著者:清水健一郎
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大企業であれ、中小企業であれ、個人商店であれ、利益を出すことは必須です。
そうでないと、生き残れないですよね。至極当然です。

では、利益とは何か?と聞かれると、おそらくバラバラの答えが返ってくると思います。

しかして、利益とは何なのでしょうか?

利益とは社会に生み出された価値の一部

ご存知の通り、私はリッツ出身です。
では、リッツにとっての利益とは何か。

元リッツ・カールトン日本支社長の高野氏は、著書「絆が生まれる瞬間」にて、こう書いています。

企業活動を通じて社会に生み出された価値の一部が、そのホテルに還元されてきたもの

これが利益。
私の地元滋賀の近江商人の「三方よし」もまた同じですね。

初めてこの部分を読んだ時、ドキッとしました。

実は、私は独立当初、この部分が私に足りていないのでは?と自問自答する事が本当に多かったのです。

地元の優良企業、慈善団体の方々は、町の為、地域の為に掃除や町おこしのイベントに参加されているのですが、私はと言うと店を切り盛りするのに一生懸命で、なかなか外にでて、地元、地域の為にできずにいたからです。

「社会に生み出された価値」というのが、地元や地域のためにイベントに参加することと感じていたのです。

だからこそ、ドキっとしました。

社会に生み出された価値はさまざま

しかし、それは私の早合点でした。

美味しい料理やワインを出して、地元の方に喜んでいただくこともまた、価値です。
サービスを通じて、価値を提供することは可能ということですね。

そういう意味で、私のお店の利益というのは、彦根をはじめ、様々なところからお越しになられるお客様に対し、できる限りのサービスをもって、喜んでいただく、幸せを感じていただく、ということから、還元されているもの。
こう考えると、色々と感謝せざるを得ません。

リッツで働いていたにもかかわらず、「社会に生み出された価値」を誤解していたのは、リッツではそれが当たり前すぎて、自分が経営者になるまで気づけていなかった、ということだと思います。

そしてさらに、大切なことを思いなおしました。
それは・・・

挨拶+笑顔は最高の武器の一つ

例えば新卒社員のような若い人たちが、いきなり社会に価値を生み出せるのか?という疑問が出てくるかもしれません。

でも、できるんです。
というか、基礎の基礎。

それが、「挨拶+笑顔」です。

『企業活動を通じて社会に生み出された価値』について、自分が奉仕活動などに参加する事で、と考えていた私にすれば、最も身近で簡単で、パワフルな事を忘れていた様な気がしました。

そう、笑顔と挨拶、それもまた、社会に価値を与えていると言う事なのです。
子供でもできます。
むしろ、子供の笑顔と挨拶の方が、我々大人よりも社会に力、価値を与えているようにも思います。

そしてもう一つ。

例えば私のお店で言えば、私自身が「挨拶+笑顔」を実行する。
そこから、「挨拶+笑顔」を実行する人を育てる。家族、従業員、従業員の家族などに伝播していく。

そうして、社会に価値を提供する人たちが連鎖的に増えることもまた、非常に大切なのではないかと思います。

最後に高野氏は、

すべては、「気持ちのよい挨拶と笑顔から始まる」というこの単純明快な事実を、改めて考えてみる価値はあると思います。

と書かれています。

挨拶と笑顔なんて、当たり前すぎることと感じると思います。
しかし、言い換えると、もっとも手を付けやすい、ということでもあります。

そして、それが浸透するような職場は、きっと素敵な職場になっていくはずです。
クレド導入の土台作りにも非常に有効ですね。

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