著者:清水健一郎
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私もサービスマンと言う仕事に従事して20年になりますが、実は、日々、

「心をこめて精一杯取り組む」
「要領よくさばいていく」

ことを念頭に置いて仕事をしています。

「さばくことを念頭に?」と疑問に思われる方も多いかもしれませんね。
「さばく」と言うと、手抜きと感じる方もいるからです。

私がリッツ在籍中、上司、先輩方から教えられた大切な事は、「仕事に心を込められる様に、さばける技術、体力を身につける。」と言うことです。

ただ単に「さばく」ことだけをゴールにしてしまえば、手抜き仕事になってしまうでしょう。それではだめです。

しかし、一方で、良い仕事、良いサービスを提供しようとすると、余裕を持たないといけません。
そのため、要領よく「さばく」こと自体は、大切な要素なのです。

仕事は決して心だけでは成り立ちません。

もし、心意気は十分あっても技術・体力のない人(リッツ在籍当時の私)に重要な仕事を頼むか、同等の心意気があって技術・体力のある人(今の私)に仕事を頼むのか、だれもが技術・体力のある人に仕事を頼むのではないでしょうか?
それは当然です。技術・体力のない人に頼む理由が何もありません。

「プロの仕事」というのは、技術、体力が備わっていて初めて「プロの仕事」と言えるのです。
(もちろん、心があって初めて技術、体力が身についていくのですが。)

野球のイチロー選手がまさにそうですね。
素晴らしい人生哲学、野球哲学を持ち(すなわち心)それに沿った技、体を作り上げておられると思います。

まさに、


心が豊かで在れば体は鍛錬され技に磨きが掛かる技
技を磨き上げれば心が豊かに育ち体も鍛錬されてゆく体
体を鍛錬すればこそ心が豊かに安定して技は我が身に集まる

引用:こばっちのブログニュース 心・技・体

なかには、

「現場には人が足りていないから、さばく事もできない。」
「設備がないから、さばく事ができない。」

と、できない理由を自分以外に持って行く人は大勢います。
今まで何人も出会ってきました。
実を言うと私もそのうちの一人。
やはり物理的な限界はあります。

しかし、一度、二度は真剣に「さばけない」そんな状況に向き合ってみる心を持ってください。
初めから向き合っていないのであれば、心も技術も何も成長がありません。
その時、できなかったとしても向き合って初めて気づく事、学ぶ事がある。と、私は思います。

著書の中で林田さんは言います。

忙しく、お客様対応がおろそかになりそうなとき、自分は、なぜ今、忙しいのかを考えてみることです。それは、あなたのお店や会社がより多くの人に必要とされているからに他なにません。忙しいことは嬉しいこと、と感謝の気持ちを持って、すべてのお客様に、心を込めた対応を心がけてください。

「さばけない」そんな状況でも、上記の林田さんのような感謝の心を持ち続ける事で、はじめて技、体が育ちはじめると思うのです。

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