著者:岸本健太郎
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ビジネス書は、年間で大量に発刊されます。

それがずっと続いているわけですから、
これまでに出たビジネス書の数と言うと、数えきれない数になります。

そして、新刊のタイトルはより魅力的に。
装丁はよりおしゃれに。

そうなると、なかなか古くなった本たちを読み返す機会と言うのは、どうしても減ってきてしまう、という方も多いのではないでしょうか。

しかし。
ちょっと待ってください。

実は、この「古くなっていく本」たちを、今現時点から読み返してみると、新たな発見があることが非常に多いのです。

本は色々な視点から読むことで「スルメ」となる

ビジネス書と言うのは基本的に、目的を決めて読みます。

そして例えば、ネットマーケティングの本であれば、最先端の技術を学ぶため、最新刊を手に取るでしょう。
改訂版を手に取ることもあると思います。

本を読む、ということだけでも素晴らしいのですし、これはこれでもちろんメリットがあります。
知識として持っておく、今困っている事象の最新のサンプルを手に入れる、色々あるでしょう。

これ自体は非常に有効なのですが、そこに一つ、

【同じジャンルの少し古い本】

を混ぜてみていただきたいのです。

それはなぜかというと、「新たな視点からその本を読むことができる」からに他なりません。

先ほどのネットマーケティングの例で言うと、「インバウンドマーケティング」が流行ったとしましょう。
※インバウンドマーケティングとは、有益なコンテンツを作成し、見つけてもらい、シェアしてもらえるような一連の流れを仕組みとして導入するマーケティングです。ご存知ない方はぜひ入門書をお読みください。

この流行に乗りながらも、少し前の、例えばリストマーケティングも併せて読みます。
すると、自然と今までなかった視点から読むことができるようになります。

読書家や、アイデアマンの人たちは、多角的な読み方というのが体に染みついているため、意識せずとも、その本を様々な角度から分析し、解析し、咀嚼し、役立つところを抽出していきます。

しかし、いきなりそれをやろうとしても難しい。
であれば、勝手にそうなるようにすればいいのです。

その結果、一冊の本を何度も読み返していくうちに、スルメのように、じわーと味わい深い体験が広がることになります。

もちろん、同じジャンルの本を何冊も多読・乱読した後に読み返すのも、非常に効果的ですね!

ポイントは時系列

この読み方のポイントは、時系列です。
本の時間をあえてずらすことで、時代の流行であったり、スタンダードとされた考え方であったり、の違いを勝手に体験することになります。

これが非常に有効なんですね。
そしてもう一つ、この方法を強くオススメする理由があります。
それは。

同じ著者の違う年代の本を読む

オススメする理由のうちの一つは、「同じ著者の進化が見て取れる」ということ。

複数の著書を書いている著者の、少し時間の空いた本を複数冊読んでみると、その著者の進化であったり、裏付けデータの充実であったり、昔と言っていることが変わったりしていることに気がつきます。

そうすると、何が起こると思いますか?
そう、「著者の骨格」が見えやすくなるんです。

基本的に、著者の方は信念を持ち、それをもとに執筆しています。
(そうでない方もいると思いますが)

その信念というのは多くの場合変わりません。

しかし、表現は変わっているわけです。

となると、その共通点を探していくと、著者の本当の意図や心の内が見えてきたりします。
これが非常に面白く、また役に立つことがあるんですね。

まとめ

この方法は、本当に効果的です。

自然と多角的な視点で見ることができるため、苦労せず、初回に読んだときと全く違うエッセンスを抜き出すことができます。

さらに、この方法を繰り返していくと、不思議なもので、ある程度読んだだけで、その本の言いたいこと、根幹にあるものが浮かび上がってくるようになるのです。

そうなれば、あなたのビジネス読書体験は、きっと一歩進んだものになるはずですよ!

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