著者:友松はじめ
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『仕事の型』としてクレドを考えてみる

クレドを研究している友松です。
せっかくクレドを作ってクレドカードを従業員に持たせているのに社内に浸透しないと悩んでいる人は多いみたいですね。
Googleで『クレド』と検索すると、クレドに関連する検索キーワードに『クレド 失敗例』が検索の候補であがってきます。(汗)

クリックして見てみると実際の失敗例がヒットするわけではなくて、やっぱりクレドの作り方や浸透させる方法を紹介したページが表示されます。
ただ、検索の候補として『クレド 失敗例』が表示されるということは、それだけこのキーワードで検索をしている人が多い証拠でもあります。

クレドはほとんどの経営者にとってはじめての仕組みなので、クレドを作る前から、失敗したらどうしようと思うのもムリはないと思います。
そこでクレドも習い事を覚えるときのように『型』で考えてみてはどうでしょう。

 

『型』と考えるとカンタンになる

難しいと思うものでも、それを型として考えてみると、動きを真似るだけです。
真似ようとするだけなので、いろいろと考えることはありません。
考えないので難しいと感じません。

動きを指摘されたらそこを修正して繰り返すだけです。
あれこれ頭で考えるからうまくいかないということは私たちの生活の中で多々あります。

NLPに卓越性の連鎖というものがあります。
カンタンに説明すると感情は外側からの刺激でも変えることができるというもので、うまくいかないなと気づいたら、姿勢と呼吸を整えて乱れた感情をリセットするというようなものです。

クレドという新しい仕組みを導入しようと思ったら、頭で考えようとするのは当然なのですがはじめての仕組みなので頭で考えて、わからなくなって進みが遅くなってしまうのならクレドを『型』と思って、動作から入るものいいと思うのです。

 

『型』を覚えるための反復練習

『型』を覚えるためには反復練習が必要になります。
クレドを浸透するための反復は、仕事の現場とクレドを使う機会が必要です。
そして反復するには忍耐も必要です。

仕事の現場は文字通り慣れ親しんだ仕事の現場
クレドを使う機会はラインナップ
反復を続けるための忍耐は未来の自分のイメージ

 

仕事の現場

クレドは仕事で活かすものですから、これは言うまでもないですね。
クレドを使った従業員を経営者が称賛すること。
これは大事です。

クレドコンサルタントの清水先生がオープン間もないリッツ・カールトン大阪でのこと。
エンパワーメントという1日20万円を自己判断で決済できるというクレドのルールを初めて使った従業員がいました。

お客様のお子さんにエンパワーメントしたとはいえ、会社のお金を勝手に自己判断で使ったのですからその従業員は当然怒られるものと思っていました。
ところが、当時の総支配人は満面の笑みでその社員を何度もハグして、従業員の頭を両手でグシャグシャにしながら称賛したそうです。

そこから一気にクレドの浸透が従業員に広がったといいます。
これはあくまで一例ですが経営者のサポートはクレドの浸透では欠かせないポイントです。

 

ラインナップ

ラインナップはリッツ式の朝礼です。
毎日始業前の20分を使って、クレドをテーマに参加者全員でディスカッションをします。
毎日クレドをテーマにディスカッションするのでこれが反復練習の機会になります。

前リッツ・カールトン日本支社長の高野登氏はこの反復練習を心の筋トレと表現しています。
自分のケースを話すだけでなく、別の参加者のケースも学べるのでクレドの浸透が早くなります。

 

未来のイメージ

反復するには忍耐が必要です。
この忍耐のエネルギーが、成長した自分、つまり未来のイメージです。
サッカーのレギュラーになる! と思えば辛い練習も耐えることができますよね。
それと同じです。

 

クレドを身につけるポイント

クレドに限らず、新しいことを身につけるポイントは素直さと謙虚さです。
素直も謙虚もほとんど同じ意味ですが、こう考えるとわかりやすいと思います。

素直さ=自分の考えは一旦脇に置いてそのまま受け入れる
謙虚さ=自分をスゴイと思わない。

特に自分をスゴイと思わないことは、NLPのポジションチェンジと共通しています。
できるようになった自分をスゴイと思っているということは自分の殻の中にいる状態です。
この状態のときは物事を主観的に見たり考えたりする傾向が強くなります。

いっぽう、自分をスゴイと思わないということは、外から自分が見れているということです。
つまり自分を客観的に見れているということです。
NLPでは自分を客観的に見れている状態を第三ポジションと表現しています。

以上の理由から、クレド、そして新しいことを覚えるには、素直さと謙虚さが必要です。

 

まとめ

クレドは難しいと思うのは普通だと思います。
私も本ではじめてクレドを知った時は、スゴイとは思いましたがスグに自分にはわからないしこれからも理解することはできないと思っていました。

クレドを導入して成功している企業がスゴすぎるのでそう思うのも仕方がないことだとは思いますが、中小の企業や飲食店でもクレドの導入は進んでいます。
ですからクレドの考え等を理解するのも大事なのですが、型と考えてみるのもクレドを理解するひとつの方法ではないでしょうか。

《 参考文献 》リッツ・カールトン「型」から入る仕事術 / 高野登(著)

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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