著者:清水健一郎
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私がリッツ在籍時のクレドカードの中に、

ベーシック14番 いつも笑顔で。私たちはステージの上にいるのですから。
ベーシック15番 職場にいる時も出た時も、ホテルの大使であるという意識を持ちましょう。

というものがあります。

今回、林田さんが著書の中で、

お客様は、あなたの身だしなみはもちろん、ボールペンや書類ケースといった小物類にいたるまで、すべてを注視しています。

ということを書かれています。

この言葉、
「いつ、どこで、お客様が自身を見てらっしゃるか分からないのであれば、プライベートでも身だしなみ、言動と気を抜く事ができない。」
と、受け取られる方が多いそうですが、私は少し違うと思います。

私は、妻と外食した際、今まで一度たりとも、上座に座ったことはありません。
上座には妻が座ります。
料理の取り分けも、私が必ずやります。
二人で並んで歩いていても、車道側は必ず私が歩きます。

身につける服、靴、鞄、ハンカチなどは、どこで誰に会ってもバスティアンのオーナーとして恥ずかしくないようにと、結婚後は妻が選んで用意してくれます。

これはあくまでも一例ですが、このように無意識に、生き方、人生までも仕事と一貫する様になって、はじめてプロフェッショナルと言えるのではないか、と考えているわけです。
だから、「気を抜くことができない」と考えているうちは、まだプロフェッショナルではない、ということ。

周りのプロフェッショナル達を思い出してみてください。
TVで料理がチラッと出てくると「今の料理、なんだろう」と反応してしまう料理人。
絶えず面白い話がないか?面白い話をつくれないか四六時中考えているお笑い芸人。

中には「職業病」と言う方もおられるでしょうが、そもそも「職業病」にかからないとプロフェッショナルとは言えません。

私もリッツ在籍中、先輩、上司に飲みに連れて行っていただいて、話を聞く態度、料理の取り分けの仕方、お店のスタッフへの接し方など、手厳しく指導して頂いきました。
当時の上司、先輩の方々には本当に感謝です。

こういった積み重ねがあって、今の私があるわけです。
(もちろん、まだまだ修練を積み重ねる必要はありますが)

「サービスのプロになる」こと。
それを実現するためには、仕事の時間以外でも、サービスの心、サービスのプロとしてのマインドを無意識に実行できる必要があり、その訓練が必要なのです。

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