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子供時代の読書って、はたしてどれぐらい人生に影響を与えるのでしょうか?

私自身は、子供の時にさほど本を読んだ記憶はないのですが、
読み聞かせはしてもらっていた記憶があります。

そこで、ちょっと子供と読書の関係について調べてみました。

子どものころに読書活動が多い大人ほど、未来志向や社会性などの意識や能力が高い傾向がある、という調査結果があります。
国立青少年教育振興機構の調査です。

調査の前提

20~60代の5,258人を対象にした成人
中学2年生10,227人と高校2年生10,941人
を対象としています。

また、ここでいう「子供」とは、就学前~高校までの少し幅広い層を対象としています。
この「子供」時代の読書習慣や体験が、青年・成人になってからどういった影響を与えているのか。
それが調査の趣旨です。

調査の結果は、お察しの通りで、

成人調査では、子どものころに読書活動が多い大人ほど、「未来志向」「社会性」「意欲・関心」「文化的作法・教養」「市民性」において、現在の意欲や能力が高いという結果が。

青少年調査でも同様に、やはり読書活動が多い子ほど、「未来志向」「社会性」「意欲・関心」「文化的作法・教養」「市民性」などにおいて意欲や能力が高いという結果が出ています。

なお、「未来志向」など、評価の基準は下記のように設定されています。

●現在の意識・能力:
「自尊感情」、「共生感」、「意欲・関心」、「規範意識」、「人間関係能力」、「職業意識」、「文化的作法・教養」、「将来展望」、「自己啓発」、「市民性」、「充実感」

●未来志向:
「職業意識」、「将来展望」、「自己啓発」

●社会性:
「共生感」、「規範意識」、「人間関係能力」

●自己肯定:
「自尊感情」、「充実感」

つまり、このような基準において、より高い、という結果になっているのです。

なぜ子供のころの読書で差が生まれるのか

もちろん、調査が全て正しいということではありませんし、例外もあります。
ただ、大きな枠としては、やはり読書をするということは、上記のような能力を醸成することと関連があるということはできると思います。

では、このような結果が出るのはなぜでしょうか?

その理由としては、3つのポイントが考えられます。

感情表現

一つ目のポイントは、感情表現です。

本の中にはたいてい、感情表現が入ってきます。

楽しい、悲しい、ワクワク、ドキドキ、謎解きの爽快感、不安感、理不尽さ・・・

様々な感情を想起させるシーンがあり、それを自分の中で消化していきます。

人間は感情の生き物。
そう考えると、子供の多感な時期に、この感情の幅を広げておくことが、何よりも読書の素晴らしいポイントではないかと思います。

もちろん、読書だけに偏ってはいけませんが、

疑似体験

前回の記事でも触れましたが、読書をしている時、脳の中では実際にそれを体験したかのように感じる、処理をする、と言われています。

つまり、単純に、読書をすることで疑似体験をしているのと同じ状態を作ることができる、ということですね。

実際に体験できることには限界がありますが、読書も併用すれば、その何倍も体験を増やすことができます。

そう考えると、将来的に差が出てくるのは納得ですね。
体験量が違うわけですから。

参考材料の増加

本の中には、色々な視点が入ってきます。

同じことについて書かれた本でも、賛成・反対両方の意見があったり。
あるいは、全然違う角度から、同じ内容について書かれていたり。

こういった、色んな意見をインプットすることで、自分の中に参考材料が増えます。
もちろん、子供のころは価値観が定まってはいないので、自分の中の参考材料をどう使うか、という選択肢は少ないでしょうけど、これが成長するにつれ、価値感が醸成されるにつれ、違いを生んでくるでしょう。


この3つのポイントが、特に大きいのではないかと思います。

個人的には、読書って暗い趣味、という印象を持っていた気がします。

今の子供たちにとって読書がどういう位置づけなのかわかりませんが、「面白いもの」「楽しいもの」「遊びの一つ」と思ってもらえるようにできれば、きっともっと読書をしていたんだろうな、と思います。

そういう意味では、ご両親が読書の楽しさを伝えたり、「楽しい読書」が体験できるイベントに参加したり、ということは、価値があるのではないでしょうか。

お子様の将来のために、読書と言う選択肢、考えてみるのはいかがですか?

引用・参照:子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究 報告書

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