リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得
今回取り上げる一冊は、「リッツ・カールトン元支配人が学んだ一流のホスピタリティ心得」です。
以前、紹介させていただいた「リッツ・カールトンで学んだ仕事で一番大切なこと」の著者であり、私の経営するバスティアンのお客様第一号になってくださった元上司でもある林田さんの本。
こちらは、林田さんの自伝的な内容となっていて、苦労話を中心に、その中からホスピタリティ、人生の大切な事をご紹介されている、という印象です。
特に病気知らずの林田さんが、50歳の時に大病にかかって半年間の闘病生活をされた内容に、私も興味といいますか、共感が生まれました。
私も自身の著書の中で、腰椎椎間板ヘルニアになり、手術した際、リッツを9か月間休職したエピソードを紹介しているからです。
おそらく、怪我や病気を患い会社を休職した事のある方は、皆さん共感を持ってくださる様に思います。
失ってわかること
病気になったばかりの時、林田さんも、そして私もですが、
・健康は全てではない。だが健康を失うと全てを失う。(著書抜粋)
と、考え絶望の中にいました。
しかし、
・倒れて教えられた感謝の気持ち(著書抜粋)
・本当の意味で感謝の気持ちや思いやりの心に目覚めたのです。(著書抜粋)
林田さんは、いつも喧嘩ばかりしていて、お見舞いに来てくれるなんて考えた事もなかった先輩料理長が、林田さんの家族の分までお弁当を持ってお見舞いに来てくださった時、
・弱い立場の人の気持ちが分かるようになったのです。感謝や思いやりの心に目覚めました。(著書抜粋)
私も入院中、総支配人、副総支配人、総料理長、副総料理長、と多くの方から誕生日カード、クリスマスカードをいただき、それを見た私の家族もリッツ・カールトンに感謝せずにはいられなかった経験がありました。
著書の中で
感謝や思いやりの心に目覚めたのと無縁ではないでしょう。これも大病のおかげでしょうか。ですから病にたおれなければ、どうなっていたのかと考えると実に空恐ろしくなります。人生ときに回り道も必要なのでしょう。
私も同じ様な経験をして、全く同じ考えになりました。
当時、23歳の若さで、私は椎間板(背骨と腰骨の間の軟骨)を摘出しました。
その結果、それまでの様に体に無理をさせる事はできなくなりましたが、もっと大きな、そして大切な事を得られた様に思えます。
もちろん、23歳の若さで、そんな大切な事を得る事ができたのは、当時のリッツ・カールトンの心づかい・ホスピタリティのおかげです。
もし、休職して3か月で無条件に解雇されていれば、その後の私の人生は歪んでいたかもしれません。
やはり、私は一生リッツ・カールトンに感謝せずにいられないようです。