著者:清水健一郎
Pocket
LINEで送る

「お客様目線のサービスを提供する」

この言葉を掲げているサービスは非常に多いです。
いや、掲げていないサービスを見かけること自体、ほとんどありません。

しかし、サービスの中にも、お客様のニーズに応え、喜ばれるものと、いまいちニーズからずれてしまい、なかなか継続してうまくいかないサービスとに分かれます。

どちらも「お客様目線」を標ぼうしているにも関わらず。

では、この両者の間には、どのような違いがあるのでしょうか?

紳士・淑女をおもてなしする私たちもまた紳士・淑女であるべき

「We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen
紳士・淑女をおもてなしする私たちもまた紳士・淑女であるべきです。」

これは、リッツ・カールトンのモットーです。
つまり、リッツスタッフのあるべき姿です。

そして、これこそが、「お客様目線」を実現するために非常に重要なのです。

モットーも、なかなか導入している会社やお店は少ないように思いますが、では、なぜ、この様なモットーが必要なのでしょうか?

私の恩師、林田さんは、著書「心のこもったおもてなしを実現するサービスの手帳」の中で、こう言っています。

「紳士・淑女であるお客様のニーズを理解し、本物のサービスを提供するためには、私達もまた、少なくとも知性や品格において、紳士・淑女として同レベルのものを身につける必要があります。」

つまり、紳士・淑女として知性や品格を身につけることで、紳士・淑女であるお客様の喜ぶポイントがわかるようになり、紳士・淑女に対して気くばりや心くばりが実践できる様になるというのです。

「お客様目線」ということがよく言われますが、なかなかこの「お客様目線」をすべてのスタッフに浸透させるのは、簡単ではありません。
冒頭でも書いたとおり、「お客様目線で!」ということは、ほとんどのサービスの現場で言われていると思いますが、実践できているか、というと、また話は違ってくるでしょう。

この考え方に対して、私の経験から思うのは、接客、サービスするお客様に対して、臨機応変に、時には紳士になったり、また他の役割になったりする事が必要だと思うのです。

例えば、子供連れのご夫婦のお客様に対して、私は、紳士としての態度はもちろんですが、父親としての目線、気持ちも持って、お客様に接します。

そうすると、特に父親同士で共感が得られ、お客様のニーズに気付くことができ、より一層、お客様と深い関係が築きやすくなるのです。

この様な対応こそ、「相手の立場にたって、相手の気持ちに、心に寄り添った対応」であり、リッツや林田さんが大切にし、広めていこうとされていたホスピタリティなのです。

まとめ

いくらお客様目線と言ったところで、そのお客様の気持ちに寄り添うためには、自分たちもその目線を体感しなくてはなりません。

そのためには、ラインナップのように、とにかく繰り返し繰り返しインストールする仕組みを導入したり、全員の体験を共有し、浸透させることで、会社やお店として、その目線を共有する、という意識が必要です。

なかなかいいサービスを提供できていないな、ニーズにこたえられていないな、と感じる方は、ぜひ、まずその目線を体感してみるところから始めてみてはいかがでしょうか?

きっと、新しい目線が見えてくるはずですよ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加