著者:友松はじめ
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ずるい勉強法

ずるい勉強法 / 佐藤大和(著)

■読む前の予想

好きな著者が新刊を出したのを知って、その本を買いに博多駅の丸善に行ったんです。
当然新刊ですから、新刊コーナーで目的の本を手に取って帰ろうと思った時に、新刊コーナーのしゃがまないと見えない場所にこの本が置かれていました。
「ずるい」というキーワードが気になってしまって、この本も一緒に買ってしまいました。

- 目次 -
序章:一生しなくてはならない勉強だからラクしたい!
第1章:勉強するなら「暗記」が一番の近道である
第2章:10年で得られる成功ノウハウを1分で得る技術
第3章:自分で答えを出さずに人から得た知識で成果を出す
第4章:努力しなくても続けられる、やる気がみなぎる方法
第5章:圧倒的に作業を短縮する時間術

■気になるポイント3つ

今回の本の気になるポイントはこの3つです。
・試験とは学びを試される場、真似るを披露する場
・エビングハウスの忘却曲線の具体的な利用方法
・暗記の最大の目的は「答えを思い出すこと」

試験とは学びを試される場、真似るを披露する場

私も含め、多くの方が、勉強は理解することで、暗記、つめこみではない。という考えを持っています。
しかし、本書では冒頭から

試験は、先人たちの知識や経験をいかに真似して、それを披露できるかが問われている場です。
つまり、真似したことを覚えてきているか、思い出せるかが結果を左右します。

と書かれています。試験で求められることは、どれだけのことを覚えられて、そしてそれを試験中に思い出せるかだけなんですね。
そうじゃないと言われる人もいるかもしれませんが、著者の経歴が、この発言に説得力を与えてくれます。

高校時代は偏差値30、二浪の後、地方の国立大学に合格、在学中に超難関国家試験の司法試験に一発合格。高校時代にこの勉強法を作って大学に合格したんだろうなと想像がつきます。
そんな著者が教えてくれる勉強法ですから、今伸び悩んでいる学生の方、資格試験勉強中の社会人の方は、いったん勉強の手を止めて、本書を読んでみると良いと思います。

エビングハウスの忘却曲線の具体的な利用方法

エビングハウスの忘却曲線をご存知でしょうか?

人間は覚えたことを20分後に42%1時間後には56%忘れ、さらに1日後には74%も忘れてしまうという脳科学の実験データです。人間である限り、どんなに一生懸命覚えたことも、時間の経過とともに忘却してしまうのです。

忘れることは仕方がないので、

忘れる量よ覚える量を増やせばいい


忘れてしまった量がまだ少ないうちに、もう一度同じ勉強を短い時間で繰り返すのです。

繰り返すほど思い出す時間は短くなるそうなので、エビングハウスの忘却曲線に合わせた記憶の引き出しタイミングで短期記憶から長期記憶に変換していくといいようです。
エビングハウスの忘却曲線を取り上げた本をいくつか読みましたが具体的利用法を書いた本はこの本が初めてでした。

暗記の最大の目的は「答えを思い出すこと」

人は忘れているんじゃなくて、覚えたことを思い出せないだけ。という話を聞いたことがあります。
一度見ただけで詳細な描写ができる人、サバン症候群という障害がある人でそんな人がいますが、何か思い出すキッカケがあれば普通に覚えたことを思い出すことは可能なんじゃないかと思うんです。
テストでは覚えたことをどれだけ思い出せるかが勝敗を左右すると本書に書かれています。
ということは、覚えたことを思い出す訓練をする必要があるわけですが、本書にそのトレーニング方法もかかれていますよ。
こういう内容はすべてビジネス読書でも使える内容で、私的にとても興味を持って読むことができました。

■まとめ

私はもともと学生時代はオール3という可もなく不可もなくという成績で勉強は得意ではなく、勉強することはしていましたし、学習時間もそれなりに費やしていましたが、すべて平均点レベルでした。勉強はしても、勉強の仕方、つまり勉強法について、まったく疑問を持つことはありませんでした。教科書を読み、参考書を読んでテスト範囲を理解する努力をして、問題集を説いてから答え合わせをして、暗記ものは紙に何度も書いて覚える。というよくある、そこには何の工夫も無い勉強のやりたかをしていました。

小学生時代に、場所法を使った記憶術の本を読んで、レクレーションの時間にみんなに披露して遊んでいたにも関わらず、それが勉強法として応用が利くことだったなんて、そんな発想も考えもないという、今から考えると歯がゆさで眠れなくなりそうになります。

そんな昔話は横において、
昔受講したことがある速読のセミナーの同期の人から最近連絡をもらったのですが、その人は、速読のセミナーを受講した後、税理士や司法書士の試験に合格したと話していました。
速読のスキルを使って勉強したんだすごいな。と感動していると、習った速読の方法は全然使ってなくて、普通に勉強して合格したそうです。
根掘り葉掘り聞いてみると、もともと頭が良かったそうです。そんなに努力をしなくてもたくさんの事が記憶でき、偏差値も70だったそうです。

そういえば、もう一人、仕事上で知り合ったある女性も、慶応大学に現役で合格していて、同じように聞いてみると、たまたま中学・高校時代、なぜか記憶力だけは自分でも驚くくらい抜群に良かったそうです。
その理由は分からないそうですが。それで別に努力したわけじゃないけど、ずっと成績は良かったそうです。当時のような記憶力は今は無い。とおっしゃっていました。

なんの本で知ったかはもう忘れてしまいましたが、人間は一時期の間、生命を維持するために記憶力が抜群によくなる時期があるそうです。
通常は、乳幼児がその時期らしく、生きるために必要な情報をその時に覚えていき、だんだんと普通の記憶力になっていくと。
しかし、稀に、その異常な記憶力が、中学、高校等の学生時代に発揮される場合もあるらしく、そんなに勉強をしていなかったり、授業を聞くだけなのにテストの成績が常にトップ。という現象が起きる場合があると書かれていました。

今ご紹介したお二人がそれにあたるとは、もちろん言えませんが、記憶力に関しては悔しいですが、絶対に個人差があると私は考えています。
ですので、そういうナチュラルに頭のいい人たちに打ち勝つためには、本書のような本で勉強法を工夫する必要があるんですよね。

読書スピードだってそうですよ。
速読のテクニックなんて一切使わずに猛烈なスピードで読んで理解する人はいっぱいいます。
そういう頭の持ち主に出会うと正直すごいなと思う反面、本人はいたって普通にやっていることなので、ノウハウ化されておらず、参考にできないのでゲンナリします。(汗)
ただ、読書だって、「ずるい読み方」をすれば、ナチュラルに早い人を追い越すことが可能です。

勉強法だって、ずるい方法を使えば本書の副題

エリートを出し抜くたった1つの方法

出し抜けるということですね。
なぜこんなこともできないのか?なぜこんなことも分からないのか?と凡人は常に自分の能力の限界に怒りを抱えています。だからこそ、今の方法に疑問を持ち、何かいい方法は無いかって行動するんですよね。
いい時代になりました。
こんなスゴイ本が出版されるようになったんですからね。

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