著者:友松はじめ
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THE NEW GOLD STANDARD
ゴールド・スタンダード/ジョセフ・ミケーリ(著)

こんにちは。
クレドを研究している友松です。
今、ゴールド・スタンダードという本を読んでいます。
この本は翻訳本です。
そしてリッツ・カールトン本社を中心にキーマンになっている人たちにもインタビューした、まさに舞台裏を教えてくれる、とても楽しい本です。

今回は4章の「人材を選び抜く」と5章の「信頼の問題」です。

誕生日を祝うなら誰でもできる?!そのさらに上の祝い方が!

社内で誕生日を祝う。
これは進んでいる会社やお店ならすでにやっていることだと思います。

私が以前に勤務していた会社でも、バースデーサークルなるものをちょっと変えた誕生日のお祝いをしていました。
バースデーサークルは誕生日の従業員に「あなたがいてくれてよかった」というメッセージを従業員全員が贈るというもの。メッセージを直接贈られた従業員は、だいたい感動して泣きます。

私は泣きませんでしたが、毎回感動してました。

普段話さなくて、自分の思い込みで印象を悪くしていた従業員にもメッセージをもらうと「え?そんなふうにおもってくれてたの?」と印象がガラッと変わってよくなる。なんてことが毎年誕生日の日に起こっていました。

バースデーサークルを導入したのは上司でしたが、今思い返してみると導入は『大成功』だったと思います。
このように従業員の誕生日を祝うイベントは会社の仕組み・文化として継続していくならば従業員同士の関係も良好になってくること間違いなしです。

そしてリッツ・カールトン。
なんと誕生日を祝うくらいなら誰でもできると言わんばかりの仕組みがあることを本書ゴールドスタンダートを読んで知りました。

それは従業員の『入社日をお祝いする』のです。
入社日なんて、入社した従業員でも覚えている人は少ないんじゃないでしょうか?
『入社日をお祝いする』仕組みは『デイ365』と呼ばれています。

従業員が入社した日を覚えている経営者や管理職、リーダーはほとんどいないと思います。
「あ!友松君もうちに入社して今日で1年目になるね!」
なんて声をかけられたらビックリして誕生日のお祝いで「おめでとう」と声をかけられるよりもうれしくて、心に残るように思います。

この『デイ365』の目的と効果ですが…

『デイ365』の目的と効果

従業員の入社日をお祝いする『デイ365』の目的は…

従業員がリッツ・カールトンの家族の一員になった日を祝うのですがその目的は、会社が従業員一人ひとりにがんばってくれたことへの感謝とあなたの入社日はあなたの誕生日と同じくらい大切で、家族の一員だということをあらためて再確認してもらうことなのだそう。

『デイ365』は一人ひとりの従業員を認めることにつながっていて『初心忘るべからず』というか入社したときの気持ちを忘れないでね、そしてさらに成長してね。という意味が込められているようです。

ザ・リッツ・カールトン ハースムーンベイは入社日をお祝いする従業員には認定書の授与とチョッピリ豪華な朝食を作ってくれるそうです。
そして総支配人やマネージャーも出席します。

誕生日や入社日を忘れずに祝うことは、部下に対しての責任でもあると書かれていました。
従業員の入社日まで覚えているなんて、ほんとうにステキですね。

信頼の問題

第5章を読み始めました。
5章のタイトルは『信頼の問題』です。

20のベーシックから、ゲストのニーズを満たす指針として変更されたサービス・バリューですが…

基本的な安全事項を満たすのであれば、お客様に幸福感を与え、ユニークで心に残る経験を提供するために、従業員ができる限りのことをするのを推奨している。(122ページより引用)

と書かれています。
でもこのような内容は耳触りのいい建前だけの会社も多いですよね。(汗)

「たしかにそう書いているけど君ねえ、常識とか限度ってものがあるだろう」
なんて言われかねないから、会社の決まりとして書かれていたとしても従業員が思い切り行動できないということがあります。

ちょうどこのコラムを書いている日、会社の規定通りに会社の不正調査をしていたら自宅謹慎、そして解雇されたという人のニュースを見ました。
会社名を聞けば誰でも知っている会社です。

従業員が安心して会社がかかげた目的をおこなっていくには、経営陣との信頼関係が大切になってきます。
会社の決めたことを充実におこなっているのに解雇されるなんて、おそらくここの会社の従業員全員の信頼関係はなくなっているんじゃないでしょうか。

サービス・バリューの内容は高い目的です。
高い目的を従業員が達成できるためには、経営陣が信頼できることを知ってもらう必要がありますよね。
知ってもらう内容はクレドカードに書かれていますし、そのための制度も実行されています。
立派なクレドが出来上がったとしても『経営陣が信頼できることを知ってもらう必要』があるということですね。

まとめ

従業員の入社日を祝う『デイ365』、おどろきましたね。
こんなことされて従業員が会社や経営陣を好きになり信頼を寄せないわけがありません。

事務的なことをいえば、管理が大変だとは思ういますが、制度化しているということは管理の大変さ以上の見返りがあるのだと思います。
見返りなんていうとちょっと印象が悪いですが、利益が出ないと何もできないわけですし、よろこぶ人が多いならどんどんやるべきだと思います。

リッツ・カールトンって、システマチックだったりドライだったりするところも見えますが温かいところもたくさんあります。
いっけんすると相反しているように見えてもちゃんとひとつにつながっているんですよね。
本当に興味深いしスゴいです。

 

ゴールド・スタンダード/ジョゼフ・ミケーリ(著)

 

 

記事/友松はじめ

クレド勉強会 友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。
本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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