著者:清水健一郎
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各社のクレドに学ぶ

今回の読書コラムもトリプルグッドグループ三実 誠氏の

1枚の「クレド」が組織を変える!

です。

今回は三実氏の経営されておられるトリプルグッドグループのクレドと、トリプルグッドグループがコンサルし、クレドを導入された各社のクレドを紹介され、クレドの作り方を紹介されています。

私、また衝撃をうけました。
もっと早くこの本を読んでおけばよかったと思ったほどです。

とにかく、わかりやすい。クレドの作り方も、クレドを手にしたスタッフの方々がクレドを理解することも、私はクレドの奥底には、しっかりとした意図が必要だと確信していますが、その意図がスタッフ達に伝わりやすいのです。

内容的には、リッツカールトンもトリプルグッドグループのクレドも素晴らしいものですが、形式的にはトリプルグッドグループのクレドはリッツカールトンのクレドよりも優れていると私は痛感しました。

では、そんなトリプルグッドグループのクレドの形式について、大切な3つをお話させていただきます。
トリプルグッドグループのクレドに興味をお持ちの方は、今回の著書をご購読されるか、トリプルグッドグループのホームページをご覧ください。

一つ目はクレドの作り方について、前回のコラムでも紹介させていただいたように、私はいたってシンプな質問を幾つか持っており、その質問をクライアントに問いかけることで、クライアントの奥底に眠るクライアントすらも気が付いていなかったミッション(使命)、ビジョン(理想像。未来像。展望。)、クレド(信条)行動指針、価値、などを引き出し整理しクレドカードとして作成してきました。

例えば、前回のコラムにあるように、
1.あなたの会社の存在理由は?
2.あなたの会社の誕生理由は?
3.あなたの会社が成し遂げようとしていることは?
4.あなたの会社が世間から託された事は?

この質問の答えが全て同じ答えがでてくれば、その答えが会社のミッションになります。

「あなたの会社のミッション(使命を)を教えてください。」
と、質問しても答えられない経営者さんは少なくはないのです。
「『こじんまり細々と食っていければいい。』と、思って店をはじめたもので」と、仰る特に個人事業主の方にミッション、ビジョン、クレドを引き出す簡単な質問を問いかけても、これらは出てきません。

ミッションが出てきてもビジョン、クレドが出てこない。ビジョンが出てきてもクレド、ミッションが出てこないというのはざらにありあます。そして、その3つの違いに悩む方もおられます。

では、なぜ?クレドを作ろうと思ったのか?
誰かに、たまたま読んだ本に、ネットを見ていて、「『スタッフ教育の問題も、売り上げもクレドを導入すれば、もう悩む事はない。』と、聞いたからクレドを導入しようと思った。」と、言う経営者は少なくないのです。

そんな方々に私が先ずかける言葉は、「素晴らしい!」
第一歩を踏み出し行動された事、これが何よりも大切なのです。
あとは、私に任せていただければクレドが作れます。

実は今まで少し強引にクライアントさんには、ミッション、ビジョン、クレドを作っていただいていたところがあって、もちろんスグに作っていていたわけではなく、とりあえずミッションを先に作り場合によっては数年かけてクレド(信条)を作っていただいた事もありました。

しかし、トリプルグッドグループさんのクレドカードには、リッツのクレドカードの様にクレド(信条)という箇所が存在しないのです。
その時、ハッとしました。

クレドとは信条、堅く信じて守る事柄です。
ミッションもビジョンも固く信じて守る事柄、つまり信条だと考えればいいのです。
もちろん経営者が様々な想いをお持ちであるなら、その想いをタイプ別に明文化した方が、本人の心の中も整理整頓できますし、スタッフにもシンプルに伝わります。

トリプルグッドグループさんのクレドでは、ミッション、ビジョンの他、フィロソフィ(哲学)バリュー(価値)。リッツカールトンでは、モットー、従業員への約束、サービスのスリーステップなどです。

二つ目は、バリューが27つと多めだと言う事です。
無理にシンプルにしようとして少なくする必要は全くなく、逆にスタッフに経営者の想いが伝わりにくくなると思っています。今のリッツカールトンのバリューが12、私が在籍中は呼び名がベーシックでしたが20、リッツカールトン初代社長シュルツ氏が、今、経営されているホテルグループ・カペラは24、シュルツ氏が社長の席を離れ20から12に数が減り、リッツの親会社マリオット系の方の書かれた著書、ホテル外部の方が書かれた著書には12に減ってさらに良くなったと書かれていることもありますが、以前のクレドのにも良いところがあるなと感じることもあります。
三つめは、バリューに短いタイトルが付けてあることで、伝えやすく親しみやすくなっている。と、言う所です。
例えばバリューの20

今に全力

私たちは、うまくいったことも、うまくいかなかったことも、過去のことにはとらわれません。
常に未来への希望を持ち、今できることだけに全力投球します。(88ページより引用)

クレドを作る際、「カッコよく」を意識される経営者の方々がおられますが、人に伝わる事を第一に考え作っていかなければクレドの意味がありません。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

クレドってマニュアルじゃないのは分かっていますが、『じゃあどうしたらいいの?』というところを細かく決めておくことも大切ではないかと思うんですね。
私は一人でやる仕事が多いのですが、それでもひとつ仕事が終わると、それが初めての仕事だった場合は面倒でもマニュアルを作ります。

そして同じ仕事を行う時は、ザッと作ったマニュアルを読み返してから仕事をするようにしています。
そうすると軸ができるというか、毎回仕事をするごとにブレなくなるんですよね。
そういったことを今回の清水先生のコラムで思い返すことができました。
それではまた次回をお楽しみに。

 

《つづく》

 

記事を書いた人/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

編集/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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