著者:友松はじめ
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「すぐやる人」になれば仕事はすべてうまくいく

「すぐやる人」になれば仕事はすべてうまくいく

博多駅ビルのMARUZENの今月の新刊コーナーで購入。
いろんな新刊がありましたが、この本だけあと残り2冊でした。
 
 
 
 
 
- 目次 -
はじめに:仕事で大事な三つの指針
プロローグ:「すぐやる人」のすぐやる理由
第一章:すぐやる人の「すぐやるコツ」
第二章:すぐやる人の「仕事のルール」
第三章:すぐやる人の「仕事の工夫」
第四章:すぐやる人の「タイムマネジメント」
第五章:すぐやる人の「ちょっとした習慣」

■読む前の予想

「すぐやる人」になれれば仕事はすべてうまくいくというタイトル。

すぐやる!
すぐやれる!

という本はいっぱいありますが、この本もその中の1冊なのかと。
しかし、本の減り方が他の新刊と違いましたので気になって手に取りました。

▼別の平置きのコーナーにも、別の著者の「すぐやる」のキーワードが入った本がありましたし、こういう本が売れるってことは、すぐやれないことに悩みを持つ人が多いことなのでしょう。
私もやりたくない仕事は後回し、先送りにしてしまうことがよくありますので、「すぐやる人」になれればいいなと思って購入

▼本書は、新刊と普通の和書の中間くらいのサイズで黄色ベースに黒文字という、なんともシンプルなデザイン。そんなデザインが逆に目を引きました。

■気になるポイント3つ

著者は故人でした。2013年に亡くなっておられます。
本書は2002年12月に出版されたものを再編集したもので、著者は、経理・財務一筋38年。会計の神様と言われた方が書いた仕事術です。

著者の仕事の指針は3つ。
①正確
②迅速
③誠実

▼この3つの指針が本書を構成するベースにもなっています。
正確・迅速・誠実・・・・・。

ハッキリ言いますけど、聞き飽きた感のある、当たり前すぎる、おもしろくもなんともない3つのキーワードが並びます。

▼軽い人が言うと、「お前、ほんとにそう思ってんのか?」
と、言いたくもなりますが、著者は経理・財務一筋38年。会計の神様と言われた方、つまり、サラリーマンとして勤め上げて成功した方(語弊があったらすみません。)が、仕事のやり方の結論として教えてくれる、正確・迅速・誠実には、重みを感じずにはいれません。

▼しかし、著者は故人。本との出会いは著者との出会いです。せっかく出会ったのに、もうこの世にいらっしゃらないことに少しショックを感じてしまいました。

①正確

仕事を正確に行うということは、ミスの無い仕事を行うということ。ただどんな人でもミスはします。
また、どんなに大丈夫と思ってもミスしてしまうことがあります。
ミスしないために何をするか。ミスしてしまったときに何をするか。こういったことは仕事をする方すべてに言えることなんですが、先人の知恵を学ぶという意味でも、著者がどのように正確な仕事を行ってきたかを読み学ぶのもよいかと思います。

②迅速

仕事を迅速にすすめるための方法。
すぐやりたくないと思える仕事は、なぜすぐやりたくないのか、を取り掛かるまえに、その理由をリストアップしてつぶしておく。または、楽しいと思える工夫をする。取り掛かれるところからやってみる。仕事が成功するか失敗するかは、事前の準備が大切ではあるわけです。

それに、みんな失敗しようとと思って仕事をしているわけではないのですが、どうしても失敗をおそれるあまり仕事に取り掛かれないということがあります。そういうときには、本書に書いてある内容をやってみる。そしてあとは運を天にまかせましょう。と書いてあります。

経理・財務というとどうしても、遊びが無い、堅物、融通がきかないなど勝手なイメージを持つのですが、著者の仕事の取り組みを読んでいると、もちろんそういう面もあるんですが、すごく遊びや余裕もあります。
というか、仕事内容がハードなだけに、無理やりにでもそういう工夫をやらなければやっていけない状況でもあったのかな。と感じました。

③誠実

敵を作らず、多くの仲間を得ながら仕事をするために誠実さが必要。ということは私でもわかることが書かれています。(もちろん、分かると出来るは違います。)
それから、経営者・上司からの理不尽で不道徳的な指示な企業での行いには、誠実さで回避する方法が書いてありました。仕事はすべて誠実に行おうとしても、行えないときもある。経営者や上司から、どう考えても理不尽であり、取引先や競合企業を傷つけると予想される指示を受けるときがある。そういうときの対処法は、読んでいて一つの仕事に38年取り組んできた仕事人の重みを感じました。数行だけの文章なんですけどね。

■まとめ

経理・財務一筋38年。聞いただけで途方に暮れてしまいます。
読んでいて、厳しい仕事だったんだろうな、家族も多少は犠牲にしてきたんだろうな。というのが伺えます。
しかし、ひとつひとつの仕事を逃げないで取り組んで、その中で作ってきた仕事術は、私たちの日々の仕事に役立たないわけがありません。

▼経理・財務という、遊びや余裕の無い職種(私がそう思っているだけかもしれませんが)の中で作ってきた著者の仕事術は、長く仕事を続ける上で一読、いや何度でも読んで、心にしみこませていくのが、この本の正しい読み方なんじゃないかと思います。

▼読み進めれば、正確・迅速・誠実な内容に、当たり前の事が書いてあると感じる方もいるかもしれません。
しかし、なぜ当たり前、もう知っている、と思える内容があえて書かれているのか?
それはつまり、それが「すぐやる人」の極意・真理・答えだからか?というのが読了後の感想です。

「すぐやる人」になるためのお手軽なハウツーを期待する方には正直向かないと思いますが、

日本のサラリーマン
最強の勤め人

の姿勢は十分に学べると私は思います。
ほんと、当たり前、知ってる、など思わず素直な気持ちで読み進めてほしい一冊です。

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