著者:友松はじめ
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物が満ち足りた世界の報酬とは?

今、小さな会社だからこそできる ESクレドを使った組織改革という本を読んでいます。
現代とはどんな時代なのかという内容を読んでいるのですが、この中で今現在は物が満ち足りた時代だと書かれています。
まぁ、それは誰でも分かることだと思います。

どれだけ物が満ち足りているかというのを戦後復興からの日本の状況と比べながら説明されていて、この中である一人の若者が取り上げられています。
有名国立大学に入学をして、家族からの期待を一身に集めて大学生活を送ったが、現在はニートの状態。

毎日何をしているかと言うと、インターネットでゲームをして過ごしている。
収入はどうしているかと言うと、インターネットを使った広告収入を得ることをしながら細々と生活をしている。
基本的に生活するための必要な物は揃っていて、贅沢をしなければ特に困ったこともないという状態。

著者はこれからどうして行くの? と若者にと尋ねたところ、彼なりに今の生活をそのままずっと続ける、または続けられるとは思っていないと書かれていました。
ただ、その今の生活がいつ終わるのか、どうやって最後を迎えるのかということについてはわからないし、あえてそこに目を向けることもないということでした。

今は富める時代なので、本来であれば毎日ご飯が食べられて衣食住が保障されているというのは、少し前の時代からすれば本当にありがたい、毎日が感謝しながら過ごせるはずの状況なのに幸せのセンサーが鈍くなっているのではないか? と著者はこの本の中で述べています。

私もそう思います。
なんだか贅沢をしているつもりはないのですが、幸せの基準が高くて現状に満足や感謝ができないと感じるシーンが多いように感じます。

高度成長期の時代はみんな、自分たちが裕福になるために働いて金銭を稼ぎ資産を作るということに躍起になってました。
ただ今は必要なものが比較的簡単に手に入るため、必ずしも金銭的な報酬を求めない若者が増えてきたということが書かれており、その彼ら彼女らはどうやったら幸せを感じて、働く意欲を持って仕事をしてくれるのだろうかと書かれています。(もちろん金銭は必要だと思いますが)

この中で著者は金銭などの報酬ではなくて人事考課や賃金制度も時代の変化に対応する時が来ているんではないかと述べています。
いくら給料が良くても転職や会社を辞める理由のトップにいつも上がるのが、会社の人間関係だったりするので、やっぱり働きやすさとかやりがいとか、いかに自分がその会社で必要とされるのかという、評価が重要になってくるんではないか。

そのためにクレドが必要になってくるということではないかと思います。
クレドコンサルタントの清水先生からリッツカールトンで働いている時には、決して十分な報酬ではなかったけれども、働く意味とか仲間とか、評価をされるとか、必要とされていることを感じるとか、お客様からの感謝とか、金銭や報酬以外のところでやりがいを感じるシーンというのがすごく多かったといいます。
その中心になっていたのがクレドだった。

もちろん報酬の高さは、その自分の仕事の評価に直接形として現れるものなので、少ないよりも多い方が嬉しいのは当然です。
しかし自分の働く環境がやりがいのあるものであったり、自分が率先して働いた行動を周りから褒められたり、評価されることもやりがいにつながる。

そしてこの会社でもっと良い仕事をしたいということで勉強をして、レベルを上げて成長したことで成し遂げた仕事に対して周りから評価されることも本当に嬉しいことだし、やりがいを感じることであり、そこが報酬とは関係のないところのようです。

他の本でも書かれていますが、そこにクレドがポイントになってくるということになるわけです。
この本では社員満足のESがついた「ES クレド」がテーマになっています。
このESクレドが、これからこの本を読み進めていく中でどう報酬以外のところで、従業員のやりがいを育てていくためのポイントとなってくるのかを注目しながら読み進めていきたいと思います。

まずは働くという上で報酬が一番ではないということが今回読み進めていてのポイントだったと思います。

 

《つづく》

 

《参考文献》ESクレドを使った組織改革―小さな会社だからこそ、できる! 社員の気持ちを仕事に向ける、ちょっとしたシカケづくり/日本ES開発協会、中筋 宣貴(著)

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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