著者:友松はじめ
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サバイブ210ページ

タイトルに引かれて手に取りました。

サバイブ『強くなければ、生き残れない』ってカッコいいなと感じて、
内容をペラペラ見てみると、マンガもあって読みやすく楽しそうだったこと、
生物から強さを学ぶ本なのだろうなと思ったので買って読むことにしました。

=目次=
01 負けない
02 あきらめない
03 争わない
04 見かけによらない
05 追いつけない
06 手段を選ばない
07 傷つかない
08 動じない
09 屈しない
10 計り知れない
11 狙われない
12 おさえきれない
13 動かない
14 型にはまらない
15 求めない
おまけ? ???

人間社会では、競争に負けても命まで取られることは、ほぼ無いでしょ。

でも、野生の社会では競争に負けることは、死につながります。
食べなきゃ死ぬし、食べられたら死ぬし、弱ければ仲間から殺される。
もうね、強く無ければ生き残れないのですよ。

本書は、生物の強さにフォーカスした本だと思います。
生物から、全部で15種類の強さを学び、人間社会のルールに縛られた強さへの考えに、新しい強さを教えてくれます。

「人間と動物はちがうから、こんな本を読んでも学ぶべきところは無い。」
「生物は長い時間をかけて進化して今の強さを手に入れたんだろう?」
「本から生物の強さを学んだところで都合良く身につけられる訳がないじゃないか。」
「生物学者でも無いのに、そもそもどうやって生き物から強さを学ぶのよ。」

などなど、本書を読んだことの無い人はそんな感想を持つと思う。
でも、それはちがう。

人間って、学んで成長する動物じゃないですか。
本書を読んで知ったのですが、生物からヒントをもらって、
火星探査のための機械や、砂漠で水を確保するための機械が開発されています。

2例ほどですが、本当はもっと多くの事例があると思われます。

まあ、これは大きな例ですけど、
私たち個人も本書を読むことで、疑似体験というか疑似進化ってできると思うんですよね。
本から知識を得て、アウトプットして自分のスキルにしてしまうような感じで。

私たちは生物学者ではないし、いちいち研究して生態を調べて学ぶような時間もありませんし、
そんなモチベーションもありませんが、本書を読んで『新しい強さ』を学んだらいいと思います。

強さは単純では無い

強さというと、筋力だったり、精神力だったり、武力・暴力・恐怖だったり、人によって思う強さはちがいますよね。
本書を読むと、自然界では、弱いことも、逃げることも、無視されることも、ダマすことも、生き残る強さになっていることが分かります。

生き残る=強い

私たちも、筋力で勝る人、知力で勝る人、財力で勝る人などに対して挑むとき(物騒ですが・・・)、
例えば、本書にも書いていましたが、弱者が強者に勝つためには、
『手段を選ばない』という選択と柔軟さは必要なのかもしれません。

手段を選ばないというと聞こえは悪いですが、
狡猾な詐欺や暴力、私たちの生活を脅かす相手に対しては、
警察や弁護士など専門家の力を躊躇無く使うという準備も大切だと。

例えば、
職場でのいじめ等を受けても、世間体が気になってそのまま弱者になってしまうケースありますよね。
でも強者だと思っていた人間が実際に矢面に立たされると全然たいしたことなかったなんてこともよくあること。

今は多様性の世の中だから、
強さは単一的じゃなく、総合力であってもいいんじゃない?と本書を読んで思いました。

チョウチンアンコウ・・・

ひとつだけ、これも生き残りのための強さなのか???
潔いというか、どこか不気味で気持ち悪い、と驚いた生物があったので少し紹介します。

それは、チョウチンアンコウのオスです。
メスのチョウチンアンコウの体長は40cm程なのに対して、オスはなんと体長2cm程。
チョウチンアンコウの特徴であるランプも持っていないので、エサをおびき寄せることもできません。

では、どうやって生きていくかというと、これが泣ける。
メスの体に噛みつくんですって。

そしてオスは、特殊な酵素を出してメスと同化してしまい、
脳も目も血管も臓器も退化して呼吸もしなくなり、
最期は精巣という産卵のためのメスの一器官としての役割になってしまうそうです。

けなげというか、なんか泣ける。

1匹の大きなチョウチンアンコウのメスには、オスが変化した精巣が何個もついているそうです。
13の動かない』に紹介されていたエピソードです。

生き残るための強さは、本書のなかで1番だと思いました。
マネはできませんが。泣ける。

このような驚きのエピソードがたくさん紹介されていますので、ぜひ読んで欲しいです。

まとめ

生物の、全部で15種類とよく分からない能力を1つ、楽しく学ぶことができました。
多様性の社会、どんな強さをこれから身につけていくか?どうこの生存競争を生き残っていくか?
考えさせられる1冊でした。

本書は、サバイブ第2弾を企画中らしく、2冊目の出版は本書の売れ行き次第なんだそうです。
私の書評で本書に興味を持ってくださったかはわかりませんが、買って読んでくれるとうれしいです。

そこまで無くても、本書の存在が多くの人に知られると思うので、
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サバイブ(SURVIVE)―強くなければ、生き残れない 麻生羽呂(著)/篠原かをり(著)

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