓担当のアシスタントスタッフシェフと面接をしました。個人的なことやお菓子に関する質問を受けました。それから、上級ペストリー・シェフとの面接がありました。また別の日に、ホテルへ行き、今度は製菓を作ってシェフに試食をしてもらいました。数日後、電話をもらって、いまのポジションで働くことになりました」。(98ページから引用)

選考のプロセスが多すぎと感じた人もいると思います。
私もそう思いました。

どんどん読み進めていくと、人によっては14回の面接を受けて採用になった人もいたことがわかりました。
ほんとうに『選び抜く』という意味がわかりますね。

なぜこんなに選考プロセスが多いのか?
そしてこの選考プロセスにはプラスの副作用があることもわかりました。

選考プロセスが多い理由と選考後の副作用

選考プロセスが多い理由は、候補者の長所を評価しようとしているから。
面接には取締役たちや現場責任者がおこなうのは当然として、面接の資格をもっている一般スタッフさんたちもいて、その人たちも面接をおこなうのです。

この選考プロセスをとおすことで、ほぼ狙い通りの人材が採用できていると書かれていました。
採用までに十分な時間も書けているからとも。

そして、この長い選考の副作用ですが…って、副作用って言っているのは私なんですけど、すみません。
こうやって長い長い選考のすえに採用された人たちは…

  • 自分が選ばれたことに誇りをもつ
  • 自分を選んだことが正解だったと思ってもらいたい
  • 選んでくれた会社やスタッフさんたちの期待にこたえたい
  • 期待を裏切らないように働きたい

などなど、採用された時点でおのおのが思うそうです。
働く前からすでにモチベーションが高いのです。いや、高くなるのです。

長い選考プロセスの目に見える結果としては、ホテル業界の平均離職率は60%。
対してリッツ・カールトンの離職率は20%なのだそうです。
結果はでていますね。

まとめ

最後に、読者に向けた質問が印象に残ったので引用したいと思います。

●技術的なスキルだけでなく、採用候補者のやる気や長所を調べるために、どんなことを行っていますか?
●選考のプロセスはどのようなものですか。面接は複数回行っていますか。現場の従業員による面接もありますか。
●選考に時間をかけず、便宜的に採用してしまうことがよくありますか。(102ページから引用)

たしかに今は、数年前のように募集をかければ応募者があつまってきた時代ではなくなりました。
だから応募してきた人を即採用したい気持ちにもなると思います。

でも、少しだけ長い目でみたときにそれがプラスなのかマイナスなのか、ちょっと考えてみてもいいかなと思いました。
そうはいっても難しいところですけど、選考の考え方のひとつとして。

ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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