リッツ・カールトンのクレド、ベーシック19番 / クレドサクセス実践ブログ
リッツ・カールトンのクレドに書かれていたベーシックに焦点を当ててみましょう。
今は、バリューと名を変えて存在しているそうです。
私の在籍中には、クレドカードには、クレド、サービスの3ステップ、モットー、
従業員への約束、そして、20個のベーシックが書かれていていました。
クレドカードの内容は、何度も何度も読み返しました。
もちろん、ラインナップ(リッツ式朝礼)の際に、読み上げて、読み上げたところについて、参加しているスタッフ全員でディスカッションしていましたが、この20個のベーシックの役割、書かれてある内容よりも、その奥にある意図を考えてみましょう。
今回、なぜベーシックが存在し、その意図を考えるに至った経緯は、クレドを作成するうえで、ベーシックはとても重要だと理解しているにもかかわらず、クレドが作れても、次にクレドを支えるベーシックを作る事に頭を抱える事が多いからです。
しかし、リッツのベーシックをお手本として、そのベーシックの意図を理解していけば、その意図に添ってベーシックが作られていくからです。
では、今日はベーシックの19に書かれている内容の奥にある意図を考えていきましょう。
ザ・リッツ・カールトン・ベーシック19番
19.安全を第一に考えます。従業員一人一人には、すべてのお客様と従業員に対し、安全で、事故のない職場を作る役目があります。避難、救助方法や非常時の対応すべてを認識します。セキュリティに関するあらゆる危険な状況は、ただちに連絡します。
リッツ在籍中、月に一回はラインナップでディスカッションする機会があったので、今でもリッツ大阪の避難経路、救助方法を覚えています。
もちろん、管理者だけでなく新卒スタッフ、アルバイトに至るまでディスカッションを通じて避難、救助方法や非常時の対応の際、誰が何をすべきかを学びます。
実際、私がリッツ在籍中、地震が発生しホテルとしての機能が停止した事も停電になった事もありました。
しかし、スタッフたちは慌てることなく、お客様の心配を取り除く事から始めました。
停電の際、照明が全て消えてしまったので、ありったけのキャンドルでレストラン内を明るく、なおかつ「素敵」と思っていただける雰囲気を作り出しました。
地震の際、扉や窓を開け外にお客様を非難できるように避難経路を確保しました。
地震はスグに収まったので、実際、外に避難していただいたお客様は少なかったです。
この様な対応が迅速にできるようにディスカッションでは、
「〇〇で火災が発生した際、どこの非常口が一番ちかい?」
「お客様をパニックにしないために何をしますか?」
「非常階段に障害物になる物は置いてないか?」
このような質問からディスカッションをしていました。
ベーシック19番の意図
いざと言う時こそ日頃からの訓練や教育が物をいうものです。
一年に一回の訓練や代表のスタッフだけの研修など、いざと言う時には役にはたたないのです。
【編集後記】
クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?
清水先生の今回のコラムを読んでいて小学生時代の避難訓練を思い出してしまいました。
小学生ながら、非常ベルが鳴るのを不謹慎ですがどこかワクワクとした気持ちで、避難訓練に参加していたような気がします。
ただ、避難場所である体育館に集合した時に友だちと、、、
「年に1回とか意味ないよね」
と話していました。
もちろん、やらないよりやったほうがはるかにいいのは間違いありません。
年1回の避難訓練がダメなら、じゃあ一週間に一回は避難訓練すればいいのか?という話でもないと思います。
今回のコラムに、、、
この様な対応が迅速にできるようにディスカッションでは、
「〇〇で火災が発生した際、どこの非常口が一番ちかい?」
「お客様をパニックにしないために何をしますか?」
「非常階段に障害物になる物は置いてないか?」このような質問からディスカッションをしていました。
とあるように、質問とディスカッションがイザというときの助けになることが分かりました。
ラインナップ(リッツ式朝礼)で、災害時に何をするのかを定期的にディスカッションしておけば、ラインナップのときのディスカッションがイメージトレーニングになります。
また、避難訓練の話があった日の業務中は自分で確認もするでしょう。
実際、地震のときに清水先生は冷静に対応できたと書いていますしね。
また私事で恐縮なのですが、もう何年も前の話ですが、夜自転車で帰宅中のとき。
点滅信号しか無い交差点での原付バイクと四輪駆動車の接触事故に出くわしました。
原付バイクが一時停止無視で起こった事故でした。
原付バイクの女性は交差点中央に倒れ、血も出ていました。
周りには誰もいなくて、四輪駆動車のドライバーもことの重大さに呆然として倒れ込んでいます。
私も事故直後で何をしたらいいのか全く分かりませんでした。
でも、かろうじて119番に電話だけは思いついたのでスグに電話をかけましたが、住所が分からない。(今は緊急電話をかけるとGPSで場所の特定ができるようですね)
おたおたしている私に、119番のオペレーターさんが落ち着いた声で、、、
「近くにマンションはありますか?」
と聞いてくれました。
そこで私も我にかえり、オペレーターさんの意図がわかって、近くのマンションに貼り付けてある緑色の住所の看板の内容とマンション名を伝えることができました。
その間、数分のことだったでしょうけど、訓練やそういう事故事件について話し合っていないと本当に取り返しのつかないことになりかねません。
その後、なぜか同じようなシーンに出くわすことがありましたが、そのときは冷静に対応できました。経験しているからです。
今回の清水先生のコラムは、ベーシック19番の話ですが、重要なのはディスカッションできるラインナップという場が用意されていることだと私は思います。
クレドやベーシックや会社で決めた新しいことが絵に描いた餅にならないようにするには、ラインナップのような仕組みを導入する必要があるのではないかと思います。
ラインナップの導入といってもそんなに難しいことはありませんし、費用だってかかりません。
ぜひ、クレド6ステップ導入マニュアルを入手していただいてラインナップの導入方法を知っていただきたいと思います。
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。