著者:岸本健太郎
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choosespeed

「速読」と言っても、様々な方法があります。

目の動きを鍛える、複数行同時に読む、右脳的に読む。
これらはいずれも、方法論が異なりますが、「速読」というカテゴリに入るものですね。

なので、単に速読と言ったところで、すべてをひとくくりにして説明することはできないのですが、今回は、いわゆる「速く読む=1分間に何語読めたか」という前提で、ちょっと面白い研究結果をご紹介します。

なお、速読を否定するものではありませんので、あくまでも一つの判断基準としていただければ嬉しいです。

速度が上がれば上がるほど理解度が低下する

実は、二人の心理学者によると、

「一般的に速度が上がるほど理解度はそれに反比例して低下する」

という研究結果が出ています。

二人というのは、

カナダ・ビクトリア大学のマイケル・マーソン教授と、カリフォルニア大学サンディエゴ校のキース・レイナー教授。

マーソン教授の実験はこのようなもの。

被験者を、

・通常スピード群(1分間に約240語)
・スキミング(流し読み)群(1分間に600語)
・エベリン・ウッド講座を受けて1分間に700語を速読する群

の3つに分けて、その後に理解度を調べる実験。被験者はテレビモニターに映された文章を読んだ。

その結果、

スキミング群と速読群の被験者の成績が通常群よりかなり悪かった。とりわけ、具体的な事柄や技術的な事柄を尋ねる質問での成績が悪かった。

とのこと。

レイナー教授の実験では、

40人の大学生に通常のペースで文章を読んでもらい、次に読み返しができない方法で読んでもらった。最初の試験では、被験者の正答率は75%だったが、読み返しができない方法で読んだあとの試験ではたったの50%にとどまった。

となっています。

これらの結果が示すもの。

それは、「速さと理解は必ずしも一致しない」ということです。

速読が人気なのは、

・時間がない

・効率的に理解して実践して身に付けたい

というため。
そう考えると、ただ速度を上げればいい、というわけではない、ということになりますね。

速読のスキルを考える時は、そのあたりも考慮に入れていただければ、よりナイスな選択ができるはずです。

著名人の速読は「速く読む」の意味が違う

成功者と呼ばれる方たちや、著名人の言う「速読」というのは、文字通り大量の量稽古をしてきた積み重ねの集積です。

彼らは当然のように本を読み、血肉にするために読み方を工夫し、ということをしてきた人たちなので、色んな意味で「速く読める」わけですね。

つまり、少し速読に含まれる意味合いが違うのです。

そこを踏まえておくと、よりあなたにあった速読法を選ぶことができると思いますよ!

補足

え、あんたも速読教えてるんじゃないの?と思われたかもしれませんが、私たちがお伝えしているのは、速く読むことに主眼を置いた速読ではありません。

もちろん、読むスピードを上げられるに越したことはないと思いますが、それには訓練が必要。
訓練してる間にビジネス読書に飽きてしまったら元も子もありません。

なので、速読とは少しイメージが異なります。
「楽しく効率よくアウトプットとインプットを行う」ための読書法です。

言葉にするとわかりづらい?
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参照:
米国で速読ブームが再燃-読書アプリも続々誕生
速読の真実:なぜ速く読めるのか、理解度に影響はあるか、オススメのアプリは…など

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