著者:清水健一郎
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幕末、多くの偉人を育てた薩摩藩の教育システムがリッツと同じだった!?

クレドコラム 番外編

「幕末、多くの偉人を育てた薩摩藩の教育システムがリッツと同じだった!?」

 

薩摩藩の教育システム

参考資料は、歴史学者・磯田道史先生のコラムより

 

郷中(ごじゅう)教育

幕末から日露戦争にかけて、時代を切り開いた有能な人材の多くが薩摩藩出身だったこと皆様はご存知でしょうか?西郷隆盛、東郷平八郎、大山 巌と、名前をあげだしたらキリがないですね。

 

最近、NHKの「せごどん」の影響か、私の息子が歴史番組を観ていたので、私も一緒になって番組をみていると、「それって、リッツの教育のシステムと同じ!」と、声を上げて食い入るようにテレビを観てしまいました。

ですので、今回は、優秀な人材を育てた薩摩藩の教育と、リッツの教育の共通点についてお話したいと思います。

 

薩摩では、地域ごとに6歳から15歳くらいの少年が集まり、そこに15歳以上の先輩がついて行なう「郷中(ごじゅう)教育」という自習システムが行われていたそうです。

 

子供は、まず早朝にひとりで先生(主に近所のインテリ武士)の家に行って儒学や書道などの教えを受けます。そして次は子供だけで集まって、「今日は何を学んだか」を各自が口頭で発表します。

話す本人は復習になるし、口伝え・耳聞きによって、知識を皆で効率よく共有できる。ちゃんと理解しているのか、親よりも厳しく仲間同士でチェックし合います。とにかく先輩は怖かったそうです。

 

私が自身の書著にも書かせていただいた、リッツ式の教育方法とほとんど同じです。

違うところといえば、教育を受ける側の若手社員全員にマニュアルを作成してもらう事ですね。

 

自身の著書(以下抜粋)

新入スタッフには、ありとあらゆる事をメモに取ってもらい、別ノートか別メモ帳にマニュアルとしてまとめてもらいました。

 

そして、新人が3人いれば3人とも同じ内容で、マニュアルに書いた事は、仕事にもよりますが、3人全員ができる様に、いつもコミュニケーションを取ることを義務付けし、一日一回は私がそのマニュアルをチェックする様にしていました。

 

例えば、私が1人の新人に朝食パンの納品のやり方を教えマニュアルにしてもらいます。

その新人は、残り2人にパンの納品のやり方を教え、次の日、残り2人のうち1人がパンの納品を行ったとしても問題なくできる様にと指示を出しメモを取らせます。

 

仮に出来なかったとすれば、前日に私が教えたスタッフが、残りの2人のスタッフに教えていなかったと見なし、私が直に教えたスタッフに注意します。

 

そして、彼らの作るマニュアルを見れば、まだ何を教えていないのかチェックできますし、私が今後、何をどの順番に教えればよいか分かります。そして、新人スタッフ達は、書くと言う作業、自分が教えてもらった仕事を教えてもらったレベルで、残り2人がこなせるように伝えると言う作業を通じて、効率よく仕事を覚えていきました。

 

人は聞いた事よりも、言った事を覚えているものです。

しっかり覚えたいと思えば、忘れそうな事は、すぐ人に教えると覚える事ができる様になります。

 

自分が理解したと言う事は、人に教える事が出来ると言う事ですし、その為、新人スタッフ達とは言え、すぐに誰かに教えるという行為は、責任も掛かりますし、教えた本人達が、教えた事をしっかり自分のものにする為の行為だったと思います。

(社会人として大切なことはすべてリッツ・カールトンで学んだ/彩図社より引用)

 

薩摩もリッツもコミュニケーションを重視した教育でした。

時代、国境を越えて通用する教育と言うのは、やはり原理原則に基づいた教育だったと思います。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。

本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

 

今回のコラムの内容は、かなり驚きです。

清水先生が言っているように、本当にそっくりの教育方法でしたね。

覚えたことを覚えたままにせずに、人に話すという行為は学習効果が高く、しっかり記憶されると言われています。

 

今回は、清水先生の著書からの引用でしたが、ちょっと読み返してみようかなと思ってしまいました。

こんな教育方法で幕末の志士を量産したのですね……ということは、清水先生の開発したクレド6ステップ導入マニュアルでクレドを導入して運用していれば、すごい人材がうまれるといえなくもないですね。

 

実際、私はリッツ・カールトンで働いたこともありませんが、クレドサクセス実践会のクレドを作る時に、清水先生から直にラインアップを何度も行っていただきました。

その時に感じたのが、

 

「ラインナップは、イヤでも人が育つぞ」

 

でした。

ラインナップで質問される側はもちろん、質問をする側もお互いに鍛えられるし、また周りで聞いているスタッフも刺激になるし、次は自分かもしれないと思うと気が抜けない。

お互いに慣れてくると、ラインナップが終わらないそうです。(笑)

 

一人で学ぶよりも、また学んだら学んだままにしないでみんなと共有することは、人の成長に大きく役立つんですね!

薩摩藩恐るべしですね。

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

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