売れるまでの時間―残り39秒/遠藤K.貴則(著)
セールスするのに罪悪感を感じている、いくらがんばっても売上があがらない、自分にはセールスの才能は無いと思っている人のための本を紹介します。
タイトルは、売れるまでの時間―残り39秒。
たった39秒で、自分のサービスや商品を売ることができるようになるという本です。
実際に著者が開催している39秒で商品を売る39ピッチという合宿セミナーの模様を収めたDVDも同梱されています。
本を先に読むか
DVDを先に見るか
ですが、あくまで私の主観ですが、DVDでは本書で紹介される39ピッチについてほとんど語られていません。
本を読まずにDVDを見てしまうと恐くなって、本を読む気が失せてしまうかもしれません。
本を読んでからDVDを見ると本に書かれている事がベースになっているセミナーですので、本書に書かれている内容が身につくと自分にどんな良い変化があるのかをイメージできるはずです。
是非本書を読んでからDVDを見ることをオススメします。
目次
Prologue 39秒で何でも売れる世界を、手に入れたくはないですか?
Chapter1 最強のセールスシステム「39ピッチ」とは?
Chapter2 お客様は4つのタイプに分類される
Chapter3 あなたを一流の「ブランド」にする方法
Chapter4 「売れるマーケティング」のウソとホント
Chapter5 相手の五感を自在に刺激する
Chapter6 「39ピッチ」をマスターせよ
Epilouge セールスとは、助けることである
著者の遠藤K.貴則氏のプロフィールは以下の通り
米国臨床心理博士。2007年アメリカ、フロリダ州マイアミ市にあるカルロスアルビズ大学の臨床心理学博士課程に入学。法廷(犯罪・法律)専攻を選び、研修課程で殺人犯、傷害犯、強姦犯、薬物依存やマフィア関係者などとの交渉、検査・治療をおこなう傍ら、講義を現場、治療施設、病院、収容所でおこなう。
2009年心理統計学の准教授になり、2年間教鞭を振るう。2010年アメリカ軍士官候補として3年間の訓練を経て、2013年博士課程を修了
治療センターでは全ドクター中過去最高の患者完治率を記録し、ベスト・スタッフ賞を授与。ベスト・セラピストにノミネートされる。2015年に帰国後、「決断の科学」(ニューロマーケティング)を取り入れた法人への指導及び、講演会を国際的におこなうようになる。心理学と統計学の権威であり、最先端の教育科学、脳科学をもとに講演会を構築し、「もっとわかりやすく、自然に技術を使えるように指導できる人物」として知られる。
本書はセールスがテーマの本ですが、著者はドクターです。
ドクターですが、著者の専門を活かした内容で、セールスは科学と言うだけあり、だれでも再現性があるもののようです。
もちろん、セールスマンで無い人が書いたセールスの本は嘘くさい。
と思ったらそれまでですが、それで本書を読むのをやめるのは、あまりにももったいない内容が書かれています。
39秒以内という短い時間で物やサービスを売れる方法、知りたくはないですか?
