著者:岸本健太郎
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紙か、それとも電子か———

私がまだ学生の頃などは、電子書籍はないに等しかったので、馴染みのないまま大人になりました。

それが今や、電子書籍は一定の認知を獲得し、漫画なんかはスマホで読んでいる人を電車の中で見かけることも。

そこで今回は、よく議論される、「紙の本か、電子書籍か」という議題について、ちょっと私なりに考えてみたいと思います。

双方にメリット・デメリットがある

まず、先にお断りをしておくと、私は紙の本を読みます。
電子書籍で読むことはほとんどありません。

ただ、議論の中には、「紙の方がいい!」「いや、電子書籍だ!」という結論ありきと思しきものも散見されますが、お互いにメリットがあるでしょう。

まずはメリットを見てみたいと思います。

紙の本のメリット

■メリット

  • 視覚的に達成感がある
  • 本棚にカテゴライズしやすい
  • 古本・寄贈などの選択肢がある
  • 五感への刺激が多い
  • デザインなどの楽しみ
  • 書き込みが容易

電子書籍のメリット

■メリット

  • ネットさえ繋がればいつでも買える
  • ダウンロードしてすぐ読める
  • データなので保存が楽。
  • 場所を取らない
  • 少し価格が安い

メリットを比較すると、何やら紙の方が感覚的な部分が多いことに気付かされます。

比較すべきポイントはどこ?

メリットの比較から考えてみると、多くの場合、紙の本と電子書籍の中身を比較しているのではなく、「紙の本」と「電子書籍リーダー」を比較しているケースが多いように感じます。

つまり、コンテンツ同士を比較するのではなく、コンテンツとデバイスの比較。
それなら、

【本棚とデバイス(kindleなど)】、【紙とモニターに表示されたテキスト】を比較しなければなりませんね。

こう考えると、本棚の方が一覧が楽ですし、液晶よりも紙の方が目が疲れない、という私の判断基準が浮き彫りになります。

確かに、私が電子書籍にほとんど手を出さないのも、デバイスのハードルが高いから。
書店にいけば本を買えますし、amazonでも今は注文の翌日に届けてくれます。

読書術も身に付け、なおさら高いハードルを超えるだけの魅力を電子書籍に感じられていないからですね。

逆に、kindleなんて当たり前、スマホもタブレットも使いこなしてるよ!って方にとっては、電子書籍の方が魅力を感じる人もいるのでしょう。
液晶画面で読むことも全然問題ない、フォントサイズ大きくできるならむしろこちらの方が、という方がいても何もおかしくはありません。

だから、個人的に言えることは「好きな方を採用しなさい!」です。

大切なことは、

・何のための読書なのか
・どういったことを得たいのか、目指したいのか
・どのように本と向き合っていきたいのか

この3点から考えることです。
そして、それは人によって違います。

ややこしいことは抜きにして、あなたが好きな方を採用してくださいね。

おまけ

今年、ノルウェー・スタヴァンゲル大学のAnne Mangen氏とフランス・エクス=マルセイユ大学のJean-Luc Velay氏らによる研究チームによってある研究結果が発表されました。

以下、引用です。

研究では、読書とタブレット使用の習慣がそれぞれ同じ程度の大学院生が50名集められ、25名ずつの2グループに分けて実験が行われました。各グループはエリザベス・ジョージ著の短編小説を最後まで読んだ上で様々な検証に臨んだのですが、一方のグループは書籍を、もう一方のグループはAmazonの電子リーダー「Kindle DX」にインストールした電子書籍を使用しました。

両グループとも、「物語の背景」や「登場人物」、「ストーリーの詳細」などの項目では同等の正解レベルを示しているのですが、物語中の出来事が発生したタイミングを尋ねた設問では、電子書籍を読んだグループが明確に低い正答率を示したとのこと。さらに、14個に分けられた話の流れを順番に並び替えるという設問に至っては、電子書籍グループの正答率はもう一方のわずか半分ほどしかなかったという結果が浮き彫りになりました。

- 電子書籍に移行することで失われる読書体験の中身が少し判明 – GIGAZINE

まだ研究の段階で、この結果を生みだした原因がどこにあるのかは定かではありませんが、大方の見方通り、私も「五感の刺激の違い」だと考えています。

個人的にはここが最大の違いで、だからこそ私は紙の本が好きなのですが、

・本の重さ
・残りのページの厚み
・本の手触り
・紙のにおい
・装丁の色/デザイン

こういった情報は、脳への刺激として優秀なのだと。
だからこの結果が出たのではないかと考えます。

と、理由を付けてみましたが、やっぱり私は紙の本が今のところ好きなようです(笑)

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