コミュ障を克服してコミュニケーションを楽しもう!「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」 / 吉田尚記さん著
コミュニケーションの目的は、コミュニケーションである。
何やら禅問答のような言葉ですが、これはある本の一節です。
その本とは、今非常に売れている人気の本、「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」。
著者の吉田尚記さんは、ニッポン放送の現役アナウンサーで、
ミューコミ+プラス、オールナイトニッポンGOLDといった番組の司会進行役などを務めたり、イベントの司会など、広範囲で活躍されている方。
そして何より、「ガチのオタク」。
さらに「コミュ障」だったそうです。
※コミュ障とは
参照:ニコニコ大百科
そんな吉田さんが書いた本なので、非常に共感を得ている様子。
そこで、「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」を取り上げてみたいと思います。
コミュニケーションの目的は、コミュニケーションである。
冒頭でもお伝えしたこの言葉は吉田さんの言葉ですが、ここにまず共感できる方が多いのは、非常によくわかります。
理由は「前提」。
私たちの中には、特に仕事をしている人間にとっては、コミュニケーションの前提が「業務に関わることでなければならない」というような思い込みが、多かれ少なかれ入っていたりします。
そこを解決するために、たくさんのビジネス書でコミュニケーションの取り方が書かれているわけですよね。
・プレゼンの方法
・伝え方
・話し方
・聞き方
など。
しかし、吉田さんは、
「コミュニケーションの目的はコミュニケーションだ」
ということを書かれています。
楽しく家族や友達と話をして過ごしたい。
もっと相手のことを知りたい。
今より人気者になりたい。
ウケたい・モテたい・一緒になりたい。
こんな動機でいいじゃないの、と。
最終的に得たいのは「幸せ」であったり、「充足感」であったりするわけですよね。
それを手に入れるには、周りの人とのコミュニケーションが必須。
なら、そこがゴールなんだから、コミュニケーションの目的はコミュニケーションじゃん、という風に解釈しました。
また、吉田さんは、コミュニケーションの欲求は、それこそ三大欲求と並ぶ位置にあるんじゃないか、とも言っています。
私も、ビジネス書の読書は「ウケたい・モテたい」の動機でいいと心から思っていますが、この部分には非常に共感を覚えました。
ウケたい、モテたい、チヤホヤされたい。
大いに結構じゃないですか!
コミュニケーションはそもそも難しい?
吉田さんの主張は、一貫して、
「そもそもコミュニケーションは難しいよね」
という前提で話をされています。
だから練習が必要。
「コミュニケーションなんて簡単だよ」
という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それでは共感は生まれません。
だって読者本人は、今得意じゃなくて、難しいと感じてるんだから。
そこに「いやいや簡単だよ」って伝えても、「それはあんたが得意だから言えるんだよ」ということになるはずです。
共感して、寄り添って、相手のためにコミュニケーションを取る。
そのスタンスは、この本そのものからも読み取れるようになっています。
コミュニケーションはゲーム
吉田さんのコミュ障克服の大きなポイントは、コミュニケーションをゲームと捉えることです。
敵を「気まずさ」と設定し、さまざまな勝利条件を設定。
ちゃんとしたルールがあり、技術で勝利の可能性をアップできる。
反則行為もあり、楽にプレーする秘訣もある。
わかりやすいですね。
勝利条件:その時によって変動
敵:気まずさ
推奨スキル:相手にしゃべってもらうスキル(質問力含む)
反則:ウソ・自慢・相手の言うことの否定
大枠でこんなところでしょうか。
そして、推奨スキルの部分に、あいづちであったり、質問であったり、の技術が詰まっており、これらの具体的な話も本には書いてあります。
このイメージだけでも、ずいぶんと理解が進むんじゃないでしょうか。
入門書としてわかりやすい!!
執筆の背景も面白い
実は、この本の背景には、「コミュ障の私よ、さようなら」というニコニコ生放送を8回実施されています。
そこで、ゴールを執筆に設定したうえで、実際に視聴者とのやり取りをしていく中でできた一冊。
この辺りも面白いですよね。
だからこそ、視聴者層には特に共感を得ているのだと思います。
まとめ
この本自体が、コミュ障と感じている人たちへの愛情にあふれていて、個人的に素晴らしいと思います。
読者側が一人ひとり、この本を読んでどう感じるかを楽しみにしている感じというか。
また、「コミュニケーションが苦手」「うまくなりたい」という人たちにも、入門書として、また、心が折れそうな時などに読み返す、などの役に立ちます。
マンガもそうですが、入門書はゆるくて無問題。
そこから、さらに局面に特化した技術を磨く本を読んで実践していけば、吉田さんの言う、コミュニケーションの技術がどんどん身に付くでしょう。
コミュニケーションに悩んでいる人は、ぜひとも一読してみることをオススメします。