特に、今、売りたい物が売れない人は特にです。
私のオススメポイント
私がこの本をおすすめするポイントは
・私たちにはダラダラと説明ができる時間はもう無いことが分かる
・人間のタイプを瞬時に見分け、タイプ別に心に刺さる説明があることが分かる
・39秒で売るための方法が分かる
・本当に39秒で商品やサービスを売っている様子や結果が見られる(DVD)
以上の4つです。
この本を読もうと思ったキッカケ
私がこの本を読もうと思ったキッカケは、今時の購買行動の変化について考えていたからでした。
インターネットが無い時代は、商品情報はお店の店員さんから聞いたり、欲しい商品が雑誌に載っていれば、それを読んで購入を検討していたと思います。
しかし今は、欲しい商品やサービスがあれば自分で検索して調べます。
ほとんど店員さんの説明は必要ありません。
冒頭で書きましたが、お客様がセールスマンの説明を聞く時間なんてほとんど無い、そしてもしかしたらお客様の方が商品知識が豊富な場合もある今の世の中、セールスマンの話がよほど興味深くなければ、お客様は聞く耳をもってくれません。
つまり、お客様があなたの商品やサービスに目が離せなくなるようしないと商品が売れなくなってきている訳です。
私もお客様の立場になったときに思うのですが、まず自分にそれが必要なのか不必要なのかをセールスマンに言って欲しいわけです。
そうすれば、お客様は無駄な時間を使うこともありませんし、セールスマンも次のお客様のところへ行くことができます。
お互いにウインウインです。
遠回しに話しを進めて、堀を埋めようとしているなと分かることが多いですしね。
ちょうどアマゾンで、セールスに関する本の検索をしているときに、短い時間でセールスすることをテーマにした本書を見つけたので即購入しました。
私も著者から捕まれたわけです。
お客様に興味を持たせられないのが悪い
読んで分かったことは、現代人にはセールスマンの話しに割く時間は無いということです。
自分がお客様の立場にたてば、時間が無いことはよく分かります。
興味が無いもの、自分が困っていることを解決できそうな商品やサービスでなければ、話しを聞く理由がありませんし、聞きたくもありません。
・契約しなくてもいいですから、話しだけでも聞いて下さい。
・ご自宅に伺いますから、奥様と一緒にお話しだけでも聞いて下さいませんか。
・ご友人をご紹介下されば、私がご友人にアポイントをとってご説明差し上げますから。
と言われても、迷惑とまでは言いませんが行動を起こすモチベーションが湧きません。
セールスの相手が友人であるほど、後味が悪いです。
話しを聞きたい!と思ってもらえないのは、セールスマンが悪いのです。
お客様に、話しを聞きたい!と興味を持たせることができないのが悪いんですね。
本書ではお客様が自分の商品やサービスに、目が離せなくなる方法を著者の専門分野の視点から順を追って説明してくれます。
もう知っている。と思う方もいるかもしれませんが、そういうのはいったん脇に置いて本書を読んで欲しいと思います。
私はこの本を読んでみて、著者の専門知識や今までの実績から紡ぎ出される内容に新鮮さを感じました。そして改めて、知っているけどやっていないこと、忘れていることも多かったこと、もちろんまったく知らなかった新しい知識を得ることができました。
39秒で売るという視点も新しいと思います。
いかに短い時間で売るかだけにフォーカスした内容ですので、もうそういう本はたくさん読んだという方も是非一度、手に取って読んで見て下さい。
精神論や曖昧な内容は無いと思います。
なぜ39秒で売れるのか?
本当は何を売っているのか?
お客様のタイプを瞬時に見分けて、タイプに合った話し方をする。
あと、おもしろいと思ったが、
美女で売る、獣で売る、赤ちゃんで売るなど。
これもなるほどと思いました。
詳細は本書を読んで下さい。^^
それから、早速はじめたい人がすぐに行動に移せるように、
売るためのセールストークを作るフォーマットや
ただしく39ピッチを行うための工程表
も用意されています。
この書評で、そのフォーマットや工程表を紹介したいんですけど、それは本書を買って読んでみて下さい。
まとめ
付録のDVDですが、著者が行っている4日間の合宿セミナーの模様を映したDVDです。
14人の参加者が2チームに分かれて、販売の成績を競い合います。
そしてDVDでは、丸山さんという1人のセールスマンにフォーカスして話しが進みます。
丸山さんがどうしても私に思えて、応援しながら見てしまいました。
DVDでは、39ピッチの話しはほとんどありません。
もちろん本書で紹介された39ピッチがベースになっているのですが、物を売る人の覚悟について学べる内容です。
ぜひ、本書を読んだ後に見ていただきたいと思います。
※電子書籍でも販売していますがDVDは付属していないようなので、書籍購入をオススメします。