著者:清水健一郎
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働かない社員が生まれるのは誰のせい?

働かない社員が生まれるのは誰のせい?

今回のコラム、社員を雇ってきた私てきに、「ズキッ!」とくる題名で始まっていますね。
さらにシュルツ氏は書籍の中で

解雇される社員を責めるのは簡単だ。できなかった仕事や、しでかした失敗を思い浮かべ、「ジョーはダメだったね」でおしまいだ。
しかし、そこで問わなくてはならないのは、そもそもジョーを雇った愚か者は誰なのか、ということだ。(128ページより引用)

そう、結局、会社の問題は全て経営者の責任なんです。
私自身、雇用で失敗して苦労したこともあります。
うまくいってスタッフ達と心から喜ぶこともできました。
今、振り返ってみれば、うまくいったのが6割、「失敗だな」と、思えるのが4割のように思います。

私の書著の中でも書かせていただきましたが、私は経営者になる前に問題の多い上司二人と仕事をしました。
その他にも同じような人を見てきましたので、ここで少し雇用の際に少しは役に立てばと思い、私が経験した人を見分けるパターンをいくつか紹介したいと思います。

・嘘つきの証人は、今、この場から遠く離れた所にいます。

二人の問題のある上司達の話のほとんどが自慢話でした。
そしてその自慢話を真実だと証明できる人や情報がないのです。

ですから本人が言っているだけの話なのです。
しかし、そんな二人の話を信じてしまう人の良い人はいます。
実際、二人とも地元の会社社長を説得し、会社内の飲食部門のプロデューサーとして会社に入り込み多額のお金を動かし、大型飲食店を開業させる事に成功しています。

その後は、レジからお金を抜いて自分のものにしたり、勝手に店の材料、備品を転売して自身の稼ぎにしていました。
当然解雇されましたが解雇されるまで、そして解雇後の会社の被害は尋常ではなかったそうです。

・必要以上に人に対して厳しい人。人を批判する人の人生ほど言い訳ばかり。

あなたの周りにもいませんか?

リッツ・カールトン在籍中も派遣社員として地元ホテルでも独立後に雇用したスタッフの中にもいました。

それでも自分に厳しいのならいいのですが、いざ自分の事となると言い訳ばかりする人。

そんな人の特徴には一貫性がありません。
あるとすれば、自分を大きく見られたい。
「すごいですね!」と言ってもらいたい。
褒めてもらいたい。

という一貫性だけでした。
私が出会ったこのタイプの人全員が、この一貫性を持っていました。
人に対して厳しいだけなので、人が付いてきません。

一見、頼りになる中間管理職として雇うにはいいのでは?と思えますが、そんな人は、いつの間にか孤立していましたし、いつの間にか職場、会社からいなくなっていました。

そして、このタイプの方の共通点は、職場を転々と変わっています。
雇えば雇用している経営者だけでなく職場のスタッフも疲れてしまいます。
場合によっては、重要なスタッフが退職してしまう可能性も出てきます。

逆にうまくいった雇用ですが・・・正直、うまくいかなかった事を書くよりも難しいように思います。
ここでは書ききれないくらいイレギュラーな人を見てきました。
数人、例にあげると・・・

リッツ・カールトン大阪のラウンジのエントランスで、大あくびをしていた後輩に「なにあくびしとんねん!」と注意したところ、返ってきた返事が「そんなの眠たいからに決まっているじゃないですか、あははははは」と、小馬鹿にされましたが、今となっては、日本を飛び出して世界的な某ホテルのマネージャーとして活躍。

厳しいシェフのいる名店を2回も逃げ出し、結局、解雇されたにもかかわらずリベンジし、今では東京の2つ星の超有名店の2番手のシェフとして、10年以上活躍している料理人の後輩。

口癖が「自分の店を持つ」にもかかわらず、食材だけでなく、コーヒー道具(コーヒードリップの布)さえも腐らせ、風呂も入らず、彼が働く店は、もれなくゴキブリ屋敷になり周囲の飲食関係者からは、「飲食やめろ」「飲食向いていない。」と、さんざん言われたにも関わらず独立し、その後10年以上、今も店を経営し続けている人。

すみません。
話はそれましたが、結局、(以下抜粋)

働かない社員が生まれるのは誰のせい?
(128ページより引用)

は、失敗を繰り返していかなければ、学ぶ事ができないものだと考えています。

著書の中でもシュルツ氏は、人生最大級の失敗を紹介されておられます。
ご興味のある方は、ご購読ください。
しかし、失敗を含めて大切な事を前回ご紹介していただいていますね。

『ビジョナリー・カンパニー』の著者として有名なコンサルタントのジム・コリンズが、企業のリーダーをバスの運転手になぞらえて、次のように書いている。まさにそのとおりだと思う。
「良い会社を偉大な会社に変えるリーダーは、まず事業から始めるのではなく、人から始める。ふさわしい人をバスに乗せ、ふさわしくない人をバスから降ろし、乗せた人を適切な座席にのせることから始めようとする」
(122ページより引用)

バスから降ろす。つまり失敗、失敗はつきものですし大切なことでもあります。
シュルツ氏ですら、大きな失敗をされているのです。
失敗なしに成功なし!

この章の最後のまとめとして著書の中でシュルツ氏は

何も考えずに穴埋めだけの採用をしてはならない。無意識のうちにでも、社員を機械の歯車のようにあつかってはならない。そうではなく、人間として彼らを理解し、それぞれの興味や意欲をかき立てるような仕事に就かせる必要がある。それができれば、彼らは長期にわたって素晴らしい働きをして、自分自身にも会社にも大きな利益をもたらす存在になるはずだ。
(130ページより引用)

わかっていても、できているつもりでも、本当に難しいところですね。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

清水先生の今回のコラム、考えさせられました。
人を雇用することは枠にはめられないというか、人それぞれですよね。
最悪な社員だと思ってもその後成長して素晴らしい結果を出す人もいるようですし…。

実際に人を雇用するようになったら清水先生に教育をお願いしたいです。

 

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この記事を書いた人

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる

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