著者:清水健一郎
Pocket
LINEで送る

今回は、ジョンソン&ジョンソンでクレドーを作った三代目社長ジェネラル・ジョンソンとクレドーについて触れたいと思います。

実は、「ジェネラル・ジョンソン」というのは本名ではなく、創業者と三代目社長は名前が同じでロバート・ウッド・ジョンソンなので、二人を区別するために三代目を「ジェネラル(将軍の意味)・ジョンソン」と呼んでいたそうです。

と、横道に逸れましたが、ジェネラル・ジョンソンは、自社のクレドーを、会社の株式公開直前のタイミングで発表したそうです。

なぜこのタイミングだったのか。
それは、世に自社のクレドーを明確に示すためでしょう。

そういった背景から、クレドーへの思いは半端なものではなく、
「この内容(クレドー)に賛同できないなら、他社で働き口を見つけてくれて構わない。」
と言う言葉を残しているそうです。

僭越ながら、私もクレドの元に集まり、日本初のリッツ・カールトン立ち上げに参加させていただいた者として痛いほどよくわかります。

なぜなら、会社のトップの社長や、ホテルのトップの総支配人だけでなく、20歳の私の同期達までもが、入社1年後にもなると、ジェネラル・ジョンソンと同じような事を口にする様になっていたからです。

アルバイトの学生達に

「ここはリッツや、リッツのクレド、モットーを理解してもいないのに仕事にくるな。理解してから現場に来い。お客様からすれば、オレ達社員も君らアルバイトも関係ないんやぞ!」

もちろん同期同士でも本気で言い争っていました。

「クレドに書いてる事と違う事してるんやったら、リッツ辞めてまえ!」

など、当時を振り返れば、ほんとよく同期と喧嘩をしていました。
それだけ、皆、真剣だったのです。

なぜ20歳、21歳の若者がサービスに対してそこまで真剣になれたのか?

なぜここまで真剣になれるのか?

それこそ、やはり、クレドが存在していたからだったと確信しています。

仲間と厳しい事を言い合える環境というのは、皆が同じところを目指しているだけでなく、日頃からコミュニケーションが取れているからです。

そうでなければ、奇妙な気の使い合いが起こり、いわゆる風通しの悪い職場になってしまうでしょう。
それでは最高のサービスなど提供できるはずもありません。

クレドの内容に対する信念に疑いがなく、ブレがないからこそ、お互い真剣にぶつかり合う事ができたのです。
そして、仲直りも早い。
仲直りをするたびに絆は深まっていきました。

本当に真剣に、頭の先からつま先まで甲子園を目指す高校球児たちを想像してみてください。

リッツの若手スタッフ達と同じ事をやっています。

つまり、リッツスタッフはクレドをそこまで信じ切っていたのです。

会社の魂こそクレド

ジェネラル・ジョンソンが
「この内容(クレドー)に賛同できないなら、他社で働き口を見つけてくれて構わない。」
と言えたのは、自分のクレドーを信じ切っていたからこそだと思います。

こういった姿勢であるからこそ、熱い賛同者が集まり、熱い集団となり、世界でも有数の企業となったと言えるのではないでしょうか。

経営者やリーダーにとって、絶対に譲れない会社の魂と言えるものがクレドなのです。

譲れないからこそ、賛同できない人は来ない。
賛同者だけが集まる。

これはマーケティングであろうと同じですね。

クレドを明確に掲げること、始めてみませんか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加