著者:岸本健太郎
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読書の効果・効用は、挙げていけばきりがありませんが、脳の観点から考えた場合、読書はどういった効果があるのでしょうか。

実は、色々な主張が展開されていて、中には「お、読書ってそんなことにもいいのね!」と感じるようなものもあります。

そもそも読書をすると脳はどこが働くのか?

読書は、様々な脳の器官を使います。

例えば、短期記憶をつかさどる「海馬」。
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

また、扁桃体や前頭葉のような、感情であったり意欲であったりをつかさどる器官も使います。

視覚はもちろん使いますし、右脳も活用しています。

専門的な話だと、

機能的磁気共鳴画像法(functional Magnetic Resonance Imaging, fMRI)を用いた神経科学的研究によれば、単語を読む時には少なくとも 9 つの部位が比較的安定して活動すると報告されている

とも。

つまり、かなりの脳の器官を動かしているのが読書。
こう考えると、なぜ読書が効率のいい脳トレであり、学習法なのか、よくわかりますね。

さらに、読書の価値、という点では、下記のようなものが挙げられています。

1.大脳の活性化

オックスフォード大学の神経学の名誉教授であるJohn Stein氏は「読書は大脳のトレーニングだ」と主張しているそう。

実際に読書中の脳をMRIでスキャンしたそうですが、本の中の景色や音、においや味を想像しただけで、大脳のそれぞれをつかさどる領域が活性化し、新しい神経回路が生まれた、ということです。

これってすごいですよね。
実際には体験していないことなのに、本を読むことで、あたかも体験したかのように感じる。

つまり、本の中に書かれている内容をイメージして追体験している状態になる、ということ。

もちろん、人によってイメージすることは異なるでしょうが、想像力が鍛えられる、ということにもつながります。

2.アルツハイマー病の予防

近年では若年性まで出てきましたが、アルツハイマーの予防に効果がある、とのことです。

これはなんとなくイメージしやすいですね。
他にも、囲碁将棋や麻雀なども同じように効果的だと言われます。

脳の様々な部分をフル活用するからこそ、予防に効果があるのではないでしょうか。

3.ストレスを軽減する

イギリスのサセックス大学の研究によると、わずか6分間の読書によりストレスが3分の2以上軽減されることがわかっているそうです。
これは音楽鑑賞や散歩によるストレス軽減をはるかにしのぐレベルである、と書いています。

全ての人に当てはまるかはわかりませんが、読書家と言われる人たちは、情緒が安定している人が多い気がします。

確かに、ストレス解消のために美味しいコーヒーと読書、なども良く見ますね。
私もすごく好きです。

ストレスが溜まり気味の方、読書なんていかがでしょうか?

4.コミュニケーション力を高める

「1」の大脳の活性化にあったように、読書であってもイメージを膨らませることで、実際に体験したかのように感じることができます。

もちろん、実体験よりは刺激が少ないでしょうけど、それでも読書をした場合としない場合では、大きな差が生まれてくるもの。

そして、ビジネス書もそうですし、小説などもそうですが、ロジカルな思考や感情表現、言葉の表現など、自分の中に参考材料がインプットされます。

さらに、読書会などで人にアウトプットすることで、コミュニケーション力がぐっとアップします。

私が読書会をWEBでもリアルでも提供するのには、この「コミュニケーション力の醸成」という部分も大いに含んでいるからです。

5.多角的な思考が身に付く

これも非常に役立つものですが、本は、その著者ごとに表現の方法が違ったり、結論にアプローチする道筋が違ったり、はたまた切り口そのものが違ったりで、同じことを説明するのにも、様々な視点が内包されています。

そのため、日ごろから読書をすること、もっというと多読をしていくことで、多くの角度から内容を捉える事ができるようになります。
そうすると、「ああ、この本はこう書いてあるけどこういうことが言いたいのね」という、本質を見極めるスキルが磨かれてきます。

元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏も言う、自分なりの頭の中の本棚と、カテゴリ分けができてきて、ものの数分で本の内容を把握することも可能に。

もっとわかりやすく言うと、例えば、営業スキルに関して、「売り込め!」「売り込むな!」という別々の角度の本。

こういう本、たいてい突き詰めると同じ事を言っています。

でも、そこに至る、異なる道筋を体験することで、自分の中により明確な軸が生まれるのです。

6.情報処理能力のアップ

インターネットが普及して、情報が大量に入ってくるようになった時代・・・
なんてもう耳にタコができるぐらいに聞きあきた台詞ですが、実際にそういう側面はありますよね。

情報の取捨選択は本当に重要。

今たいして必要のない情報ばかり大量にインプットしていては、仕事で成果を上げることは難しいでしょう。

読書、とりわけビジネス読書は、目的を設定して読むため、この情報処理能力がアップします。

これは必要、これは直感的に気になる、これはいらない。

情報を寄り分けていくことで、過度の情報にさらされることなく、情報を処理することができます。
もちろん、脳への刺激は前述の通りですね。

また、ビジネス書でなくとも、スタンフォード大学の研究によると、文学作品の精読は、脳の複合的な認知能力のエクササイズになる、ということもあるそうです。

さらに、みなさんもきっとご存知、シナプス。

シナプスは、簡単に言うと「シグナルを伝達する接合部位」というもの。
要するに、信号を伝達する装置です。

読書をすることで、このシナプスが新しく形成され、さらに既存のシナプスの働きも活性化することに繋がります。

そうすると、さらに伝達の効率がアップし・・・となります。
つまり、情報伝達のスピードが上がり、処理能力がアップするということですね。
記憶力についても同じことが言えます。


以上のような、脳への効果があります。

読書は本当にシンプルなのにリターンの大きいもの。
ぜひ、読書の秋に読書を見直してみてください。

追伸:
さらに興味があれば、こちらの本もどうぞ!
面白いですよ。
プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

引用/参照元:
本はやっぱり読むべき!? 読書は心身の健康にいいことが判明 「大脳が活性化」「アルツハイマー病の予防」「孤独を感じにくくなる」など
読書に関わる視覚情報処理

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