著者:友松はじめ
Pocket
LINEで送る

002

これは、速読できなくても、本は読める。ということを証明してくれているような本かもしれない。
この本は、雨の日に自宅へ帰るために電車に乗ろうとしたら、思いのほか帰宅ラッシュだったため、この駅ビルに入っている書店で買った本。ここの書店、古い本も平置きにしてて新しい本が探しにくいんだけどな。。と思いつつ、この書店で今まで何冊本買っただろう。
つまり、書店員さんのセレクトがうまいってことか。

■読む前の予想

読むのが遅い人のための読書術って、ニーズってありそうですよね。
速読って、訓練しないといけないから身に付けるまでに時間かかるし、独学じゃ身に付けるのは難しいし、時間かけてがんばって訓練したって、身に着けられるという保証はないし。
だから、私も、誰でもできる読書術を開発して教えてるわけなんですけどね。

帯にも、月20冊、年間700冊が当たり前になる。と書いてある。
なので、読むのが遅い人でも、しっかり効率よく読める本の読み方の方法なのだろうと予想
(予想するまでもないですけどね。ある程度内容を想像してから読むと理解がしやすいんですよ。)

ということで、読んでみました。
2016年2月初版の本です。

- 目次 –

はじめに なぜ「1ページ5分」の遅読家が年700本の書評家になれたのか?

第1章 なぜ読むのが遅いのか?

第2章 なぜ読む時間がないのか?

第3章 なぜ読んでも忘れるのか?

第4章 流し読みにもルールがある

第5章 本とどう出会い、どう別れるか

終章  多読家になって見えてきたこと

おわりに 10年後には「7000冊の世界」が待っている

■気になるポイント3つ

遅い人の読み方
なぜ月20冊があたり前になるのか?
速読は必要か?

遅い人の読み方

本を読むのが遅い人のための読書術を紹介する本ですよね。
著者は1ページを読むのに5分かかるほど読むのが遅いそうです。実際遅いですよね。
でも、そんな著者は年間700冊を読み、書評を書いている方です。私も稚拙ながら毎週読んだ本の中から1冊書評を書かせてもらっていますが、書評は毎回思いますが苦労して書いています。
それを著者は毎日記事を書いているのですから、自らを『遅読家』と呼ぶには、かなり無理があると思います。

「昔はよく読んでいたのに、最近になって読む本の数が減った」と言う人も本当に多いですよね。といっても、みなさん原因はよくわかっているはず。

それは間違いなくスマートフォンの影響です。スマホでSNSやニュースを見るようになって以来、多くの人の「読み方」が気づかないうちに変化しています。圧倒的な量の情報が洪水のように画面に流れ込んでくるので、かつてのような「文字の追い方」をしていては間に合いません。

雑談中に、ニュースやまとめサイトやらの情報をもとに会話をすることがよくありますが、お互いに不思議とよくニュースを知っているんです。結構な数のニュースです。もちろん内容も詳細ではないですが理解しています。話す相手は本など読まない世代で、スマホをいじっているだけ。
もちろん、ニュースの情報はスマホから入手しています。(私もですが)
本の活字なんか読まないのに、スマホの活字は素早く読んで理解している。考えたら不思議な現象です。

脳が「新しい読み方」に馴染みはじめているのに、本だけは「これまでの読み方」を押し通そうとするーこれが猛烈なストレスを引き起こしています。

この引用で、そうかと思いました。
著者の言うとおり、スマホやタブレットなどの新しいデバイスを使う老若男女は新しい文章の読み方をする段階に入ってきているということなんですね。
ただ、昔からの『本は最初から最後までしっかりと読まなければならない』という考えがまだ残っているため、本を開くとついつい昔の読み方になっています。
スマホだと思って読めばいいのに。です。

新しい読み方に移行しつつある人ほど、本を読むことにストレスを感じているのかもしれません。
著者はこんな人たちを新しい意味での遅読家と書いています。

本はスマホを読むように読む。ことが分かるだけでも、速く読めるような気がしますがどうでしょうか?

なぜ月20冊があたり前になるのか?

速読術というより、「正しい流し読み」


本の大切な部分だけを知りたいなら、流し読みで十分です。
そこだけに集中すれば、1冊数分で読めてしまえるでしょう。
ただ、「正しい」とあるように、ただ流し読みをするだけでは、月20冊は読めないようです。

ステップ① 「はじめに・目次」をよく読む
ステップ② 最初と最後の5行だけを読む
ステップ③ キーワードを決めて読む
ステップ④ 2つ以上の読書リズムで読む

というように、重要な情報に巡り合うために、4つのステップがあります。
どれも、速読術で言われるような、速くページをめくったり、右脳に写し取ったり、目を早く動かしたりなどといったことが出来なくても、誰でもできる方法であることが分かります。

大切な情報にだけ巡り合うことができる読み方をすれば、月20冊以上読むことは可能です。
だって、正しい流し読みですから。

速読は必要か?

「読む」と「理解する」は、まったく違います。
遅く読もうと、速く読もうと、理解できてなければ読む意味がありません。
1分間に何千文字読めたとしても、それを理解して、使えなければ意味がありません。
本書は、大切な情報を探し出すための読み方を紹介した本です。
速読のようなテクニックは一切書いていません。
この著者もそうですが、世の読書家の方が書いた読書術はどれもよく似ていますが、どの著者も自分なりの読書法は身に付けていますが速読ではないんですよね。
速読は必要か?使えるなら使えるにこしたことはないですよね。
でも、速読できなくてもこれだけの読書ができるというのが本書をよんでわかると思います。

■まとめ

高いお金を支払って速読を習っても、結局使わず終わる人は大勢います。自由に使えるところまでやりこまないのが原因なのですが、本書のような良質な、速読術を使わない読書法の本もあるので、日々の読書に取り入れてみてはいかがでしょうか。

私は、まだ速読が出来なかった時に、本を読んで独学で速読を習得しようとしましたが、結局断念してセミナーを受講しました。これはこれで原因はわかっているのですが、独学も難しいところではありますね。
本を読んで実際に実行する人も少ないですからね。

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

  • このエントリーをはてなブックマークに追加