著者:岸本健太郎
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学習の際に、割と議論になることを見かける、BGMの存在。

ある人はBGMをかけながら読書すると捗ると言い、ある人は捗らないと言います。
それ故に、単に音楽の好き嫌いやスタイルの違いとして片づけられがち。

しかし、BGMが脳に与える影響というのは、古くから研究されています。

そこで今回は、読書時にBGMはかけた方がいいのか?
そして、どんな音楽がいいのか、をお伝えしてみたいと思います。

読書に適した脳波とは

まず、脳波について考えてみましょう。

人の脳波というのは、周波数によって5種類に分けられています。
(ガンマ波をベータ波とする研究者もいるそうですが、ここでは5種類とします。)

γ(ガンマ)波
興奮していたり、恐怖を感じている状態

β(ベータ)波
普通の状態で、仕事をこなし、ストレスを感じ、という状態

α(アルファ)波
リラックスして、少しぼーっとした状態。
何かに没頭しているときも、このα波が出ているとされています。

θ(シータ)波
夢を見ている状態や深い瞑想状態

δ(デルタ)波
深い睡眠状態

このような分類になっています。

α波は非常に有名ですね。
他にも、Θ波などは、瞑想がかなり受け入れられてきたため、ご存知の方も多いでしょう。

この中で、読書と関係がないものは、δ波。
こちらは睡眠状態なので、読書とは関係ありません。

では、残りの脳波を見ていきましょう。

γ(ガンマ)波

これは、興奮状態にある状態です。
頭がフル回転している状態なども、この状態ですね。
また、恐怖を感じているときもγ波が出るとされています。

こちらは、あまり読書には向きません。

シャキッとしたい時は、このγ波がベストですが、この状態での読書は長続きせず、疲れます。

β(ベータ)波

私たちが普段生活する中で最も長い時間、このβ波の状態にいます。

仕事を効率よくこなしたり、生活の多くの事柄をこなすには都合がいいもの。
そして、読書中もこの脳波でいることが多いでしょう。

ベータ波が出ていない状態というのは、ボーッとした状態とも言えるので、β波は必須です。

α(アルファ)波

こちらはリラックスして集中できる状態と言われています。
気が付けば時間が立っていた、なんてことありませんか?

プロのスポーツ選手がα波トレーニングを取り入れたことでも有名ですね。
プロはリラックスしながらも集中する、という、一見相反したようにも見える状態にいるんです。

タイガー・ウッズをはじめとする「ゾーン」の状態も、リラックスしつつ集中が研ぎ澄まされた、α波の入った状態ということができるようです。

つまり、この状態とβ波が入り混じった状態が、読書に適していると言えるでしょう。

θ(シータ)波

瞑想状態などでは、このΘ波が出ているといわれます。
また、海馬の動きが活発になるという研究結果もあります。

まどろんでいるときと集中時、どちらもこのΘ波が出るということで、α波と似ていますが、こちらの方がより瞑想状態に近い状態。

ビジネス読書時に、このΘ波が強い状態で行うというのは、一般的にあまりオススメできるものではないと思います。

BGMは聞くべき?

α波が出る状態に簡単に持っていくという意味では、BGMは効果的でしょう。
また、BGMだけでなく、香りや照明も整えられるといいですね。

どんなBGMがいいの?

BGMに選ぶのは、下記のようなものがおすすめです。

・歌詞がない
・眠くなりすぎない
・読書の邪魔にならない

この3点を押さえたもの。

特に、歌詞があるものは避ける方がいいでしょう。
読書の集中の邪魔をします。

個人的には、ジャズが一番のオススメです。
これを小さ目のボリュームでかけておくと、効果的だと思います。

ジャズは得意分野じゃない方や、かっこつけてるみたいで嫌だ、という方も、ぜひ一度試してみてください。
ジャズにも色んなメロディーがあるので、気に入るものがあるはずです。
そして、気に入ったBGMができれば、きっと、手放せなくなるはずですよ!

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