著者:清水健一郎
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今回の本は、以前からたびたびご紹介させていただいている私の元上司であり恩師、元ザ・リッツ・カールトン大阪営業統括支配人、林田正光さんの著書です。

「心のこもったおもてなしを実現するためには、具体的にどうすれば良いのか?」
をご紹介されているのですが、そもそも、会社にとって「心のこもったおもてなし」にはどんな利点、メリットがあるのか、を第一章でご説明されています。

それによると

1.ブランドを確立できる。
2.いい人財を確保しやすくなる。
3.集客につながる。
4.値引き競争に巻き込まれずにすむ。
5.消費体験を積み重ね、本質を見極める事のできるお客様を満足させる事ができる。

私に言わせると、つまりはリッツ・カールトンのサービスですね。

しかし、こういったメリットを享受できる理由として、「リッツだからできるんだよ。」「お金のある大企業だからできるんだよ。」と、思われる方は、少なくはないと思います。
正直に言うと、確かにそういった側面はあります。リッツをモデルとして、そのまままねるのであれば、という条件付きで。

例えば小規模店には、小規模店なりの「心のこもったおもてなし実現ノウハウ」があります。
私は、リッツとその他のホテル、そして小規模店の開業や経営を一通り経験しているからこそ、これを提供することが可能になりました。

おもてなしの心、ホスピタリティ・マインド

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は滋賀県彦根で20席あまりの飲食店を経営し、上記のサービスを日々、目標として実践しています。

もし私が「リッツだからできる。」「お金のある大企業だからできる。」と考えていれば、リッツを退社することも、独立して自分の店を経営する事もなかったと思います。

リッツにいれば、当たり前の様に上記のサービスが実践できます。
リッツから出てきた話なので当然です。

しかし、私はリッツの看板ではなく、自身の看板、自身のブランドで自分を試してみたいと考える様になり、リッツ・カールトンを退社しました。

リッツで学んだ事を土台に、リッツとはまた違う実践したいサービス、実現したい夢を持ってしまったのです。

そんな夢を語り夢に賛同してくれる素らしい仲間(スタッフ)と共に、バスティアンと言うブランド、競争に巻き込まれる事のないオンリーワンの店を創り上げ、お客様にあらたなスタイルを提案し満足していただいた結果、10年間、店を続ける事ができたのではないかと思います。

もちろん、著書の中で林田さんは、そこにも触れておられ、

「お金をかければ、いいサービスができる」あるいは、「お金をかけなければ、いいサービスはできない。」と思っているのだとしたら、それは大きな間違いです。
お客様の心を動かし、感動させるのはお金をかけた豪華な施設でも、豪奢なインテリアや調度品でもありません。お客様に少しでも喜んでいただきたいと願う、おもてなしの心、ホスピタリティ・マインドなのです。

つまり、林田さんの言う「お客様に少しでも喜んでいただきたいと願う、おもてなしの心、ホスピタリティ・マインド」がなければ、私の様な個人事業主が経営する小規模の会社、店と言うのは、存続すら難しくなることを、私は身を持って経験しました。

だからこそ、ホスピタリティマインドを持ち、素敵なサービスを提供したい、と願うすべての方に、その導入ノウハウを知っていただきたい、とも考えています。

あなたのお店や会社でも、ホスピタリティあふれるサービスを提供することは可能です。
まだ取り組まれていない方は、ぜひ取り組んでいただきたいですね。

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