著者:清水健一郎
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最高レベルのサービスを実現させるために、そもそも根底に必要な事は何だと思いますか?

ホスピタリティ?そうですね。
技術?もちろん必須ですよね。

もちろん、どれも必要なのですが、今回は、非常に参考になるエピソードがありますので、ご紹介しましょう。

「リッツ・カールトン超一流サービスの教科書」の中で、私が
「なるほど!リッツらしいサービスエピソードの1つだ!」
と感じたエピソードなのですが、これが素晴らしい。

さすが元リッツ・カールトンのサービスのプロフェッショナルを育ててきたレオナルド・インギレアリー氏、さらに私の想像以上のサービスを生み出すための根底を紹介されていました。

どんなエピソードかというと、部署や職業の役割を超えて「For the Customer(お客様、顧客のために)」と言う精神が生み出すサービスと、そのサービスが生み出す感動について、です。

ご紹介しましょう。

ホテルのロビーで営繕係が天井の電球を替えている時、1人の女性とお子さん(息子)がプールからロビーに入るドアを開ける際、抱えている荷物が多かったせいか、うまくドアを開ける事ができないでいました。
その様子を見た営繕係は、工具を置き脚立から降りて、ドアの所にむかい、笑顔でお客様の為にドアをあけました。
そして、彼が話かける。「お帰りなさいませ、バックをお持ちしましょう。プールはいかがでしたか?お坊ちゃんたちはたっぷりお楽しみになりましたか?何階にいらっしゃいますか?」彼は行先のボタンを押してエレベーターからおりると、さきほどの脚立のところにもどった。

レオナルド・インギレアリー氏がセミナーでこの話をすると、毎回、参加されている経営者、管理者の方々は、そんなスタッフが我社にも欲しいと羨ましがるそうです。

仮に脚立から降りて、お客様に対応しなくても、営繕係の仕事は全うしているため、経営者、管理者達は文句を言えないのです。

でも、この営繕係はここまでおもてなしをできるわけです。
素晴らしいと思いませんか?

しかし。

レオナルド・インギレアリー氏は、このサービスはまだ「受動的」で最高レベルのサービスではないと言います。

氏の言う最高レベルとは、というと、
「お客様が表示する前に予想し、先を読んで必要なことを提供した時。」であり、
「時にはお客様自身、まだなにも気づいていないうちに対応した時、魔法が起きる」だと言います。

このレベルまで感性を高め、ホスピタリティの精神を浸透させている必要がある。
まさに私がリッツ・カールトンで学んだサービスです。

私も自身の著書の中で、リッツで学んだサービスのレベルを3段階に分けて紹介しています。

1.インフォメーションサービス(お客様にインフォメーションされて提供する)

2.インテリジェンスサービス(お客様が欲しているのをインフォメーションされる前に提供する。)

3.リッツ・カールトンミスティーク(お客様自身が欲している事に気付いていない。提供されて、初めてお客様自身も欲している事に気が付くサービス)

この視点からみると、営繕係のした行動はインテリジェンスサービスであり、ミスティークではないのです。

ミスティークを実践できるスタッフを育てるには

経営者、管理者の方々が一番知りたい所は、
「どうやったらそんなミスティークサービスを実践できるスタッフが育つのか」
ですよね。

ミスティークサービスを実践できるスタッフを育てるための根底に必要なものは、

「ゲストに忘れがたい経験をしてもらうお手伝いをする」

という目的を持つことだと言います。

「ゲストに忘れがたい経験をしてもらうお手伝いをする」
その目的を持っていれば、営繕係の彼は、お客様がドアの前に来られる前にドアを開ける事ができる。

と、レオナルド・インギレアリー氏は言います。

そして、私のリッツでの経験上、そんな目的をスタッフ1人1人が持つ為に必要な事と物こそ、クレドとラインナップであると断言できるのです。

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