『NOを使わないサービス』が出来るのは、そこにビジョンがあり、ミッションがあり、クレドがあるから
今回のコラムは平成28年1月にクレド導入にチャレンジされている会社のクレドオフィサーの方々が、
東京からはるばる私に会いに来てくださった際、
クレド、サービス、リーダーシップに関して、私に様々な質問をされましたが、
その中でも、
「NOを使わないサービスで困ったことはありましたか?」
と言う質問に対して、私がお話しさせていただいた事を今回、コラムにしました。
では、お話しさせていただきます。
NOを使わないサービスで困ったことはありましたか?
『NOを使わないサービス』
これで困ったのは、リッツ在籍中よりも退社してからの方が困りました。
新卒入社でリッツ・カールトンに就職し、
社会人としての常識もサービス哲学もホスピタリティも20歳からのすべてが、
リッツ・カールトンで育てていただいたからです。
リッツでしたら最初から『NOを使わない』と、決まっていましたので、
自分で対処できないお客様からの要望は、
「上と相談してみます。」
「少々、お待ちいただいてよろしいでしょうか?」と、
言って先輩、上司に相談して対応させていただきました。
また私の著書にも書きましたが、物理的に無理な要望、
たとえば、夏に冬の食材を要望された際は、
「では代わりに○○は、どうでしょうか?」と、
代案をご案内していました。
そして、リッツは一度、この様な特別な要望を承ると、
次回から必ずスムーズな対応ができるように、システムを変えたり準備したりして備え、
対応のスキルを蓄積するホテルだったので、特別な要望は大歓迎でした。
そんな会社で、0から社会人をスタートさせた私にとって、
リッツ以外の職場で働き始めた時、そこから初めて『NOの使い方』を習ってゆくことになったのです。
正直、当時私と働いていたスタッフ達は、大変だったと思います。
なんでも「イエス」「はい」と、とりあえず言ってくる私の後の対応に困ったのではないでしょうか?
正直、トラブルメーカーです。
著書にも書かせていただきましたが、NOを使う際にも判断基準が必要です。
もちろん、NOを使う事以外にも様々な判断をするためには、様々な経験を積み、判断基準を身に着けていかなければなりません。
では、会社の判断基準をどうやって従業員に理解してもらうか?
いたった結論は、そこにビジョンがあり、ミッションがあり、クレドが必要になってくるのではないでしょうか?
著者/清水健一郎
清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。
2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。