ベーシック4 従業員とWin-Winの約束をしていますか? / クレドサクセス実践ブログ
リッツ・カールトンのクレドに書かれていたベーシックに焦点を当ててみましょう。
今は、バリューと名を変えて存在しているそうです。
ベーシック4番
私の在籍中には、クレドカードには、クレド、サービスの3ステップ、モットー、従業員への約束、そして、20個のベーシックが書かれていていました。
クレドカードの内容は、何度も何度も読み返しました。
もちろん、ラインナップ(リッツ式朝礼)の際に、読み上げて、読み上げたところについて、参加しているスタッフ全員でディスカッションしていましたが、この20個のベーシックの役割、書かれてある内容よりも、その奥にある意図を考えてみましょう。
今回、なぜベーシックが存在し、その意図を考えるに至った経緯は、クレドを作成するうえで、ベーシックはとても重要だと理解しているにもかかわらず、クレドが作れても、次にクレドを支えるベーシックを作る事に頭を抱える事が多いからです。
しかし、リッツのベーシックをお手本として、そのベーシックの意図を理解していけば、その意図に添ってベーシックが作られていきます。
では、今日はベーシックの4に書かれている内容の奥にある意図を考えていきましょう。
ザ・リッツ・カールトン・ベーシック4番
4.「従業員への約束」は、リッツ・カールトンの職場環境の基盤です。すべての従業員がコレを尊重します。
ここで、「従業員への約束」をあらためてご紹介します。
従業員への約束
リッツ・カールトンでは
お客様へお約束したサービスを
提供する上で、紳士・淑女こそが
もっとも大切な資源です。
信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を
原則とし、私たちは、個人と会社の
ためになるよう、持てる才能を育成し、
最大限に伸ばします。
多様性を尊重し、充実した生活を深め、
個人のこころざしを実現し、リッツ・カールトン・ミスティーク
(神秘性)を高める・・・
リッツ・カールトンは、このような
職場環境をはぐくみます。
世の中の会社の数だけ、社訓、経営理念があると思います。
今まで様々な社訓、経営理念を見てきました。
働かない社員、やる気がないのはなぜ?
私がリッツを退社して、派遣社員として幾つものホテルで働いた際、会社に対して冷めた従業員が多い会社と、そうでない従業員が多い会社との違いの一つに、社訓、経営理念の内容が関係していると思いました。
会社が従業員に対して一方的に要求している社訓や経営理念の会社の場合、従業員達は、冷めて仕事をしています。
つまり会社のWinは書かれていても、従業員のWinが書かれていないのです。
ベーシック4番で会社と社員のWin-Winを創る
リッツ・カールトンの「従業員への約束」は、会社から従業員に対して「紳士淑女に成長してください」と言っています。
そして、従業員のみなさんが、紳士淑女に成長する事は、あなた方のWinですよ。と、同時に伝えています。
「紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です」
この部分ですね。
経営側だけのWinも、従業員側だけのWinでも、意味がありません。
従業員への約束とは、会社が従業員に対して一方的な約束をするのではなく、実はお互いにWin-Winの関係を文章化し、宣言したものなのです。
あなたの会社と従業員との関係で、Win-Winの関係とはどんな関係だと思いますか?
【編集後記】
クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?
ベーシック4番、好きです。
会社のWinと従業員のWinが、はっきりと書かれていて安心しますし、仕事にも集中できます。会社を信頼出来なければ、仕事だけに集中することができません。
リッツの場合、従業員が紳士淑女になってもらえるとWinですよね。
だって、リッツのお客様は紳士淑女なんですから。
そして、リッツ・カールトンは紳士淑女を大切にするのですから、紳士淑女な従業員はリッツ・カールトンから大切にされるのです!
ベーシック4番は、会社と社員がWin-Winになる内容で考えてみてください。
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。