脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 / 樺沢 紫苑(著)
精神科医であり、
著者自身がまるで神がかったような仕事量を日々こなしている実際の時間術を構想10年、
執筆2年を費やして完成させた渾身の1冊。
自分で自由にスケジュールを組んで仕事をするようになり、
タイムマネジメントをしっかりしなければと思っていたので手に取りました。
読んでみて、実践的なのに、今まで読んだタイムマネジメントのどの本とも似ていない本だという感想を持ちました。
理由としては、著者が精神科医であり、脳の専門家でもあること。
そして、医師としての仕事以外のビジネスも行っていること。
そのあたりのご経歴が関係しているように思いました。
医師の仕事の視点ではなく、クリエイティブな仕事の視点から書いてくださっているので、読み終わってすぐに取り入れることができます。
また、どのタイムマネジメントの本とも似ていないと言いましたが、単に整理整頓しようとか、
電話に出るな、メールの返信はすぐ返せとか、そんな内容ではなく、脳の働きに合わせた仕事の種類の割り振り方、
朝、昼、夜での仕事のパフォーマンスの上げ方が書かれていることが、他と違う内容を際立たせています。
時間は平等に24時間ではない。
時間だけは、すべての人に平等だと言いますが、それは無いですね。
分かっている人は、24時間を48時間にしている人も実際にはいる。
もちろん、24時間は、だれでも平等ですよ。
でも、仕事の効率でいうと、同じ24時間でも、
8時間分しかできない人もいるし、48時間分の仕事ができる人もいる。
この本は、時間管理術の本ですが、人間の脳の機能を最大限高めた状態、
最も仕事の効率があげられる状態を維持、もし落ちてきたら、リセットしてピーク近くまでもとに戻す。
という方法と教えてくれます。
朝と昼と夜は効率が違う
朝と昼と夜では、仕事の効率が違うそうです。
朝から夜にかけて、どんどん集中力が落ちていきます。
本書では、昼の1時間は夜の4時間に相当するそうです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、考えないといけない仕事を夜に持ってくると、本当に時間がかかります。
私も自由に仕事の時間を選べるようになってはじめて実感しました。サラリーマンの時は恥ずかしいですが分かりませんでした。
今はできるだけ、クリエイティブな仕事を前半に、作業的な仕事は後半にこなすようにしています。まだまだ難しいですが・・・。
1日の中で午前中がもっとも効率がよく、難しい仕事をこなせる時間帯であるのに、
通勤時間やメールチェック、打ち合わせに充てている。
もったいないですよね。
1日に、考えたり、判断したりするためのエネルギーは、決まっているように思います。
できるだけ、そのエネルギーを節約して、本当に大事な仕事に充てていきたいです。
とは言ったものの・・・
仕事の内容によっては、午後、夜、に込み入った仕事をしなければならない時の方が多い場合もあると思います。
そんな時はどうするか?
午前中のパフォーマンスを100とした場合、100には戻せないけど、90くらいまで戻せる方法も紹介されています。
この方法があれば午後、そして夜でも、効率の良い仕事ができます。
もしかしたら、夜までやっていた仕事が、6時には終われるかもしれません。
午後のリセット法
今すぐにでも実行したいリセット法は、いろいろ紹介されていますが、仮眠とマインドフルネスの2つ。
仮眠、昼寝です。
昼寝というと、聞こえが悪いですが、20分くらいの昼寝で、
午前中のパフォーマンスが手に入ると思えば、ぜひ取り入れたいところです。
20分くらいの時間はすぐに取り戻せるはずです。
そして、仮眠ができない場合ま、マインドフルネスを利用できます。
「最高の休息法」という本の中で紹介されているマインドフルネス呼吸法も紹介されています。
これは、寝るわけではなく、瞑想に近い方法で数分から10分の時間で、脳がリセットさせるという非常に気軽な方法です。
方法も簡単ですので、「最高の休息法」を読んでみてください。
読むのが面倒と言う方は、最近DVDも出ましたので是非ご一読を。
書籍代、本を読む時間も取り返せますよ。
まとめ
時間管理を真剣に考えている最中で、実際取り組んでいたのですが、
同じ1時間なのに、密度の濃い1時間と、薄い1時間があることに気がついていました。
それが、午前中と午後で脳の働きが違っていることから起こる現象だろうとも気づいていました。
そこで私がとった対策は、本書にも書いていた、重要な仕事は午前中にするということでした。
しかし、すべてそういう風に仕事の割り振りができるわけではないし、深夜まで仕事をする場合もありました。
そこで、どうしたら午前中のようなパフォーマンスが出せるのか?
ここが分かりませんでした。
しかし、本書を読んで、疑問が解決しました。
午前中、午後、夜、で仕事の内容を割り振る。
よりたくさんの仕事をこなすために、脳のパフォーマンスをリセットする方法を午後に実行する。
今この書評を書いている時間は夜なのですが、この書評を書く前に本書に書いているように、1時間程、運動をしました。
そうすると、頭の中がスッキリとして、短い時間で書くことができました。
時間単位の仕事の質をあげたい人はぜひ本書をオススメします。
夜まで仕事をしていた人も、もしかしたら、夜仕事をしなくても良くなるかもしれませんよ。