五〇歳からの勉強法 / 和田秀樹(著)
五〇歳からの勉強法 / 和田秀樹(著)
■読む前の予想
年齢が40代になって年齢を体で感じるようになることって多いのかもしれません。
幸い、いろんな本を読んだおかげで、脳に老いが無いことが分かってしまった。
そして、老いは気持ちからくるものだと分かってしまったので、そう気にするテーマでもないのだけれど、世間的にはオジさんですし、私の年齢で転職活動なんてどこも採用してくれませんしね。
ということで、本書を見た時に、そんなことをいろいろと考えて、どんなふうに50代以降の人生を歩んでいったらいいのか?の参考のため読むことにしました。
- 目次 -
はじめに
第一章:なぜいま、五〇歳からの勉強法が必要か?
第二章:五〇歳からの勉強の障壁
第三章:五〇歳からの勉強、何をどのように学ぶか?
第四章:五〇歳からは、インプットよりアウトプット
第五章:勉強が老後を豊かにする
あとがき
■気になるポイント3つ
本書を読んで気になったポイントはこの3つです。
・AIに取って代われない仕事
・寿命と健康寿命
・前頭葉
AIの事は外せないし、人生の折り返し地点を過ぎている年代として寿命のことも外せない。
そして、感情をつかさどる前頭葉についても外せません。
AIに取って代われない仕事
人生50歳ともなると、誰にも負けない技術を持っている人も多いことと思います。
しかし、その技術、もしかしたらAIに取って代わられる技術かもしれません。
あの難関の資格、公認会計士でさえ、今後10年でAIに取って代わられると言われています。
もしかしたら、もっと早いかもしれません。
工場のラインの仕事はずいぶん前に、ロボットに代わってしまいました。
身近なところでは、スーパーのレジも。
アメリカでは簡単な弁護士の仕事を、香港では経営者をAIが担っていると書いていました。
日本でも医療の現場でAIによって提案された治療法で命が救われた事例がでてきています。
当面、AIに勝てる仕事とは?
というわけで、わたしたちに必要なのは、まずAIにはできない仕事は何かを考えることである。知識はダメだ。知識では、とうていAIに勝てない。
はい。勝てません。
さっきの医療の話ですが、人命を救ったAIは、20,000件以上の医学論文がインプットされていたそうです。それだけ聞いても、知識で対抗しようにも、人間にはとてもじゃないけど無理です。
これから求められるのは、知識より思想だ。
いずれ、AIの技術的特異点(シンギュラリティ)がきて、思想でもAIに勝てなくなるかもしれないが・・・と本書でも書かれていますが・・・
答えを出すのではなく、問いをつくる。
答えがないから試しにやってみる。
いろいろな答えを出す。人の心理も包括した答えをだす。
これなら、しばらくの間はAIに勝てるだろうと書かれていました。
50歳からがテーマだけど、若い人にも意識しておいてほしいことかもしれないですよね。
平均寿命と健康寿命
平均寿命は延びました。でもね、自分では動けない。意欲が無いというのは長生きしていてもつらくはないだろうかと思うわけです。それよりも体が動く健康寿命を意識すべきではないかと。
長野県が少し前に長寿日本一になった話が書かれていましたが、昔長野県が長寿県になったときの理由とまったく異なるそうです。昔は運動や食事の内容が理由に挙げられていましたが、最近の理由はそうじゃなかったそう。
歩くことが長寿にいい、という仮説はそろそろ疑うころだ。運動が脳の刺激になるというが、だったら勉強のほうが直接的に脳の刺激になるはずだ。
ごもっともです。
維持すべきは、運動機能ではなて、アクティビティだということだ。
勉強を続けて、様々なことに興味を持ち続け、活動的であるといつまでも元気なのですね。
50代はまだまだそれに、稼ぐことができますし、平均寿命と健康寿命の差を縮めていく努力が必要になってきます。そしたら70代になろうと、もしかしたらバリバリ稼いでいるかもしれませんよ。
前頭葉
これ重要ですよ。
前頭葉は感情をつかさどる脳の部位です。
頭の前の部分ですね。
最近、キレる老人が何かと話題ですが、これは前頭葉が老化したからだと言われています。
前頭葉が老化したため、感情のコントロールがうまくいかなくなってしまったから、すぐキレるんですよ。
前頭葉が老化すると、意欲が無くなります。
老化にともなって、体の運動機能は低下します。
それは仕方がないことですが、脳の言語能力は60代だろうと、70代だろうと変わらないか、鍛え方によっては向上していくことが本書に紹介されている資料にも書かれています。
脳は老化しない唯一の器官だといろんな本を読んで知っていましたが、ここにも書かれていました。
ただし、脳に刺激を与え続けたらの話ですよ。
一生勉強です。
恋愛が、前頭葉への刺激にすごくいいって書かれていましたけど、これは、まぁ、分かるけどね。(汗)
■まとめ
50歳は、人生のレースの勝敗が見えてくるころと感じている方も多いと思います。
しかし、もしそれだけのために生きてきたとしたら不幸じゃない?って本書では言っています。
だって、まだまだ20年近く、人によっては30年も生きていくことになります。
人生は長いです。
今が順調だと、遥か先のことなんてなかなか考えられないとは思います。
若さもこのままずっと続くと思っているかもしれません。
年金払ってない人が多いのもすごいなと思います。必要最低限の人生設計の一つなのに。
人は必ず老いていきます。でも、勉強さえ欠かさなければ何かしら人に必要とされることもあるはずです。
今やっていることをもっと伸ばすか、興味のあることに思い切って挑戦してみるか、とかやれることはいっぱいあるはずです。
私もたくさんではないですが、あります。
50代でも60代でも、そして70代でも活躍できる人間を目指したいですね。
ぜひ50代になっていない人は、本書を読んでいただいて50代を迎える準備をしてほしいと思います。