著者:岸本健太郎
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先日、元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏のコラムを読んでいました。

テーマは”生き抜く”読書術。

元記事はこちら
元グーグル日本法人社長の”生き抜く”読書術 – 東洋経済オンライン

もちろん、経歴はいわずもがなですが、読書に関して、本当にシンプルかつ本質的なことを言われていたので、ビジネス読書の観点から、ちょっとまとめてみたいと思います。

ポイントは3つ。

・効率が悪い人は曖昧なまま読んでいる
・頭の中に「書誌分類」を作る
・「生きていくうえで自分にはこれがある」と思えるもの

です。

「効率が悪い人は曖昧なまま読んでいる」

読書の効率が悪い人は、わからないものをボヤーっとした曖昧な理解のまま読んでいることが多い。
それで「○○という意見もある」なんて曖昧な表現をするから、白黒ハッキリしないままになって理解が進まないんです。

正直言うと、これが全てだと思います。

速読か多読か熟読か精読か、というのは、後の話しです。
手段の話しですから。

大切なことは「目的を明確にする」こと。
焦点を当てることです。

虫眼鏡で紙に火が付くのも同じ。
水で固い鉱物を削れるのも同じです。

同じエネルギー量でも、焦点を当てて絞ると、1か所に大きなエネルギーが集まります。

誤解を恐れずに言えば、スキルや経験があったとしても、ぼやけた人はぼやけた結果しか出ません。100冊読んでも同じです。
逆にスキルがなかろうと、焦点があった人はその焦点に対する結果を出します。

シンプルですが大切な原理原則ですね。

「フレーム・オブ・レファレンス」

2000冊くらい本を読むと、自分の頭の中に図書館の書誌分類のようなものができます。
私はこれを「フレーム・オブ・レファレンス(参照枠組み)」と言っています。

この内容も、すごく共感できる人が多いと思います。

「書誌分類」とは、端的に言うと、「自分なりの頭の中の本棚と、カテゴリ分け」のこと。

大量に本を読む経験を積んでいると、いつの間にか、
「あ、この本はだいたいこの辺の話しをしてるな」
みたいな、頭の中にマトリクスのようなものがパッと浮かびます。

ビジスタでも、体験入会後すぐに、
「書籍リサーチ力」というものを提供していますが、
こちらでも、本質的には同じことをお伝えしています。

この状態になれると、

・自分がリスト化している本を眺めるだけでアイデアが浮かぶ
・目次とパラパラ程度で、この本を買うべきかわかる
・本の内容を理解する能力が飛躍的にアップする

など、色んなメリットがあります。

これは、目的を決めて本を読む経験を積むことで磨かれるスキルであり、
本当に役立ちます。

「生きていくうえで自分にはこれがある」と思えるもの

「僕はこのテーマで生きているんですよ」というものがあれば、出世競争から外れても動じないようになると思います。

主に若い人に向けた言葉と書かれていますが、最近流行りの「自分軸」と根本的には同じですね。

別にどのテーマがいい、ということではありませんが、本当の本当に「私はこのテーマ!」と思っている人には、立場や肩書きのバイアスを抜きにしても、なんとも言えない「凄み」があります。

で、その価値観を固めていく上で、本というのは非常に役立つツールの一つです。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」

若い人だけではなく、私たちも心がけたいことですね。


あ、村上さんのオススメ本は、マンキューの経済学だそうです。

ガッツリ読んだことはないので、腰を据えて熟読してみようかな、と思っています。
もちろん、「焦点を当てて」。

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