著者:清水健一郎
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クレドによる6つの経営効果

今回は、クレドによる6つ経営効果を紹介されています。

  1. 人材育成
  2. 人事評価
  3. 人材採用
  4. 組織文化の形成
  5. サービスレベル向上
  6. マーケティング

今回の6つの経営効果は、リッツカールトンのクレド経営によって育てていただいた私にとって、非常に共感を持てる内容に書かれていて嬉しくなりました。
ただ、「あ、そんな考え方もあるんだ!」と思ったのは(6)のマーケティングでした。

正直、ここ数年で一番の気づきと思ったほどです。
では、順番に(1)から私のリッツ経験と照らし合わせながら読み解いていきましょう。

 

(1)人材育成

言わずと知れたクレド効果の代表ですね。
クレドを使った教育を施すことで、経営者と同じ考え、目線、価値観にあった判断ができるようになります。
そのためスタッフ達は、自分で考えて行動できるプロフェッショナルに育成する事ができます。
しかも短時間で育てる事が可能です。
新卒入社の私が1年後には、リッツカールトンのスタッフとしてプライドを持って仕事をさせていただいていたのですから。

 

(2)人事評価

著書の中でも著者の三実氏は(以下抜粋)p63

企業では、人事評価を行う際の基準として、一般的に、達成度合いを数値化して測定する「定量的評価」と、勤務態度や仕事の取組み姿勢を評価する「定性的評価」が用いられることが多いと思います。
クレドを導入される企業においては、ぜひ、定性的評価として、「クレドに基づいた思考や行動ができているか」という観点を取り入れることをおすすめします。(63ページより引用)

初代社長のシュルツ氏は、世界中にあるリッツカールトンをどうやってまとめ、シュルツ氏の思い描くホテルに育てることができたのか、それは、各ホテルの総支配人が、「いかにクレドをホテルに浸透させているか」と、言うところに焦点をあててチェックしていたそうです。
シュルツ氏本人から聞いたので間違いないです。
つまり、「クレドに基づいた思考や行動ができているか」という観点が、いかに大切かご理解いただけたと思います。

 

(3)人材採用

日本だけでなく世界中の経営者が頭を抱える話題だと思います。
実は最近読んだリッツカールトン初代社長ホルスト・シュルツ氏の著書でも同じ事が書かれていました。
つまり、採用してもスタッフが直ぐに会社を辞めてしまう。
そのために生じる損失が膨大である。
どの会社も、長く会社にいてくれるスタッフを雇用しようと思いますが、なかなかそうはいきません。
そこで、クレドに沿った人材を採用すれば、クレドに染まっていくであろうと思える人材を採用すれば、入社後、会社のために大いに活躍してくれるはずです。
私がスタッフを採用する際は、クレドを読んでもらって理解し実行できるか?を時間をかけて問い、話あったうえで働いてもらうようにしています。
かなりの高い確率でうまくいきました。

 

(4)組織文化の形成

著者の三実氏は組織文化について

物事の考え方、価値観、判断の基準も、組織によって大きな傾向があります。これらを組織文化といい、企業に所属する人たちの、物事のとらえ方、考え方、行動、その結果としての業積に、驚くほど大きな影響を与えるものです。(71ページより引用)

三実氏は、そんな組織文化のある組織は、イキイキとしていて業績を上げていて、うらやましく思う経営者が多いとも仰っています。
はい、そんな組織文化のある組織、リッツカールトン大阪でした。
シンプルに考えても、スタッフの上から下まで価値観が同じ、物事のとらえ方、考え方、行動、まで共感し合える組織なわけですから、間違いなくイキイキして、皆が同じ目標、ビジョンに向けて邁進しているので、スタッフ同士大変仲が良いです。
仲良しと言うよりも同志達ですね。

 

(5)サービスレベル向上

これの証明は、間違いなくクレドで磨かれてきたリッツカールトンのサービスのレベルではないでしょうか?
と、一言で終わらせるのも、なんですので、サービス小話を少し。

私がリッツに入社してすぐ「サービス イズ スピード」と、言う考え方を教えて頂きました。
最初はお客様からオーダーされた商品を、いち早くお持ちする事だと思ったのですが、本当の意図は、お客様からのイレギュラーな要望も間髪入れず「はい、かしこまりました。」とスピード決断。

そして、スピード対応だと言うことでした。
お客様が「こんなお願いしてもいいのかな?悪いかな?」と思った要望をスタッフにお伝えされた際、スタッフが間髪いれず「はい、かしこまりました。」と対応してくれれば、「たのんで良かった。さすがリッツカールトン」となりますが、要望を受けたスタッフが、悩んだ顔で時間をおいて「はい、かしこまりました。」では、お客様は、「たのんで良かったのか?迷惑だったかな?」と、なってしまいます。

つまり、「サービス イズ スピード」それは、決断するスピードの事をさしているのです。
そして、決断するスピードが速い理由は、クレド経営によって経営者と同じ価値観で、判断する訓練を行っているからなのです。

ここまでクレドによる6つの経営効果をお話させていただきました。
冒頭で(6)マーケティングの事に触れましたが、今回のコラムだけでは全部書ききれないので、次回にしたいと思います。
お楽しみください。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

今回はクレドによる6つ経営効果が紹介されていましたが、
人材育成
人事評価
人材採用
組織文化の形成
サービスレベル向上
マーケティング

これはすべて著者の会社で行われていたことなのに、クレドの本場であるリッツにも当てはまっているんだということが清水先生の解説で分かりました。
卵が先か鶏が先かではないですが、著者は確かにリッツ・カールトンのクレドを参考にしたとはいえ、必要なところは似てるくものなんだなと感じました。

 

《つづく》

 

記事を書いた人/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

 

編集/友松はじめ

勤務していた食品通信販売会社の業務に関連するセールスマーケティング書籍の他、心理学、自己啓発、加速学習等、あらゆるジャンルの本を1 日1~2 冊のペースで読むようになり、3,000 冊以上を読破。

本から得た情報を担当していたインターネット通販に活かし、売上げを月商数万円のレベルから月商1,000 万以上、年商1億のサイトに育てる

現在は、自身の経験を基にしたビジネス読書法講師、読書法を使った読書会ファシリテーターとして、活動中

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