著者:清水健一郎
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クレドの経営効果は6つある

今回の読書コラムもトリプルグッドグループ三実 誠氏の

1枚の「クレド」が組織を変える!

です。

前回のコラムに、「『あ、そんな考え方もあるんだ!』と、ものすご~い新な学び、と、言って紹介していなかった学びがありましたね。
今までの目線と違う!と、思ったのは(6)のマーケティングでした。正直、ここ数年で一番の気づき」と、言っておきながら、紹介出来なかった(6)のマーケティングに触れたいと思います。

では、読み解いていきましょう。

著者の三実氏は現代マーケティングの第一人者のフィリップ・コトラー教授が提唱した概念「マーケティング3・0」を紹介されています。
その内容は(以下抜粋)p77

「マーケティング1・0」は「製品販売すること」を目的とした時代、「マーケティング2・0」は「消費者の満足」を目的とした時代、そして「マーケティング3・0」は、「世界をよりよい場所にすること」が企業のマーケティングの目的である時代です。(77ページより引用)

後で著者の三実氏が、この「マーケティング3・0」は会社、企業のミッション(使命)だと説明されています。
その話は大いに賛同できますし、私自身がクレド作成のお手伝いをさせていただく際にもミッションはクレド作成より先に作っていただいています。
なぜなら、ミッションを基にクレドを作成する事が多いからです。
たとえば、リッツカールトンのクレドの中にも

リッツ・カールトン・ホテルは
お客様への心のこもったおもてなしと
快適さを提供することを
もっとも大切な使命とこころえています。(以下リッツカールトンクレドから抜粋)

この使命を各ホテル(世界中のリッツカールトン)に当てはめて、各々のホテルのミッションが作られていました。

ミッションを基にクレドを作るだけでなく、今後、会社が困難、逆境に立たされた際にもミッションに立ち返ることで乗り越えられる原動力になりうるのがミッションなのです。

そして、そのミッション作りの際に、この「世界をよりよい場所にすること」を質問式に変えて使わせていただこうとも考えました。
「あなたの会社が、世界をよりよい場所にする。それは、どの様な世界ですか?」
と、言う質問です。

よく私が使うクライアントの会社のミッションを引き出す質問をご紹介します。
1.会社の存在理由は?
2.会社の誕生理由は?
3.会社が成し遂げようとしていることは?
4.会社が世間から託された事は?

一度、上記の4つの質問と「あなたの会社が、世界をよりよい場所にする。
それは、どの様な世界ですか?」の質問に答えてみてください。
私が経営する飲食店を例にとると

1. 存在理由
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化の苗を植え育てるため。

2. 誕生理由を書いてください。
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化の苗を植え育てるため。

3. 成し遂げようとしていることを紙に書いてください。
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化の苗を植え育てる。

4. 世間から託された事を書いてください。
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化の苗を植え育てる。

そして、「あなたの会社が、世界をよりよい場所にする。それは、どの様な世界ですか?」の質問にたいしても、
地元に、ワイン、ヨーロッパの料理文化、レディース&ジェントルメン文化の苗を植え育てる。

という具合に同じ答えが出てきます。

「あなたの会社のミッション(使命)は?」と、言う質問では、なかなか引き出す事が出来ない場合があります。
つまり、クレド作成の際、クライアントの会社のミッションを引き出すための質問に大いに役立ち、しかも、自身の会社のミッションが、「会社が世間から託された事」や「世界をよりよい場所にする」ためのものだと言う事がわかれば、大いに奮起するできる材料にもなるのです。

「世界をよりよい場所にすること」という目的自体が、クレドのミッションをさします。
マーケティング3・0の現代、コトラーは、企業のマーケティングのガイドラインは「ミッション、ビジョン、バリュー」であると述べています。(79ページより引用)

戦後の会社、企業のミッションは「マーケティング1・0」の「製品販売すること」、そして、高度経済成長期を経た時代は、「マーケティング2・0」の「消費者の満足」がミッションだったと思います。

その中でリッツカールトンや松下電器産業株式会社の水道哲学(水道の水のように低価格で良質なものを大量供給することにより、物価を低廉にし消費者の手に容易に行き渡るようにしようという思想)などが他のホテル、他の製造業の頭一つ飛び出た成果をだせたのは、「マーケティング3・0」の「世界をよりよい場所にすること」を見据えたミッションを持っていたからではないか?と私は考えます。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

人でも企業でもミッションは大切だって特に思います。
現在、ウェルフォームドアウトカムというNLPのコーチングスキルを使ってコーチングをさせてもらっていますが、ミッションって改めて聞かれないだけで、みんな持ってるんですよね。

ミッションを持つことはビジネスを行う上でとても良いことだと思います。
だって、何のために存在しているのか、わからなくなったときはミッションに立ち返れば良いんですから。

清水先生のミッションを引き出す質問、ぜひ参考にしてみてください。

 

《つづく》

 

記事を書いた人/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

編集/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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