著者:清水健一郎
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どんなリーダーがもとめられているか、リーダーにまず必要なもの

今回のコラムから、シュルツ氏のリーダー論に入ってきました。
強烈なリーダーシップでリッツ・カールトンだけでなくホテル、ホスピタリティ産業を牽引してきたシュルツ氏のリーダーシップ。

今回からのシュルツ氏のリーダー論を学ぶ事で、自身のリーダーシップで悩む方、どうやってリーダーシップを発揮していけば良いのか自信を持てない方にとって、素晴らしいヒント、導きになるのではないでしょうか?

では、シュルツ氏のリーダー論、読みといていきましょう。

 

どんなリーダーがもとめられているか、リーダーにまず必要なもの

シュルツ氏は、『リーダーにまず必要なもの』を説明されています。
リーダーに必要なもの、その必要なものを持っている人、持っていない人とは、どのような人なのでしょうか?

生まれつきなのか?
育った環境なのか?
様々な経験を経て身に着けるものなのか?

私の社会人経験、ホテル、町場の飲食店での接客経験からみていると、まずリーダーになれる人についてですがリーダーになれるのは、生まれつきリーダーになれる素質を持っている人」「リーダーの地位に付かせてくれたらリーダーをやってみせる」と、考えている人にリーダーになれた人は、1人もいませんでした。

時にリーダーぶる人の中には「困った事があったらオレに相談しにこい」と言っていたので相談に行くと、困った顏をしたり驚いたり、そして、「また時間のある時にこっちから連絡する」そして連絡なんか来やしない。

しかし、自分を必要以上に大きく見せるために努力されているんだなと、感心しました。
つまり、誰もがリーダーになりたがっているのは分かります。
しかし、「リーダーになれば威張れる」「大きな顏が出来る」と、少し勘違いしている人をたくさん見てきました。

では、間違いなくこの人は、リーダーだと感じていた人の共通点は様々あるのですが、先ずみなさん語る事が好きだという事です。
愚痴、ボヤキ、上記の様に自分を必要以上に大きく見せるための『語り』ではなく、夢を語ることが大好きだと思いました。

著書の中でシュルツ氏も

私が言いたいのは、リーダーはまず、夢をもっている人だということだ。(214ページより引用)

時に、ぶっ飛んでいたり、現実的ではなかったり、考えが甘いんじゃないの? と思える夢の語りもありました。
しかし驚いたことに、語っていた内容のクオリティと言いますか、精密さといいますか、現実感といいますか、そのようなものって、あまりなくてもいいのです。

夢を語っている人の少し離れた所で、冷静な大人が聞いていて、この人、大丈夫か? 現実見えているのか?と、思ってしまうような内容でも、結果的に語って人を同調させ引き入れる事に成功すれば、夢が実現する場合があるのです。

実際、私は28歳で飲食店の経営者になりましたが、店を自分でやろうと思ってから半年くらいで、店をオープンする事ができました。
お店は庭付き一戸建てで敷地面積は60坪ほど、もし、私が一からこの店舗を建てて店をしようものなら3000万円はかかりますが、なんとその時、貯金貯蓄ほぼ0でした。

賛同してくれる仲間に夢をかたり私の夢に参加してもらうことで、私の夢が実現してしまったのです。
こまかな方法やエピソードは、今回、話せませんが『夢を語る』すごさを身に染みて実感しました。

夢を語る。
実はリッツ・カールトンのクレドの様に、スタッフひとりひとりが、毎日、口に出してディスカッションすることで、クレドを自分のものにする。

クレドを自分の当たり前、習慣にすると同じで、自分の夢を語る事は、夢を自分の信念にしてしまう事ができます。
つまり、自分の夢を語るうえで一番自分の夢に耳を傾けなければならない存在は、語っている本人だと私は思うのです。

しかし、夢に賛同してもらえない人もいます。
賛同してもらえる人との違いは、語りが上手い下手は関係ありません。

その夢が自分自身の欲望のための夢なら、だれも賛同してはくれません。
しかし、その夢で多くの人を幸せにできるとしたらどうでしょうか?
昔、テレビ番組で発展途上国に学校を建てる企画がありました。学校を建てて多くの子供に教育を施し、国そのものを豊にするために懸命に働く若者の姿を見て、多くの人が応援したくなりました。

有名人でいうとこの坂本龍馬もそんな人の一人ではないでしょうか?
脱藩してホームレス状態でしたが、大きな夢を語り多くの賛同者に支えられ、日本の未来を変えた一人だったのではないでしょうか?

著書の中でシュルツ氏も(以下抜粋)p214

自分にとってだけでなく、家族、同僚、社員、投資家、そして社会全体にとって価値のある目標をしっかり見据えている人だということだ。名声や富だけを追いかける人は、人生の旅の途中で倒れてしまうだろう。だが、社会に対して何らかの貢献をしようと決意して歩み始める人は、ずっと遠くまで行くことができる。(214ページより引用)

一時とは言えシュルツ氏の夢に参加させていただけた事を誇りに思います。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

「困ったことがあったらいつでも相談しにこい」と言ってくれる人に、本当に相談に行ったら、ホントに来たの? と驚かれた経験のある方は少なくないのではないでしょうか。
というか、そんなことはほとんど社交辞令というか、今回の清水先生が書いてあるようなことを思っている人のような気がします。

実際「困ったときがあったら~」と言う人のところに、本当に困ったことがあっても行かない人もまた多いと思います。
社交辞令だとか自分を大きく見せたいだけというのをみんな分っているんでしょうね。

リーダーは利他の精神を持っている人が自然とリーダーになるものなんでしょう。
またリーダーになろうと思ったときに、利他の精神がある人はそのまま自分が思い描くようにリーダーになっていくんでしょう。

利他と書きましたが、周りの人のためになることはとても大切ですが、やっぱりWIN-WINにならないと続かないと思います。
つまり相手にもよく自分にもいいという状態です。
やっぱり自分にも見返りがないとがんばれませんよね。

でも自分のためにがんばっても、相手のためにがんばっても、どうがんばってもお互いのためになっているというのが一番いいように思います。
WIN-WINになるためには事前に準備検討は必要ですが必ずWIN-WINにすることができるはずです。

またWIN-LOOSE、つまり自分だけWINとか、相手だけWINとかはやめる。
そう決めていたら健康的な交渉や仕事もできますよね。

 

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この記事を書いた人

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる

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