自分たちに非はないのに責任を感じることはこんなにもメリットがある / 友松クレド研究
THE NEW GOLD STANDARD
ゴールド・スタンダード/ジョセフ・ミケーリ(著)
こんにちは。
クレドを研究している友松です。
今、ゴールド・スタンダードという本を読んでいます。
この本は翻訳本です。
そしてリッツ・カールトン本社を中心にキーマンになっている人たちにもインタビューした、まさにリッツの舞台裏を教えてくれる、とても楽しい本です。
8章 『ワォ:究極の顧客経験』を読みはじめました。
リッツ・カールトンのワォ体験の舞台裏がわかる章です。
今回は特に責任のとり方について驚きました。
このことについて翻訳された本が無いようなのでどの企業も知らないかもしれません。
取り入れた企業が勝ちのような気がします。
ホテルを第2の我が家にできるホテルが一流ホテルです
クレドコンサルタントの清水先生も何度も言っていましたがホテルがお客様の第2の我が家になるのがいいといわれていました。
それを言葉通りに受け取ってしまうと、男性のビジネスパーソンがお客様だとして、第2の我が家は愛する妻や子どもたちがいる我が家と同じような…と思うでしょ?
ちがうんですよ。
わがままな子どもが居心地がいいと感じる場所が第2の我が家なんです。
清水先生は「オカン(おかあさん)の居る実家」と表現していましたが、リッツ・カールトン初代社長のホルスト・シュルツさんも同じことを言っていたようです。
お客様はもうひとつのわが家にいるような経験を望んでいる。ただし、お客様の話をよく分析してみると、自分たちの家と同じことをホテルで体験したいわけではなく、自分の家以上のことを経験したいからホテルに来ているとわかる。小さな子供が大好きなお母さんと一緒にいるときに感じる気持ちを再現してくれるホテルを望んでいるのである。お客様はなんの心配もなく、すべてをやってもらえることを望んでいる。母親のいる家にいれば、自分で買い物に行かなくても、冷蔵庫にはいつでも好きなものが揃っているし、電球が切れても、だれが変えるのだろうかと心配する必要もないものだ」。
くつろいでもらおう、リラックスしてもらおうと思うだろうけれど、どうくつろいでもらうのさ?
と質問されたときの回答がコレだと思います。
サービス業のひとつの基準になるような考え方ではないかなと思います。
責任の取り方と責任を取るともらえる大きすぎるメリット
今読んでいる章は、リッツ・カールトンのワォ体験の舞台裏のはずなのですが、責任の取り方について書かれていました。
アメリカも日本もそうですが、謝罪するにしても、自分に責任がないことをことさら強調しますよね。
何か事件が起きて記者会見や謝罪会見をするときも、謝るのだけど自分たちに非のないところは見ている人たちにわかりやすく強調します。
それで成功した謝罪会見は無いのにやってしまいます。
最近、教科書にしたいくらい素晴らしい謝罪会見は、ある芸人さんの謝罪会見でした。
あの会見では悪いことは全て認めて謝罪していました。
悪いのは悪いのですがあの会見からかなり印象が変わったのではないでしょうか。
企業が過失を認めると私たちは驚きますが、過失を認めることは企業にとって実は戦略的な利点があることを発見して本にした人がいたそうです。
本文中で紹介されていたこの本からの引用で、
Human Sigma: Managing the Employee-Customer Encounter
John H. Fleming、 Jim Asplund (著)
お客様が抱える問題を解決することは大きな機会になります。多くの企業があまり取り組んでいないことだからです。手が届く位置に成る果物をもぐように、容易にお客様との強い絆を築くことができます
残念ながら日本語訳の本がないのですが、この情報だけでも非常に貴重で役立つ内容ではないかと思うのです。
まとめ
積極的にお客様の問題を解決する、非があるなら認めて謝罪することもワォ体験のひとつの要素であることを今回読んで知りました。
トラブルが起きた時はお客様にも苦情を言われますから、できるだけ敬遠したくなりますが、その先にはお客様との絆をつくることができるとわかっているならすべての仕事にやりがいを感じることができますよね。
《 つづく 》
この記事を書いた人/友松はじめ
クレド勉強会 友松はじめ
勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる
現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中