著者:岸本健太郎
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三日坊主。

いったいこれまでどれだけの回数聴いてきたかわからない、そして自分で体験してきたことがあるかわからない、憎い言葉ですね。

  • ダイエットが続かない・・・
  • スポーツが続かない・・・
  • 趣味が続かない・・・
  • 勉強が続かない・・・

気が付いたら飽きてやめちゃう。

ほとんどの方が体験したことがあるんじゃないでしょうか?

初めから「続けたくない!」「諦めたい!」と思って始める人はいないでしょう。
でも、やっぱり「続けるって難しい」、というイメージがありますよね。

実は、これには、ちゃんとした理由があります。

今回はこの三日坊主を治すコツについてお伝えしたいと思います。

この「コツ」を知り、活用することで、今まで成功しなかったダイエットで1ヵ月に3kg減るかもしれませんし、読書を始められるかもしれません。

実際に私も、禁煙に成功したり、読書をする習慣に恵まれたり、色んな恩恵を受けています。

もともと脳は飽きやすいもの

東京大学大学院薬学系研究科の教授で、個人的にも脳や心の著者としてもよく著書を読ませていただいている池谷裕二先生によると、もともと脳は飽きっぽい、という性質があるそう。
脳の性質から考えると、三日坊主はむしろ当然のことというか、当たり前のようですね。

そして、三日坊主の脳の機能は「馴化(じゅんか)」と言います。

脳の「馴化」があなたの継続をストップする

さて、三日坊主の原因となるこの「馴化」ですが、一体どういうものなのか。

といっても、ややこしいことはなく、「慣れてしまう」ことです。
慣れてマンネリ化し、新鮮味がなくなる。
その結果、飽きる・続かない、ということになります。

逆に、継続・習慣化も、「馴化」です。
慣れて当たり前の行動として定着する。
これも馴化の効果なんですね。

つまり、馴化にはパワーバランスのようなものがあり、どっちに傾くか、で、継続できるか飽きてやめてしまうか、が決まるということ。

例えるならば、シーソーですね。

始めたばかりの時は飽きる・辞める方向への力が働いている。
それが、徐々に変化して、あるポイントで、習慣化・継続化の方向に傾き始める。

そうなれば、これまで習慣化を妨げていたはずの馴化が、習慣化の方向に今度は協力してくれるようになるんです。

図を添えるとこうなります。

初期段階

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この段階ではまだまだ飽きる方の馴化が働いています。
シーソーが三日坊主側に傾いている状態。

平衡状態

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初期段階を頑張って、ある程度続いてくると、平衡状態になります。
つまり、ここからどちらに力を加えるか、で、飽きるか習慣化できるかが決まる状態。

習慣化できた状態

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最後は、習慣化の方に馴化が働いてくれて、馴化を味方につけた状態。
この状態を目指す、ということになりますね。

では、この「馴化」をどう習慣化・継続の方向に向けていけばいいのでしょうか。

馴化の吸引力から逃れる方法

1.継続できる(せざるをえない)環境に身を置く

一番の方法は、「環境」です。

先に環境から作ってしまう。
例えば、先にお金を払ってしまってスクールに通う。

大々的にCMを打っているラ●ザップなどは、この「環境」の最たるものですね。
強制力を持つ環境に身を投じる。
また、コーチがいる、一緒に活動する友達・仲間がいるのも、色々な力が働いて、継続という点でも非常にいいと思います。

ビジネス書の読書の場合は、私の主催するビジネス読書会も同様です。
地方だろうとどこだろうとネットが繋がれば読書会に参加できますので、習慣化する環境を提案しています。

2.人の目効果を使う

2番目の方法は、人の目効果を使うことです。

1の環境と似ていますが、宣言をしてしまうこと。
そして、Facebookなどを使って周りの目を借りちゃう方法です。

これだと、辞めることがストレスになる、つまりあなたにとっての「痛み」になります。

もちろん、継続の意味では環境ほどのパワーはありませんが、それでも非常に有効な方法の一つです。

3.刺激を与え続ける

3つ目は、刺激を与え続けること。

一つの方法をずっと続けると、当然ながら馴化もすぐ追いかけてきます。

そこで、一段階大きなフレームを利用して、新しい刺激を与えてみることも、非常に有効です。

例えば、「食事制限をしよう」と思ったとしましょう。
でも、毎日食事制限をしていると、すぐに飽きてしまう。

その場合、フレームを「ダイエット」まで広げてみましょう。

ダイエットであれば、

・摂取カロリーを減らす
・消化にいいものを食べる
・代謝にいいものを食べる
・有酸素運動をして脂肪を燃やす
・筋トレで基礎代謝を上げる

など、色んな方法があります。

この中で、例えば「食事制限をしよう!」と踏みきっても、すぐに飽きてしまう。
そんな場合は、持ち回りで一つずつやってみる、というアプローチにしてみましょう。

・今日はビール飲まない。
・明日は夜ごはんを納豆・酢の物・麦ごはん・味噌汁にする。
・明後日は家族で散歩に行く。

そして1ヵ月続けてみると、その中からもうやらないと気持ち悪くなってしまうものが出てくると思います。

それはもう馴化の吸引力をひきはがし、習慣化のエリアに入ったということ。
そして、新しい習慣に対して今度は習慣化の方向へ馴化の吸引力が働くようになります。

まとめ

脳の機能「馴化」とうまく付き合って、三日坊主をなくす方法はいかがでしたでしょうか?

三日坊主は脳の機能的に当然起こりうることです。
だから、「私はなにやっても続かない・・・」というのは、ある意味当たり前なんです。

うまく馴化の力を利用して、ずる賢く脳をだましてあげましょう。
そして、馴化の力を味方にすれば、あなたの続けたいこと、習慣にしたいことは、きっとあなたのものになるはずですよ♪

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