著者:友松はじめ
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技術よりマナーを磨くと相手が望むものを提供できる理由
クレドを研究している友松です。
技術さえあれば、人間性は二の次といった当時のIT業界でまったくのIT素人を採用して一人前の技術者に育ててクライアント企業に派遣するという方法をおこなったアイエスエフネット。
当時のIT業界では考えられなかった採用方法だったにも関わらず、今では主流の採用方法だといいます。

仕事をしているとマナーとルールがありますね。
あらためて考えたことはなかったのですが、ルールとは破ると罰則があるものでマナーは破っても罰則が無いものだそうです。

そうか、だからルールは守ってもマナーは守らない人もいるのか。
罰則がないから。

以前、サピエンス全史という本を読んだとき、私たちの祖先であるホモサピエンスはネアンデルタール人よりも弱かったけれど、神のようなものを信じることができたから団結できた。
そしてネアンデルタール人を滅ぼすことができた…ということが書かれていました。

私たちははるか昔から秩序を持って共同生活ができるようにルールを作って守ることができる動物なんですね。
だけど、今お話したようにマナーには罰則が無いので守らない人も多い。
そしてマナーを守らなかったとしても人に実害を与えることはほぼ無いですよね。

「だれに迷惑をかけるわけじゃないんだからいいじゃん!」

というときは考えてみると、たいていマナーについてだなと、このコラムを書きながら思いました。
罰則が無いし、人にも迷惑をかけるわけじゃないから、こちらも注意をしにくい。

それからマナーを守らないことで、人に不愉快な思いをかけてしまうことも多々あります。
それでサービスする側のマナーが悪いとお客様から注意されたり怒られたり、ネットで書き込みされて大変なことになる場合があります。

でもお客様のマナーが悪くても、サービスする側が悲しい思いや不快な思いをするだけで大騒ぎされることも無いし、お店や会社が存続の危機にさらされることもない。

著者の林田さんは、マナーはサービスをする側だけでなく、サービスされる側にもマナーが必要だと書いていました。
本当にそうですね。

私も接客の業務をしていたとき、マナーのある常連のお客様がきているときはとても気持ちよく安心して接客することができてましたから。
サービスされる側もマナーを持ってサービスを受けたほうが長い目でみるとメリットが大きいと思うのですがどうでしょうか。

そして、サービスする側は、マナーの悪いお客様にあたったときは、それを反面教師にして活かしましょうと林田さんは書いています。
本当にそう思います。

反面教師だと思えば、身を持って自分に教えてくれていると思えて、感謝の気持が湧いてきますよね。(無理に湧かなくてもいいけど。汗)

技術よりマナーを磨くと相手が望むものを提供できる理由は、マナーは相手との信頼関係をつくるからだそうです。
どんなに人よりも秀でたモノを持っていても、マナーの悪い人の言うことは伝わってこないそうです。
これはNLPのラポールをつくることと同じでした。

どんなに言葉巧みにコミュニケーションをしてみても、ラポールがつくれていないと相手にはほとんど伝わらないのです。
コミュニケーションには2つの種類があります。

  • 言語のコミュニケーション
  • 非言語のコミュニケーション

の2つです。
言語のコミュニケーションはもちろん言葉を使います。
非言語のコミュニケーションは言語以外を使います。

催眠の本で読んだのですが、コミュニケーションにおける言語の割合は7%で、残り93%は非言語なんだそうです。
言葉じゃないところでのコミュニケーションが重要だということです。

だからNLPではコミュニケーションをはじめるとき、まずは話すことよりも、ラポールをつくることに重きをおきます。
ラポールはひとことで説明すると深い信頼関係です。

NLPではラポールをつくるために、ペーシングやバックトラックやミラーリング、カリブレーションとったテクノロジーがあるんですが、これらのテクノロジーはほぼ非言語です。
このラポールをつくるNLPのテクノロジーに相当するのが『マナー』だと、本を読んで感じました。

マナーはほぼ非言語、つまり言葉を使わないで行いますよね。
笑顔や相手を気遣う所作に、相手は安心感や信頼感を持ちます。
クレドコンサルタントの清水健一郎先生から、リッツ・カールトンのスタッフはお客様の目を見て、お客様の話を興味深く傾聴すると聞いたことがあります。

言葉は違うだけでマナーをもって相手に接することは、ラポールをつくること、相手との深い信頼関係をつくることになるということですね。
もちろん技術力は無いよりも有ったほうがいいのですが、技術だけがあってもダメなんです。

相手が何を欲しているかイメージして、そこから関連する話題を切り出してみて相手が話しやすい雰囲気を作ってあげる。
そうすることで相手が欲しているものが明らかになってくる。
そこではじめて相手が望むものを提供することができる。

技術力はあっても、マナーを知らない、コミュニケーションも上手にできない人は相手の望むものを提供することはできないだろうなと思います。
相手と信頼関係をつくることができるマナーを身に着けたいですね。

 
《つづく》

 

《参考文献》伝説のホテルマンが説く IT企業のホスピタリティ戦略 / 林田正光(著)

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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