著者:清水健一郎
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今回の高野氏の著書、「リッツ・カールトン『型』から入る仕事術を振り返って、私はとても懐かしく感じました。

リッツ・カールトン「型」から入る仕事術
高野 登(著)

リッツでの修業時代に実際に教えられ、実践していた仕事術ばかりが紹介されていたからです。
「型」を使い仕事を進める。
「型」を使って仕事を教え、「型」を使って仕事を覚える。

しかし、いつも「型」にはまった仕事、サービスは必要とされないリッツの現場で、いかに「型」を使うか?
改めて勉強になりました。

そこで、今回、私がリッツのレストランで働いていた際に学んだ商品説明の「型」についてご紹介させていただきます。

私と同じレストランのサービスマンやセールスの仕事をされている人にお役に立つと思います。

何か商品、物を作り上げておられる方は、売り手担当の方におススメしてあげてください。作り手の方にも、すごく納得いただけると思います。

商品説明の「型」とは?

では、商品説明の型とはどういうものか。
説明ですので、もちろん言葉・台詞ですね。

実は、商品をお客様にご紹介させていただく際、とてもお客様に作り手の想いが伝わり、説得力のある台詞になる簡単な方法があるんです。

レストランを例にとって説明していきましょう。

1.商品を決める。
例えば、近江牛ランプ(赤身の味が美味しい部位)のステーキ。

2.作り手にインタビュー
作り手にインタビューできない場合は、作り手の想いが書かれた資料などあると実践できます。

3.インタビュー内容
・お客様が近江牛ランプのステーキを食べる際、どういう食べ方をして欲しいですか?
・何を感じて欲しいですか?
・美味しく食べる為の注意点はありますか?
・食べていただいて、お客様からどんなコメントをいただきたいですか?
・一口食べたお客様が「おいしい!○○ですね」その○○は、料理人にとって分かって欲しい事、その○○を料理人が聞いたら「そう!○○を意識してつくったんですよ。分かってるお客さんだな~」と言ってもらえる○○はなんですか?

こういったことを、作り手にインタビューしてみましょう。

例えば、例に挙げた近江牛ランプ(赤身の味が美味しい部位)のステーキだと、このような答えが返ってくるでしょう。

ランプは冷めてしまうと、脂の乗った部位よりも固くなってしまいます。
なるべく温かいうちに食べていただく事をおススメします。

たまにステーキを一口サイズに切り分けてから、時間をかけてフォークでさして食べるお客様がおられますが、ステーキは、切った切り口から熱が逃げますし、肉汁が出てしまって本来の美味しさを味わいにくくなります。
一口ずつ切りながら食べていただいた方が、美味しく頂けます。

そして、お客様からいただきたいコメントの例としては、

「美味しい!肉の切り口を見ると、綺麗なミディアムレア、調理に難しい赤身肉の火入れが絶妙ですね。」

などといただくと多くの料理人が、喜んでくれるはず。

なぜなら、肉を焼くには技術と細心の注意が必要です。
その為、肉の焼き方を褒められて喜ぶ料理人は多いと思います。

4.そんな、コメントをお客様の口から引き出せる商品説明を考えてみましょう。

インタビューでいただいたコメント、それらを考慮して商品説明をする際、どんな言葉(台詞)で商品説明をしますか?
言葉(台詞)を考えてみましょう。

例えば、私の一例です。

「お待たせしました。近江牛ランプ肉のステーキです。
赤身肉の味が一番堪能できるミディアムレアで、イイ感じに仕上がりました。
ランプは温度が下がると固くなるので、一口ずつカットして温かい内に召し上がってください。」

うまく、感じて欲しい事、食べ方に無理なく誘導してしまうのです。

5.考えた言葉(台詞)を作り手に聞いていただいて、納得していただけたなら、何度でも同じ言葉(台詞)で説明するようにします。

何度でもです。

そうすると、次第に言葉(台詞)が自分のものとなり、言葉(台詞)に心が入るようになるのが分かります。
これが言霊です、実践して実感してください。

それからも何度も繰り返すことにより、無意識で説得力のある商品説明ができるようになります。

これが、セリフに心がはまった状態、「型」にはまった状態です。
以前、ご紹介させていただいた「守・破・離」の「守」になります。

そこから、使っていた言葉にアレンジしたりする「破」になり、「離」に関しては、様々ですが、料理を提供する人によっては、ほとんど何も言わなくてよい。と言うケースもあります。

例えば、料理の鉄人道場六三郎氏が、目の前でステーキを作って、鉄人自ら提供したとします。

ほとんどの人が、料理を食べる事に集中しますよね。
もちろん、その際に「熱い料理は、熱いうちに」なんて、当たり前で料理を食べる。

ですから、鉄人は、「どうぞ、召し上がってください。」の一言だけで、とてつもない説得力を持ちます。

これが、「離」をマスターした人の力だと思います。
鉄人が有名人だからではありません。
「離」をマスターした人なのです。

まとめ

今回はレストランの例をあげましたが、この様に、職場合ったフォーマットを一度、作ってみてはいかがですか?

このやり方は、お客様は美味しく料理をいただける。美味しい料理を食べて頂くことで喜んでいただけ、サービススタッフも嬉しい。作り手も「ああ、それ、この料理は、それを理解、伝えたい。」と言う事が伝わり心から喜べる。

お客様、サービススタッフ(売り手)、作り手、WIN ・WIN・WINと言いう関係を築くことのできる素敵な「型」の1つです。

今回は、レストランを例にあげましたが、お客様、サービススタッフ(売り手)、作り手の関係のある職場、会社であればどこにでも導入可能だと思います。

今回の著書、リッツ・カールトン「型」から入る仕事術
私にとっては、懐かしくもあり、原点回帰できた著書だったと思います。
皆さん、仕事の「型」持っていますか?
忘れていませんか?

再確認するきっかけとなれれば幸いです。

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