著者:友松はじめ
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世界一やさしい読書習慣定着メソッド

著者は印南敦史さん。Lifehacker日本版の書評記事をはじめ、
Newsweek日本版、WANI BOOKOUTといったサイトにブックレビュー(書評)を寄稿している人気の書評家です。
この方が書いた読書習慣を定着させるために書いた本が、この「世界一やさしい読書習慣定着メソッド」
 
読書法や速読法の本がたくさん出版されている現在、本を効率よく読みたい、本を速く読みたいというニーズがあるわけですが、そんな本を読んだすべての人が本を速く読めるわけでもなく、また実際に本に書いてあるメソッドを試してみるという人は少ないのではないでしょうか?
 
そして、本当は速読法よりも、まず読書習慣を身につけるほうが先なのではないかと思います。
読書習慣が身につかないという悩みを抱えた人にとって、福音となる本が出た!という感想です。
 
4章から構成されている本書ですが、読んでみて、どこも興味深い内容ではなるのですが、まず本を読み始めることが読書習慣の第一歩と考えると、第一章の「本との関係をカイゼンしよう」が重要だと感じましたので、第一章を中心にご紹介したいと思います。
 
当たりまえですが、読み始めないと、読書習慣も始まりませんからね。
 
 
 

本への思い込みを壊し、自分の読書スタイルを見つける

考えてみると、いったい誰から教えてもらったのか?と思いたくなるくらい、我々は読書スタイルに多くの思い込みに縛られています。
例えば、本は最初から最後まで読まなければならない。とか。

そこで必要になってくるのは、自身の読書状況の「カイゼン」です。
「カイゼン」とは、もちろん「改善」のこと。トヨタの作業環境のなかから誕生したものですが、現場を中心として、作業のムダや矛盾をよりよく見なおしていこうという発想です。ビジネスの世界でおなじみのこの考え方は、個人の生活においても応用できるのではないかと思います。
そしてもちろん、読書についても同じ。
自分の読書について思い悩む人は、結局のところ「読書の常識」に振り回されるだけのことです。しかもその常識は、誰がつくったのか誰も知らないような性格のもの。
まず意識すべきは、「自分に合った読み方(自分の読書スタイル)とはどのようなものか」ということです。(27ページ)

本来、読書とは誰にも干渉されない、自由であるべきものです。
しかし、多くの人は、この誰がつくったのかも分からないようなルールに縛られて読書が嫌いになっています。
もし、この思い込みがカイゼンされ、自分にあった読書スタイルが見つかるだけでも読書習慣定着の入口に立てるように思います。

では、その気になる「自分の読書スタイル」はどうやって見つけていくのか?ですが、

そこで、まず自分と向き合ってみるためにお勧めしたいのが、「フリー・スクロール」というステップです。「スクロール(scrawl)」とは、書きなぐるという意味。つまりA4のコピー用紙などに、「自分にとっての読書の具体的な価値」を思いつくままに殴り書きしていくという方法です。大切なのは、「思いつくままに」という部分。早い話があまり深く考えず、パッと頭に浮かんだことを次々と書いていくだけでいいということです。たとえば、「他人の考えに触れる」「知らない分野について知る」「ひとりの時間」「現実逃避」「好きな作家や芸能人の頭のなかを覗く」・・・・・・などなど。(28ページ)

書きなぐる際には、こうしないといけない、ナンセンスなんじゃないか、といったことでも気にせず思い浮かばなくなるまで書き出しましょうと言っています。
 
さらに、

そのなかから、「特に大切な5つ」を青ペンで囲んでみましょう。

次に、「特に大切な3つ」を赤ペンで囲んでみてください。そうすれば、自分の思いの核心に近い部分があらわになるはずです。(30ページ)

そして、絞り込んだ3つの中から、最後の1つを選ぶ。

さて、そうやって選ばれたものこそが、「自分が読書に求めているもの」です。そして、「それを実現するためにはどうすべきか」を考えれば、最適な読書スタイル、読書ベースなどがおのずと見てくるということです。(30ページ)

読書の思い込みから自由になる

読書にたいしての思い込みは、読書の習慣にとって、深刻な壁のように思います。
この思い込みが、本を読みたいという気持ちを無くし、本嫌いにしてしまうのだと思うのですがどうでしょうか?
そんな思い込みに縛られていても、読書が自分にとって大切なものだと分かっているので、読書法や速読法などの本が出版され続けているんだろうと思います。

だからこそ、まずは次の2つのナンセンスを、頭のなかから排除してください。
1 熟読し、書かれていることのすべてを頭に叩き込まなくてはならない
2 時間を効率的に使うため、速読しなければならない
どうでもいいように思えて、これは、とても大切なことです。おそらくは、あまり意味のないそういう決まりごとが、「よみたい」という純粋な気持ちを覆い隠してしまっているからです。(32ページ)


2については、読書法を教えている者としては、少しひっかかりますが(汗)、速読法などに何かミラクルをイメージしている人も確かにいますし、速読できなければ本は読めないと思い込んでいる人もいます。

本を効率よく読む方法は身につけて、使う方がいいと思います。
しかし著者と同じ考えですが、ケースバイケースでの使い分け、読書方法の自由な選択ができることも、さらに本に対して自由でいられるように思います。

読書に義務は無い

1 「読まなければいけない」という義務感
2 「理解しなければいけない」という義務感
「~しなければいけない」と押しつけられるからこそ、本来は楽しいはずの読書が苦しいものになってしまっているということです。これはおそらく、小中学生時代の学校教育の影響もあるのではなかと個人的には考えています。(37ページ)

本当に私もそう思います。
まだまだ、読書がつらかった時の気持ちをよく覚えていますが、この2つに縛られていました。
本を読むことが苦痛で、本を読んでも覚えていないことに、自分が情けなくなってコンプレックスにもなっていました。本当は理解できなくて当たりまえなんですけどね。今から思えば。

絶対的な読書のルールなんて存在しないということに気づきましょう!と言いたいです。
ここ、すごく大事なポイントだと思います。

本に対してワガママになろう!

「その読書は、いったい誰のものなかのか?」ということ。(40ページ)

そうなんです。読書は自分のもの、自分のためのものなんです。
だから本来、縛られるものは無いはずなんです。
あとがきから先に読もうと、読む場所が前後しようと、知りたいことがわかったので読むのを止めるのも、本来読書は自分のものだからできることなんです。
本に対して、ワガママになることは、本書で書かれている読み方もそうですし、世にある様々な速読や読書法にも通じることだと思います。

まとめ

どう読もうと自由。
すごく大事なポイントだと思います。
読書法にしても、読み方のルールは確かにあります。
でも、守破離という言葉があるように、まずは、考えずに出来るようになるまでやってみて、そこから自分の読み方に変えていけばいいと思うわけです。何事も。
複数の媒体で書評記事を書き、年間700冊以上読んでいる、もともと1ページを読むのに5分もかかっていた著者だったからこそ説得力のある読書習慣定着をテーマにした本書。
読書が習慣になっていない人に、ぜひ読んでいただいて読書を習慣化していただきたいと思いますし、我々のように息を吸うように本を読んでいる(病的・・・汗)人にも、初心に帰る意味でも読んでみて、自分の読書習慣を客観的に見直してみるのもいい刺激になるのではないでしょうか?

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