著者:岸本健太郎
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本を読む本とともに、非常に有名な読書本である、「読書について」。
時に辛辣な書き方で、読書について語られている一冊です。

「多読はするな」とか、「読書は自分ではなく他人の頭で考える事」とか、「大衆に大受けする本には手を出すな」など、色々な指摘が書かれています。

いずれも、この言葉通りに受け取るべきものではなく、その裏に意図があるものですが、なかなか刺激的ですよね。

この、ショーペンハウエルの「読書について」の中に、特に私がピックアップしたい言葉がいくつかあります。

今回は、その中の一つ、

私たちが本を読む場合、もっとも大切なのは、読まずにすますコツだ。

について考えてみたいと思います。

成果を挙げる読書家とただ本を読むだけの読書家の違い

読書には非常に価値があります。
これはみなさん、釈迦に説法ですよね。

しかし、読書をしている人の中でも、成果を挙げる人とそうでない人がいます。

この両者の間の壁は何か?というと、答えは単純。

・考察や仮説の有無
・本の読み方の違い
・アウトプットレベルの差

です。

ただ本の冊数を読めばいい、ということはありません。
ダラダラと大量に読むだけなら、その時間をスポーツにでも費やした方がよほど価値があるでしょう。

また、読み方にも大きな差があります。

それは、「すべての本を1ページから最終ページまで全部読むわけではない」ということ。

世界中の全てのワインを味わうことができないのと同じように、生きている間にすべての本の1ページ目から最終ページまでを全部読むことなど、到底不可能です。

仮にできたとしても、その8割以上が時間の浪費でしょう。

成果を挙げる・結果を出す、ということは、そのための行動に時間を費やしているということです。

逆に、読書と結果が結びつかない方は、無駄に本を読んでいる、とも言えます。

こういった大きな差が、成果の有無となって表れています。

つまり、

・今の自分にとって必要ない本は読まない
・重要度の高い必要な本を読む

ということが、非常に大切な要素ということになります。

読まずにすますコツとは?

ビジネス書の発行数は、正確な数字は不明ですが、年間5000冊とも、それ以上とも言われています。
平均すると1日に15冊ぐらい出るわけですね。

つまり、私たちは、相当な数の本に囲まれて生活しているわけです。

そして、部数を伸ばすために、タイトルや装丁を工夫したりされています。

その結果、実際には今の自分に必要ない本に対しても時間を使ってしまう、ということが起こります。

これを避けるためには、「今の自分にとって必要な本なのかどうか」を判断することが大切。

「今は必要ない!」と判断したら、即読むのを止める。
これで、時間の浪費を避け、本当に重要な本に時間を使うことができるようになります。

では、どのように判断するのか?

それは、

・ゴール設定
・目次
・著者
・パラパラめくり

のようなステップを、本を読み始める時に行うこと。
これだけです。

1ページ目から読んでいくのではなく、最初に読む目的を設定し、その目的に沿うのかどうか、を判断するために、目次や著者、簡単にめくってみる。

その結果、今は必要ないならば、その時点で読むのを止めるべきなのです。

逆に、今の自分に必要なら、読み進めてみてもいい、ということです。

このステップは、30分読書法でもお伝えしていますので、ぜひ無料でご請求ください。

まとめ

「読書について」は、ストレートな表現で、非常に示唆に富んだことを教えてくれる名著です。

言葉の通り受け取ると誤解が生じてしまう本ですが、それこそ、「考えを巡らせ、著者と対話しながら、思考する読書」をさせてくれる本。
なので、まだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてください。

時間は有限です。
仕事をしていれば、やらなければいけない業務もあるでしょう。

読書に対して、無駄に費やす時間と言うのは、極力避けなければなりません。
(趣味の読書や、あえて知らない領域の本を読む、というのは無駄ではありませんのであしからず。)

ということは、「本を読まずにすます」スキルを身に付けることは、何よりも重要なのではないでしょうか。

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