著者:清水健一郎
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ビジョンから目を逸らさない、常に改善を目指す

どんなリーダーがもとめられているか
ビジョンから目を逸らさない
常に改善を目指す

私もそうですが、人は時にビジョンから目を逸らしている時があります。
そして、逸らしてしまっている事に気づかなかったり、見て見ぬふりをしていたりと、正直、どんな時もビジョンから目を逸らさないことは、理屈では簡単でも時と場合によっては難しくもあります。

しかし、後で後悔するのは自分自身ですよね。
前回のコラムで引用せていただきましたが、

ビジョンを掲げたら、目指しているレベル以下で妥協してはならない。自分自身にも、部下にも、言い訳をゆるしてはならない。
言い訳や説明には何の意味もなく、ただみっともないだけだ。そこからは、道を切り開く力は生まれない。(217ページより引用)

はい、何度も経験して理解しています。みっともない自分も重々理解しております。
と、著書を読み進めながらシュルツ氏に説教されています。

そんな時って、私だけでなく誰にでもあると思います。

もし、今、このコラムを読んでいただいているあなたが、そんな状況に陥っていたとしたら質問です。

自分一人で抱え込んでいませんか?
共感してくれる人が回りにいますか?

ビジョンを掲げ、部下たちに伝え実行してもらうには、先ずビジョンを部下たちに伝えなければなりません。
その時、あなたは必死になって、熱くなって、時には大声を張り上げて部下たちに語ります。

もちろん。それらの行動は素晴らしいと思います。
しかし、伝わらない、実践してもらえない事もあります。

そのため、あなたは、また、必死になって、熱くなって、時には大声を張り上げて部下たちに語ります。
しかし、また伝わってない・・・

そのサイクルを何回も繰り返す事によって、あなたは心身ともにクタクタになっています。
そして、ビジョンから目を逸らしたり見て見ぬふりをし始めるのです。
だとすれば、ここらへんで、少し行動を変えてみませんか?

職場の多くのスタッフが、あなたに賛同してくれていれば、あなた自身、ビジョンから目を逸らし、見て見ぬふりなどしなくてすみますね。

しかし、賛同してくれなければ、ビジョンもスタッフ達に強制していることになってしまします。
かりに職場のスタッフの全員とはいかなくても、ほとんどのスタッフがあなたの事が好きだったとしたらどうでしょうか?

あなたの話を最後までシッカリと聞いてくれて、喜んで賛同してくれる。
つまり、職場のスタッフ達が、あなたの事を好きでいてくれるようにすれば、ビジョンから目を逸らし、見て見ぬふりなどしなくてすむのです。

そこで、どうやればあなたの事を好きになってくれるのでしょう。

じつは、意外にシンプルです。
効果抜群のエクササイズを私が作製したクレド導入マニュアルのステップ1に紹介させていただきました。
そのエクササイズを実践していただければ、アッと言う間に効果がでます。
是非、マニュアルを手にしてステップ1を実践してみてください。

つまり、私の言いたい事は、あなたが必死になって、一方的に部下に言っているだけに過ぎない。と、言うことなのです。
そんな時、一度、立ち止まって部下の声、部下の想いに耳を傾けた事はありますか?

いくら、「このビジョンを達成するには、君たち一人ひとりの力が必要だ、私に力を貸してくれ」と、部下一人一人の目を見て言っても、あなたからの一方的なビジョンの押し付けであれば、部下たちは、「自分のビジョン」だと思い行動してくれるわけではない。と、言うことなのです。

なんども同じ失敗をする部下がいるとします。
上司のあなたは、「なんで、失敗するんだよ?これは、こうして、こうして、こうすれば失敗しないだろう」といつもの様に部下に叱りつけます。
もしかしたら、部下は「そんな事分かってます。私の分からないのは、それではなく、あれの事なのに」

つまり、何度も上司であるあなたが失敗しないように部下に語っていた事が、的外れだったと言う事もあります。
ですから、上司が一番にしなくてはならない事は、なぜ繰り返し失敗するのか、その原因を突き止め改善してあげるという事なのです。

そのためには、先ず相手の話を聞き相手の不得意としているポイントや癖を理解してあげる事が大切なのです。
私が今まで「私は人を育てる事が苦手です」「人に教える事が苦手です」「いつも、私の話は誰も聞いてくれない」と言う人の共通点は、人の話を聞かない、聞こうとしていない人なのです。
自分の行動が跳ね返ってきているのです。

著書の中でシュルツ氏が、部下とのディスカッションのお手本を紹介されています。

お客様はどんなことをおっしゃっていましたか?もっとうまくやれたのにできなかった、と気づいたことが何かありますか?来年に向けて、ここを直せばいいと思ったことはありませんか?」
全員に何か言ってもらう。これは雑談のための集まりではない。そこで出された意見をもとに、(中略)業務改善計画を策定する。(224ページより引用)

ポイントは、上記の質問のように質の高い意見を求めてはいけません。
ディスカッション中に相手を否定してはいけません。
とにかく少しでも多くコミュニケーションを取る事が大切なのです。

質の高い意見を要望してしまうと、部下たちは委縮して意見を言えなくなります。
とにかく、どんな意見も聞く姿勢を部下に見てもらう事、そして全ての意見を基に上司は、シュルツ氏が言うように業務改善計画を策定する。

ビジョンを語り部下を引っ張っていこうという気概があるのは、大いに結構だと思います。
しかし、語った以上に聞くという事をおこなう。
それが、あまり知られていないですが、真のリーダーの姿なのです。

 

【編集後記】

クレドを研究している友松です。
本日の清水先生のコラムはいかがでしたか?

自分が言ったことは契約書のようなモノを残さない限りは証拠として残りません。
それを良いことに口では良いことを言っても行動が伴わない人は一定数います。
最近ではスマホや録音機器が充実してきているのでいつどこで録音されているかわかりません。

経営者もヒヤヒヤです。
私の知っている経営者は辞めさせたいと思っている社員との会話をICレコーダーでいつも録音していました。
ちょっと思い出したので書いてみました。(汗)

それは良いとして、言ったことには責任を持ってほしいし、自分も責任を持ちたいですね。
そして言うからには、真摯に周りの声を聞くこともやっていきたいですね。
聞いて、柔軟な姿勢で取り入れて、必要な場合は自分の考えも修正する。

私も心がけます。

 

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この記事を書いた人

著者/清水健一郎

清水健一郎 ザ・リッツ・カールトン日本進出第一号ホテル、
ザ・リッツ・カールトン大阪のオープニングスタッフとして入社。身をもってクレドを実践する。
リッツ卒業後、数社のホテル、小規模飲食店をクレドによって立て直し、クレドがリッツ以外で経営に役立つことを証明する。
その後、オーナーサービスマンとして飲食店を開業。自ら経営者となる。

2013年に、これまでの経験を活かし出版した書籍が、ビジネス書では異例の2万5千部の販売を記録するヒットに。
失敗しない、小予算でできるクレド導入法を開発し、クレド導入を考える経営者や管理職の方へ無料レポートやクレド導入マニュアルを提供している。職場の信頼関係はクレドで作られる

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