著者:友松はじめ
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ワークショップ入門 堀公俊著
タイトルどおり、ワークショップとはなにか?ワークショップを開催するためにはどんな準備が必要か、どんなスキルが必要なのか、この本以外にどんな本を読んで学んだらいいのかが詳しく書かれた、タイトルどおりの本です。

ワークショップとは?-引用ここから-
ワークショップは、学びや創造、問題解決やトレーニングの手法である。 参加者が自発的に作業や発言をおこなえる環境が整った場において、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者全員が体験するものとして運営される形態がポピュラーとなっている。 会場は公共ホールや、スタジオ、美術館やカルチャースクール、ビルの1室、学校の教室を利用するなど様々。
ワークショップ – Wikipedia
-引用ここまで-

新しい会議のスタイル

何かを学ぶっていうと、今までは、講師と受講生がいて、教壇と席に分かれて一方的に講師の話を聞く、一方通行型の学びのスタイル。

ワークショップは、参加者と進行役がいて、参加者同士の対話から学ぶスタイル。
著者は、ワークショップのことを「創発性」と言っています。
創発とは、参加・体験・協調・創造・学習・参加によって「予想できない成果」生み出すことを言います。

ワークショップに必要な3つのスキル

ワークショップは、ただみんなが集まってワイワイガヤガヤ学ぶということではなく、ワークショップを行うために必要なスキルが3つあります。

①チーム
②プログラム
③ファシリテーター

①チーム
どんな人に参加してもらい、どんな場所で行うか
どんなコンセプトのワークショップにするか
場をどんなふうに仕立てるかなど

②プログラム
どんな進行をしていくのか
ワークショップのプログラムを作る

③ファシリテーター
コンセプトにそった結果を出すための人と場の舵取り役
ファシリテーターって進行役、司会者みたいなもんでしょ?といってしまえばそれまでですが、通常私たちがイメージしている司会者とファシリテーターは、役割とかスキルが違うようです。
ファシリテーターが使うスキルは、先導・保持・介入・終息の4つ。
各スキルの内容を知ると、どれも欠かせないスキルだということが分かります。

以上、この3つが、ワークショップを行うために必要なスキルになります。
本書は、この3つのスキルを章ごとに詳しく解説しています。

ワークショップのためのファシリテーションスキル

本書で私が特に知りたいと思ったのが、5章のファシリテーションスキルです。
ファシリテーションをするのがファシリテーターです。
そして必要なスキルがコレ

・先導
・保持
・介入
・終息

私も整理したいので簡単にまとめます。

・先導
そのワークショップの進行のわかりやすい説明と、参加者同士のアイスブレイクを行う。

-アイスブレイク 引用ここから-
アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法。 集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、そこに集まった目的の達成に積極的に関わってもらえるよう働きかける技術を指す。 アイスブレイクは自己紹介をしたり、簡単なゲームをしたりすることが多く、いくつかのワークやゲームの活動時間全体を指すこともある。
アイスブレイク – Wikipedia
-アイスブレイク 引用ここまで-

・保持
自由な雰囲気の中にもファシリテーターは手綱をしっかりともって、参加者を励まし盛り上げる。
適度な秩序をファシリテーターが維持してコントロールする。

・介入
変な方向に行き始めたとき、よりよくなるための手助け、入るべきときに入る。それが介入。
ちょっと物騒な響きはあるけれど。

・終息
ワークショップのまとめ、振り返り、アウトプットですね。

まとめ

従来のセミナーは、一方通行の、講師から教えを請うもの。という感じでしたが、もうこれは古いスタイルだといえると思います。

先日も、ある方のセミナーに参加しましたが、もう少しこうすればいいのにな。という場面が目につきました。
その人には、ワークショップやファシリテーションの知識が無いんだろうなと。
本書のような本格的なワークショップを行わなくても、使えそうな要素を抽出して、会社での会議や、何かの集まりで使ってみるというのもいいと思います。

ファシリテーションを学び、ワークショップ形式のセミナーを行うことで、参加者の学習効果も高まるんじゃないかな。

本書はワークショップの入門ということですが、この本の情報を基本として、様々な関連書を読んで知識を厚くしていくだけで吸収が早くなるように思いました。
巻末の参考文献もぜひ読みたい本です。

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