著者:清水健一郎
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クレドが「考えて動く」社員を育てる!
-一枚のカードで成果を上げる「奇跡の改革」

日本クレド(株)代表取締役
吉田 誠一郎

今回の著書は、
クレドが『考えて動く』社員を育てる!-一枚のカードで成果を上げる『奇跡の改革』です。

「向上」が社員を活性化させる。自社の良いところに注目する

「クレドが必要な理由②」

「向上」が社員を活性化させる。自社の良いところに注目する

著者の吉田氏が改善活動に全社をあげてとりくんでいる大手機械メーカーの経営幹部と話をされた際、悪い状態のものを工夫し良くする「改善」と、良いものを伸ばし、さらに磨きをかける行動「創意工夫(向上」)」を混同している社員が多く、これからは、社内の良い面に注目し、そちらの方向にこそ、力を注ぎたいと仰っていたそうです。

もはや不平・不満・不安の解消だけでは足りない。
と、言うことだそうです。

創意工夫、向上、改善、これらの言葉を聞くと、リッツ大阪オープニングの時を思い出します。
オープニングと言うこともあり備品の配置、営業中の仕事の流れなど、何も決まっておらず日々、創意工夫(向上)、改善のオンパレードでした。

私の著書にも書きましたが、新人、新卒であろうが、任せられる仕事は任せ、その仕事については、職場のリーダーになってもらい責任をもってやり遂げてもらう。

リッツ大阪オープンの際、レストランの朝食ブッフェを立ち上げたのは、当時20歳だった私と同期の新卒グループでした。
設備、備品の配置場所、料理提供の流れなど、様々な事を相談し合い、時には怒鳴り合いの大喧嘩もしました。
その度にスタッフ同士の絆が強くなっていった事を思い出します。

余談ですが、クレドがあれば気持ちの良い喧嘩ができるのです。
全員が一つの目標に向かって向上している。
例えるなら甲子園を目指す高校球児達のような、真剣で気持ちの良い喧嘩です。

話を戻しますと、リッツという会社、上司は、部下をサポートし、経験を与え部下の向上心を育て成長させます。
なぜ、リッツの管理者たちは、そのような事が当たり前にできたのか?

それは、リッツ・カールトンのクレドに「従業員への約束」と言う項目が書かれておりクレドを活用していた結果なのです。

著書の中で(以下抜粋)

クレドは「向上」を大事にする。

そして、クレド効果の一つとして著者も(以下抜粋)

他人を成長させよう、伸ばしていこうという思考回路が動くようになっていくのです。

と、仰っています。

クレドを持つ事より重要なクレドの活用方法は、おいおいご説明させていただきます。

リッツはクレドのおかげで、数年後、全国一位の地位にまで上り詰めました。
それは当時20歳だった末端のスタッフの私ですら「創意工夫(向上)」「改善」の意識が強かったからだと思います。
しかし、それはリッツのクレドからすれば、クレドの一部「従業員への約束」が効果をだしたにすぎません。

今回は「向上」に焦点を当ててコラムを書かせていただきましたが、ここまで読み進めて頂いた方、「リッツの『改善』はどうなっているんだ?」と思われているのではないでしょうか?

「改善」について私はとてつもなく自信を持っています。
以前、私が開いたセミナーに某大手ビール会社の工場長、大手機械メーカーの品質管理本部長、改善担当者、そうそうたる製造業の方々に、リッツ・カールトンの「改善哲学」を紹介させていただいた際、皆さん、舌を巻かれていたご様子で、とても驚かれていました。

なぜなら、上記にも書きましたが20歳の新卒者たちが、リーダーになって「向上」「改善」に取り掛かかる事ができたのですから、その結果は皆様ご存知の通り。
そんな「改善」については、また読書コラムを進めていき、おいおいお話させていただきます。

私が在籍当時のクレドカードの中身の一つ「従業員への約束」をご紹介します。

従業員への約束

リッツ・カールトンでは
お客様へお約束したサービスを
提供する上で、紳士・淑女こそが
もっとも大切な資源です。

信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を
原則とし、私たちは、個人と会社の
ためになるよう、持てる才能を育成し、
最大限に伸ばします。

多様性を尊重し、充実した生活を深め、
個人のこころざしを実現し、リッツ・カールトン・ミスティーク
(神秘性)を高める・・・
リッツ・カールトンは、このような
職場環境をはぐくみます。

 

 

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。

リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。

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